妄想アーキテクツ株式会社を創業しました
お久しぶりです、髙松です!
今日は、大きなお知らせと、長く私を知っている方にどうしてもお伝えしたいことがあり、久しぶりにnoteを書いています。
まず、お知らせについて。
タイトルの通りではありますが、実は今年、「妄想アーキテクツ株式会社」という会社を設立しました。
(いろいろな意味で、”分かる人には分かる”社名にしました!)
メインの事業として、言葉だけでは伝わり切らないビジョン、ミッション、パーパス、中期経営計画などを1枚絵で可視化する「ビジョンイメージボード®︎」というサービスを企業やNPO、自治体などのあらゆる組織に向けて展開しています。
「このイラスト、誰が描いているんですか?」とよく聞かれるのですが、すべて私が描いています!!
(絵を描くまでの研修やワークショップも、私が企画・実施しています!!)
……というお話をしていると、私のことを長く知っている方からこんな質問をよくいただきます。
「あれ、弁論は辞めたの?」
そうです、言葉の人間だった私が「絵」を仕事にするだなんて、私を含めて誰も想像しなかったはずです。
おそらく私の知人の多くは「髙松瑞樹=弁論の人」というイメージだと思います。
実際、弁論部がある高校を受験し、弁論のために大学を休学し、法人向けの弁論研修事業で独立し……というように、10代から365日24時間弁論漬けな毎日を送っていました。
日本で唯一年齢制限なし(※開催当時)の弁論大会を主催したり、
弁論のプロの視点で、ディベート番組の審査員を担当したりしていました。
結論から言うと、弁論は辞めていません。
自分の中では「やりたいことは同じで、手段が違うだけ」という感覚です。
ただ、現在の活動に至る経緯についてこれまでお伝えできていなかったので、「この機会にしっかりお伝えしなくては!」と、今回のnoteを書くに至りました。
ここからは、弁論事業からあえて一旦離れ、一時期は無職でモヤシばかりを食べていたところから、どのように今の事業に辿り着き、会社を設立することになったのかをダイジェストでお伝えします。
▶弁論講師から離れて無職になったら「絵」が天職になった
2020年の冬、コロナの影響で弁論関係のお仕事がすべてキャンセルになりました。
当時は研修事業がメインだったので、オンラインに切り替えることも検討したのですが、「自分がやりたいことは本当に研修事業なのか?」「この機会に自分と向き合おう!」と思い、あえて事業をストップしました。
ですが、事業をストップした私の収入は、当然ながら「ゼロ」。
ジブリ映画のタイトルのごとく、「私はどう生きるのか?」と、貯金を切り崩しながら事業と生活の両方を考える日々がスタートしました。
(集団研修でなく経営者にマンツーマンで教えてみるのはどうか?と「スピーチコーチング」というサービスを考えたりしていた時期もありました)
ですが、どれもしっくりはこず、貯金残高とにらめっこする時間が増えるばかり......。
「背に腹は変えられないので、まずはご飯が食べられる土台だけでも整えねば!」と考えはじめたところ、ラッキーなことにそのタイミングでとあるお声がけをいただきます。
それが、私がYouTubeで発信していたことを知っていた知人からの「YouTubeチャンネルの運営を手伝ってくれないか?」とお誘いでした。
そこからは、朝から晩まで、ひたすら動画編集に向かう日々を1年近く過ごすことに。
(モヤシ以外に大好物のアイスも少しは買えるようになり、某漫画よろしく「キンキンに冷えてやがる・・・!」と、泣きながら食べていました)
そして、ある日。
動画内で使用する素材イラストを描いたときに、こんな言葉をかけられました。
「こんなに細かい絵を描けるなら、企業のビジョンやパーパスを絵で表現してみるのも面白いかもね」
この言葉が私のターニングポイントとなりました。
お手伝いしていた方が企業のブランディングを支援されている方だったからこそ、この言葉が出てきたのだと思います。
「もともと弁論で人や企業の想いを表現していた私に、こんなにぴったりなことが、しかもお仕事としてできる可能性があるだなんて!」
そう思った私は、その方の言葉が終わる1秒前には食い気味で「やってみたいです!!!」と、カフェ中の人が驚くほどの大声で返事をしていました。
その熱量(声量?)のおかげか、その1ヶ月後には、企業の中期経営計画をビジュアル化する機会を本当にいただき、未経験ながら挑戦することになります。
ですが、もちろん簡単ではありませんでした。
絵の先生がいるわけでもないので、必要な技術や知識はすべて独学で得なければなりませんし、絵を描く設備環境が整っているわけでもありません。
何度もフリーズしては再起動を繰り返すiPadを相棒に、徹夜に次ぐ徹夜を繰り返しました。
そして、最初の打ち合わせから数えて、約4ヶ月後。
やっとの想いで完成した、人生ではじめて描いたビジョンイメージボード®︎がこちらです。
ミッションを実現する上で欠かせない10年間に渡るDXプロジェクトの全貌や、その取り組みがどのように会社のミッションやビジョン実現につながっていくかについてを1枚絵にしたところ、「言葉では伝わらなかったことが、本当に1枚の絵になった!」と、大変喜んでいただけました。
そのありがたいフィードバックとやりきった達成感に浸りつつも、「企業のビジョンを絵で表現する」という経験を通して、私はあることに気づきました。
これ、「弁論」でやっていたことと同じだ!!!!!!
