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スプリンターズS2024 全頭診断 完全版

競馬を愛する皆さん。
どうも、noteでは宝塚記念以来のMIZUKIです!

秋競馬も始まってもう一か月。
ついにGIシーズンの開幕です!

GIシーズンが始まるならやることは一つ。

全頭診断しかない!!


今週全頭診断するのはこちら!!

第58回 スプリンターズS (GI)中山芝1200m

今週は秋のGI開幕戦、そして秋のスプリント王を決める戦い。
スプリンターズSを全頭診断していこうと思います!!

上位拮抗で非常に予想しがいのある一戦。
新たなる王者が誕生するのか、それとも歴戦の猛者が勝利するのか。

評価はいつも通り、【S→A→B→C】の順で一頭ずつ評価をします。

全人馬無事にゴールすることを願って、それでは早速見ていきましょう!






【ウイングレイテスト】

A評価

短距離路線にシフトしてから右肩上がり。3歳以来のGI挑戦で一気に頂点へ。3走前の1351ターフスプリントは、好スタートから先行して追走。直線は上手く外に出して、追い出すが最後は切れ味に屈して4着。最後にララクリスティーヌなどが飛んでくるくらいペースが流れたので、この馬には少し速すぎたかもしれない。それでも初の海外遠征でも、動じず掲示板を確保したのは評価できる。2走前の函館SSは、別定戦で59キロを背負わされる。好スタートから押していくが、スプリント戦のテンの速さには敵わず、3番手追走になる。それでも3番手を確保してからは、折り合いに専念して脚を溜めることができた。直線は先頭に並びかけて交わすが、勝ち馬に内を掬われて2着。初のスプリント戦でも、ある程度展開に対応して連対できたのは評価すべき。勝ち馬は57キロだったのに対して、この馬は59キロだったので、その分を考えれば、逆転してもおかしくないと思う。休み明けでもあったので、ここから更に状態を上げてくることも考えられる。非常に価値のある一戦だった。前走のアイビスサマーダッシュは、別定戦だったのでまたしても59キロを背負わされる。まずまずのスタートから1番人気チェイスザドリームの後ろをガッチリとマークする。残り400mを通過するあたりで、追い出しを開始する。最後は先頭に出るが、またしても内からモズメイメイに差されて2着に負ける。2番人気に支持されても、しっかりと自分の競馬を貫くことができた。勝ち馬とは4キロも差があったので、その分を考えれば勝ちに等しい2着だったと思う。近2走は短距離路線にシフトしているが、追走面も問題なく、短距離がハマっている印象。7歳馬だが衰えどころか、経験を積んで更に成長しているので、歳は気にしなくていいと考える。これまでのレースを見ても、長く良い脚は使えない。一瞬抜け出す時に、切れる脚は使えるので、その脚を使うタイミングが重要。上手く先行できて、早めに前を交わしてセーフティリードを取ることができれば、GIでも通用する脚は使える。テンの速さはメンバーの中でも上位。ピューロマジックが乗り替わりで、恐らく逃げないので、ハナはビクターザウィナーでほぼ確定。問題はその後ろを誰が取るのか。テンの速さから見れば、マッドクールもいるが、この馬も十分2~4番手を確保できるポテンシャルはある。展開的にも、勝ち切る可能性を秘めている。斤量も古馬牡馬は58キロで古馬牝馬は56キロ。これまでは59キロを背負っていたが、ここで1キロ減って同じ斤量になるのは大きい。中山1-2-2-5で、中山の重賞で馬券内に2回入っている。リステッド勝ちもあるコースで、一瞬の切れしか使えないこの馬にとって、コーナリングで差をつけられる中山コースはベストに近い。中山1200m自体は初めてになるが、これまでの実績を考えれば、全く問題にならない。昨年少し前進気勢が薄れてきていたところに、ブリンカーを着けたところ復活。昨年の京成杯オータムHからブリンカーを着用して覚醒。そこから歳を感じさせない前進気勢を見せている。この効果は絶大だったと考えられる。血統的に父スクリーンヒーローは、中山1200mだとやはりロードカナロアなどの、スプリント系の瞬発力を持つ馬には成績で劣る。母父サクラユタカオーは評価できる。サクラユタカオーはサクラバクシンオーの父。サクラバクシンオーはスプリント界で、母系と父系どちらでもかなりの好成績を残している。プリンスリーギフトはナスルーラ直仔のスプリンター系の種牡馬。プリンスリーギフト系の中でも、サクラユタカオーの血は成長力のある血統なので、7歳でもまだ成長していると考えられる。この母系は非常にスプリントで強い血統であるので、血統的にも買いたい一頭。大体スプリンターズSの時計は1分07~08秒くらいなので、時計を詰める必要がある。決め手に欠ける部分があって、速いペースにもそこまで慣れていないので、07秒台前半になってくると少し対応に苦労するかもしれない。ただ今回逃げるであろうビクターザウィナーは、スタートは得意だが、そこまで前半3Fを速いペースで飛ばしていくタイプではない。ビクターザウィナーが逃げるなら、この馬の走りやすい展開になる確率は高い。この馬の今までの走りを見れば、時計勝負は厳しいかもと考えてしまうが、母系がプリンスリーギフト系なので、潜在的な面で言えば時計勝負も対応できる血統ではある。年齢的にもGIに挑戦できるチャンスは少ないので、ここは完璧メイチで仕上げてくると考えられる。マッドクールやビクターザウィナーの外でかつ、あまり外過ぎない枠を引けたら勝ち負けできる。ここはかなりの高評価。



