日本発ブラジルのドキュメンタリー映画『街は誰のもの?』グラフィティとサンバの共通点って
サンバに通ずること有り!
ブラジル好き必見の作品:『街は誰のもの?』
ブラジルの路上に絵を描き続ける人たち。
いったいなぜ?
鑑賞後、阿部航太監督のトークショー有り!(土・日。夜の部はQ&Aも!)
ブラジルで6ヶ月もの間取材を続け
本作品をつくり上げた監督。
書き下ろし4万字のパンフレットを買いました。
観ればより興味をひかれる作品。
12/11から
渋谷シアター・イメージフォーラムにて上映中!
(終了しました)
◇◆◇
■鑑賞後、パンフレットを読んで
(※一部ネタバレを含みます)
グラフィティとは
行政や壁の所有者に無許可で絵を描く違法行為、その絵のこと。
原則、報酬はありません。
摘発されれば(サンパウロの場合)
「罰金は5,000-10,000レアル(10-20万円)」(パンフレット35頁)
危険と隣り合わせで描く即興のアート
それがグラフィティ。
2006年
大型ビルボード広告の設置がサンパウロ市で禁止以降、グラフィティは新たな局面を迎えました。
広告亡き後の世界
残された巨大な白い壁Empena(エンペナ)。
やがて巨大な壁画が描かれるようになりました。Projeto(プロジェット)といって
グラフィティとは別物。
合法かつ報酬があります。
(パンフレット25、29-31頁)
「その『仕事』を収入源として生活できるポジションを、多くのグラフィテイロたちは目指している。」(パンフレット30頁)
「プロジェット1本でしばらく暮らせる額が手に入る」(阿部監督談、トークショーにて)
卵が先か鶏が先か
グラフィティは
「多くの市民に『カラフルで綺麗なもの』として受け入れられている」そう。
(パンフレット31頁)
サンパウロ市
「選択」と「集中」でつくる観光地
Beco do Batman(ベコ・ド・バッチマン)
これらはグラフィティ?それともプロジェット…?
興味深いのはPichação/Pixação(ピシャソン)
「多くの市民には受け入れられていない」
ピシャソンは
自らのチーム名を暗号化して
黒一色で描くことが多い文字ベースの表現物。
グラフィティと同じく違法。
「アンダーグラウンド」
彼らはなぜ自らのチーム名を描くのでしょうか。
「昔はチームの縄張り争い的な要素が強く、抗争も絶えなかった。(中略)『不良の落書き』という認識にかなり近いように思える。」
(パンフレット31項)
◇◆◇
1980年以降、
産業の構造転換に失敗したとされるブラジル。
低成長率、高関税、慢性的に高い失業率。
土地所有の偏在。
世帯所得1万USドル(約110万円)を下回る層が56.2%を占めました。
(出典:経済産業省2020年)
劇中、鶏卵40個10レアルと宣伝する行商。
これを3でかけると日本の物価とほぼ同じ感覚に。600円で鶏卵40個。だいぶデフレですね…
資本格差が恒常化している
ように見えるブラジル。
資本の階級を駆け昇るため
プロジェット受注を目指し
グラフィティに励む。
一発逆転の手段、それが絵を描くこと。
『街は誰のもの?』
ブラジル好き、
サンビスタは
ぜひ観ておきたい、そんな作品です。
サンバ仲間Glória😎ポル語部🇧🇷で観てきました⏬
リオのカーニバルのパシスタ経験者いわく
「少しハイコンテクストな作品」
なぜグラフィテイロたちが「存在したい」というモチベーションを強く感じているのか。
ブラジル渡航の経験者いわく
「ブラジルで普通はなかなかいけない場所が見れたのが良かった」
かなり踏み込んだ取材だったのだと想像します…
コロンビア居住経験者いわく
「コロンビアも似ている」
本作が映すのは
階級社会のラテンアメリカ諸国に共通した現象
なのかもしれません。
◇◆◇
■2022年2月ブラジル取材について
(※以下、告知を含みます)
ブラジルのサンバも
Risingするための舞台であり、手段。
多くのダンサーやバテリア(楽器奏者)が
夢をみて、それを叶えつつあります。
2022年2月は、
そんな現地の様子を
地元密着で取材して参ります。
▼Bellinha Delfimさん
地元でショップ店員をする傍ら
複数のエスコーラでパシスタに選ばれ
リーダーを経験し
2021年Musa(タレント)にRisingしました
▼古巣Salgueiroに凱旋
▼Risingを後押しするエスコーラSalgueiro
Salgueiroの本拠地に住み込んで
しっかり勉強・取材して参ります。
その様子はnoteやYouTubeで発信します。
見ていただけると嬉しいです。
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(おわり)
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