私が「弁論」を通じて、1番ワクワクしながらやっていたこと。
それは、「長期間あるテーマについて考え続け、膨大な情報を整理・構造化し、1つのアウトプットにまとめるというプロセス」に没頭することでした。
弁論の世界では、たった7分間の発表時間の原稿づくりに、1年もの時間をかけることが少なくありません。
この絵も、最初の打ち合わせから数えると約4ヶ月ほどかかっています。(寝食を忘れて書いていたので、かけた時間だけで言えば弁論のそれに匹敵するかも......)
私としては、ワクワクするポイントも、頭の使い方もほぼ同じで、違いは最終的なアウトプットが「言葉か?」「絵か?」だけだったのです。
しかも、弁論活動をする中で悩んでいたモヤモヤが、「絵」という手段であれば解決できることにも気づきました。
▶つくる途中も、つくった後も、より多くの人を巻き込める!
弁論活動でのモヤモヤ。
それは、「終わりなき孤独な長期戦であること」と、「長期戦の果てに生まれた作品の賞味期限が短いこと」です。
弁論大会に出場していた時は、最低でも4ヶ月前から原稿を何度も描き直して練習していたのですが、その間は基本的にずっと1人でした。
弁論は競技なので、その特性上、「原稿を見てくれませんか?」と言いたくても、添削スキルがある人でないと関わりづらい側面があります。
しかも、それだけの長期戦を経て生まれた原稿であっても、発表後にはもう日の目を見なくなることが少なくありません。
「つくる過程も、つくった後も、どこかもったいない......。」
そんな思いが常に頭にあったのですが、先ほどのイラストを完成させる過程で、絵であればそのモヤモヤを解決できることに気がつきました。
まず、つくる過程について。
絵には正解や採点基準がないので、社歴やスキルに関係なく自由に意見を出せます。
たとえば、ビジョンの文言に「愛」という言葉が入っている企業の場合、「愛」からイメージするものは一人ひとり違います。
このように語っていくと、絵の設定にもこだわりが生まれはじめ、「ここに階段があるのは、ウチの会社らしくないなぁ……」「ウチって村というより島なのかも!?」と、メンバーの妄想は膨らんでいきます。
その妄想に乗っかって、また新たな妄想が生まれる瞬間、自然とチームに笑顔が溢れていき、絵も自然といい作品になっていくのです。(その瞬間をもとに絵が描けることが私の最大の幸せです!笑)
つくった後のモヤモヤについても、パッと1秒で目に入る1枚絵ならではの特徴が解決してくれました。
HPや周年記念のキービジュアル、会社案内、採用ピッチ資料、企業ノベルティ、オフィスの壁......と、完成した絵はさまざまなところで活用することができます。
弁論の原稿もそうでしたが、ビジョンや中期経営計画を数十枚にも渡るテキストだらけの文書として渡されると、やはり日常の中で何度も読もうという気にはなりづらいものです。
普段から目にする会社紹介ツールにビジョンの1枚絵が描かれていれば、自然と何度も目に触れますし、ふとした業務の合間に「絵のこの部分に描いてあることをやってみたいんだよね」と未来を語る際の“きっかけ”になることも考えられます。
……などなど、語り出したらキリがないほどにビジョンを絵にすることの素晴らしさに、この数年で気づいてしまいました!
