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改めて紹介します、ISU-WORKSの椅子を。

※私が書いているブログからの転載になります。

ソリウッドで扱う木の椅子ブランド、ISU-WORKS。

このブログでも数え切れないほど紹介していますが、改めてISU-WORKSブランドの紹介をしてみます。

ISU-WORKSを立ち上げたのは、北海道札幌市在住の木工家・高橋三太郎さんと北海道津別町にある木工所・山上木工さんです。

同じ北海道ではありますが、札幌と津別はとても距離があります。自動車で片道5時間ほどの距離と聞いています。もともとそれぞれの仕事で協力関係にあったのですが、量産できる椅子を作っていこうということでISU-WORKSを立ち上げています。

ISU-WORKSの椅子は高橋三太郎さんがデザインをして、山上木工さんが製作をしています。三太郎さんは、木工家ですので自ら椅子を製作することもできます。しかし、1人で製作をするのには限界があります。そこで山上木工さんが誇るNC工作機の技術力を駆使して量産体制をとり、全国的に売り出していくスタイルを取っています。

ソリウッドではもともと高橋三太郎さんが製作する椅子の取り扱いがあったので、ISU-WORKSブランドが立ち上がったのと同時に取り扱いをしています。それまで作っていた三太郎さんの椅子も今ではISU-WORKSブランドに統合されています。

デザインは外部のデザイナーが担当して製作は木工所で行うブランドは多くあります。では、そうした椅子ブランドとISU-WORKSの椅子は何が違うのか?

その答えは、デザイナーが木工家という点にあると私は考えています。

デザイン・設計をしている人が自らの手を動かしてものを作る木工家なので、木のこと、木工のこと、椅子のことをよく知っています。当たり前のことに思うかもしれませんが、残念ながら当たり前のことではありません。木の椅子をデザインしているデザイナーでも木のこと、木工のこと、椅子のことを知らない人はたくさんいます。知識としては知っていても、自分で作ったことがないので本質的なことを理解できていない人は多いと思います。

なので、ISU-WORKSの椅子の無理がありません。

椅子には色々なデザインがあります。中にはデザイン性重視で耐久性に不安がある椅子もあります。逆に耐久性や座り心地を追求して、デザイン的には面白くない椅子もあります。

ISU-WORKSの椅子は椅子製作に詳しい高橋三太郎さんがデザイン設計しているので、耐久性に無理がない程度にデザインされています。私なりの考察では、バランスが良い椅子 に仕上がっています。

ISU-WORKSの椅子ラインナップの中で 、【バランスの良い椅子】は、

ZENチェア、GENチェア、ですね。

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ZENチェア

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GENチェア

最後に私がISU-WORKSらしい椅子だなと思う椅子を紹介します。

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YACチェアです。

何がISU-WORKSらしいかと言うと、

一見オーソドックスな丸座の椅子に見えますが、確かな技術力がないと出来ないと構造をしているからです。

他の丸座の椅子は大抵、脚がクロスしていてその上に座面が乗る構造をしています。ですが、YACチェアは座面の枠に脚が固定してある構造をしています。ここにISU-WORKSの椅子を作る山上木工さんの技術力が詰まっています。

そして、デザイナーの高橋三太郎さんの挑戦する意識が見て取れます。多分オーソドックスな構造の丸座チェアに対して、新たな構造の丸座チェアを作るという三太郎さんの意図があると思います。

丸くなっている枠に脚をしっかり固定するのはとても大変です。おそらく手作業では確実で精巧な加工は出来ないと思います。(量産すると言う前提で) しかし、山上木工さんにはNC工作機と言う精巧な加工がいくらでも出来てしまう機械を巧みに操る技術力があります。NC工作機は機械があれば、誰でも簡単に使える機械ではありません。機械を動かすプログラミングを作る技術力が必要です。プログラムができればスイッチ一つで加工が可能ですが、プログラムを作るのに膨大な経験と知識が必要になります。私はそれをNC工作機を駆使する技術力としています。山上木工さんはそれを持っています。

だから、YACチェアはISU-WORKSらしい椅子だと私は考えているのです。

最後に、山上木工さんの技術力の高さを知ってもらうための情報をひとつ。

TOKYO2020オリンピックのメダリストに配られるメダルケースを製作したのが、山上木工さんです。メダルケースの製作者を決めるコンペの存在を知った山上木工の専務、山上裕一郎さんが外部デザイナーと試行錯誤した案が採用されました。このメダルケース、実物は見ていませんが写真を見る限りとても格好良いです。タモ材の木目に藍色がとても似合っています。精密な加工ができるからこそ実現したマグネットを使った蓋などとても良いと思います。気になる方はメダルケースについてネットで検索して見てください。写真が見られます。

というわけで、改めてISU-WORKSブランドの紹介をしました。

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