調べてみると、この領域の専門家もほぼいないことがわかったので、「よし、本格的にお仕事にしてみよう!」と思い、サービスを「ビジョンイメージボード®︎」と名づけ、肩書きを「ビジョンイメージデザイナー」と名乗り、起業することを決断しました。
▶髙松瑞樹がこれからやってみたいこと(妄想)
これまでたくさんの方に質問されてきましたが、上記のような経緯で弁論から絵の方へと活動の軸足を移してきました。
最後に、手段が変わっても今後も変わらずにやっていきたいことについて、私の妄想を語らせてください。
今回の起業を機に、妄想アーキテクツ株式会社として、ミッションとビジョンを考えてみました。
事業展開していくなかでビジョンは少しずつ変わっていくかと思うのですが、ミッションの「妄想をカタチにする」は弁論の頃からもこれからも変わらない“一貫した軸”のような考え方です。
このミッション・ビジョンを実現するために、最近の私はこんな妄想を膨らませています。
1.「こだわりの強い企業」のビジョンをたくさん描きたい
いきなり何の話かと思われるかもしれませんが、昔から私はネジやパイプが大好きです。
製造業の展示会があったら業界外にも関わらず参加してしまうほどなのですが、そこでお話を聞いていると「もったいないな」と思うことが少なくありません。
こだわりがいくつも詰まった部品や、中小企業の経営者・職人ならではの強い想い。
そうした「その企業ならではの魅力」は、ブースで語られることはほぼなく、機能の説明に終わることがほとんどです。
もし商品の性能が他社とほぼ変わらないのであれば、商品を通じて企業が見据えている社会像やそこで働いている人の想いに、クライアントやファンはついてくるはず。
「おたく、ユニークな企業ですよね」と社外の人に言ってもらえたら、「そうだよな、このためにネジをつくっているんだよな」と社内メンバーも誇りを持てますし、その誇りが社内全体に広がることでビジョン実現に向かえる会社へと本当の意味で変わっていくはずです。
社内の想いが社外に広がれば、結果的に採用も強くなるはずです。働く目的を強く意識する若い人であればなおさら惹かれることでしょう。
……と、壮大に語ってしまいましたが、実際にここまで実現するには数年〜数十年かかるかと思います。
ただ、そうだとしても、「あの作品がきっかけでここまで来れたよね」と思ってもらえたならば、それこそが妄想アーキテクツ社の存在意義になると信じて疑いません。
だからこそ、こだわりや想いの強い組織・経営者の思い描くビジョンを、もっともっとたくさん描いていきたいと考えています。
2.描いた絵を活用して、もっと妄想を語られるようにしたい
せっかく絵ができたとしても、社内フォルダに納品データをしまわれるだけでは、妄想アーキテクツのビジョンは実現できません。
そこで、もう1つの妄想として、「組織内でビジョンが継続的に語られる場づくり・仕掛けづくり」をしていきたいなと考えています。
組織内でビジョンについて語る場ができると、その中で「絵のこのエリアに特化して語れるようなツールを別途つくりたい!」「社員紹介のために、絵の登場人物の設定資料集をつくりたい!」など、企業のビジョンを語る上でのさらなるリクエストが出てくるはずです。
そうした現場の想いをもとに、絵本や漫画、アニメ、映画、設定資料集、(弁論原稿でももちろんOK!)、など、ビジョンを語る上でメンバーが実際に欲しいと思ったツールをつくっていく機会をこれからよりつくっていけたらなと妄想しています。
(こうした想いから、ミッション「妄想をカタチにする」はどの手段でもカタチにできるようにと、あえて抽象度を残した言葉を選びました)
▶最後に
妄想アーキテクツの世界観に共感してくださる方、ぜひお気軽にご連絡いただけますと幸いです!
特に、「うちの会社でこんなプロジェクトをやってみたら面白いかも!?」「こんなコラボも面白いかも!?」「非美大卒だけど、本気で絵を描きたい!」という方、ぜひ妄想をお聞かせください!
HPのお問い合わせからでも、X(Twitter)のDMからでも、いつでもご連絡お待ちしております!
まだ生まれたてでよちよち歩きな会社ではありますが、妄想アーキテクツ株式会社をこれからどうぞよろしくお願いいたします!
妄想アーキテクツ株式会社
代表取締役/ビジョンイメージデザイナー
髙松 瑞樹