【ウインマーベル】

B評価

スプリンターズS三度目の正直。悲願のGI制覇へ今年はぶっつけ本番で挑む。3走前の阪急杯は、最内枠から好スタートを決めて4番手の好位置を確保。直線に向くまでしっかりと我慢して脚を溜める。直線は前にいるアサカラキングを射程圏に収め、外にいたメイショウチタンを弾き飛ばして先頭に並びかける。最後はサインライズロナウドに外から来られるが、それも振り切りアサカラキングをきっちり差し切る。着差こそなかったが、他馬が57キロなのに対して、この馬は58キロだったので、完勝と言っていい内容だったと思う。2走前の高松宮記念は、大外枠からの競馬。終始進んでいかず、最後まで見せ場なく12着。スタートは決めたが、緩い馬場が合わずのめってしまった。道悪が決してこなせない馬ではないが、道悪の影響でスタートダッシュで行き脚がつきづらいのが原因。大外枠でトラックバイアス的にも厳しかった。内枠ならもう少し結果は良くなっていたかもしれない。度外視してもいい内容に思える。前走の京王杯SCは、大外枠からスタートを完璧に決めて、4番手の好位置を確保。枠順の並び的に先行勢が内だったので、楽に先行することができた。直線半ばで抜け出すが、最後外からレッドモンレーヴが猛追。ゴール前に一度完全に交わされたが、最後にもうひと伸びして、差し返す。最後完全に交わされてから、もう一度差し返す勝負根性は目を見張るものがある。やはり1400mがこの馬のベストである。昨年の阪神Cから1400mの重賞は3連勝中。逆にスプリント戦は、3歳秋のスプリンターズS以来、馬券内なし。3歳の頃は今よりも前進気勢があったので、スプリントでもある程度前の良いポジションが取れていたが、歳を取っていくにつれて、前進気勢が薄くなっている。2歳の初勝利時からブリンカーを着用していることから、集中力の継続が課題であることが分かる。基本的に気持ちが切れると走らなくなってしまうタイプ。走る集中力を継続させることが難しいタイプなので、道悪などで馬の気持ちが走ることから逸れてしまうと、厳しくなってくる。この影響で一時期スタートが苦手になっていた可能性は高い。ただ近走は、スタートも決まっているし、前走のように交わされてからもうひと伸びしているところはある。非常に馬の状態は良くなっていたと思う。ただ今回はそこから間隔を空けての一戦。これまでで最長の中20週での競馬。これまでGIに出走する時は、必ず前哨戦を使っていたので、ここにきて初めての試みになる。中10週以上は0-1-0-3という成績。歳を取ってから前進気勢が薄くなっているので、久々になるとゲートが出ない可能性もある。今年の春まで同じような間隔で使っていたところから、ここで久々になるのは、少しリスクを感じる。使っていくことで良くなっていく馬にも感じる。陣営はGIを目標に最大限の仕上げをしていると思うので、状態面は良いかもしれないが、競馬場に出た時の気性面などは少し心配。ここで少し考えられるのは、休み明けの方が逆に気性面が勝っている可能性もあるので、スプリントのペースに対応できると踏んでいるのかもしれない。もの凄い賭けだが、ハマれば今までのようにスプリントの追走面で苦労しなくなるので、怖い休み明けかもしれない。あと考えたのは、このレース自体が実は前哨戦だったということ。確かにコメントではGIを目標にしていると言っているが、それは建前で、本音は、1400mのスワンSや阪神Cが目標ということだ。1200mのGIを目標して一回使うよりも、ここを頑張って使って、1400mをメイチでいって勝った方が賞金を稼げるという判断だ。クラブ馬なので、何よりも最優先は賞金獲得。そのようなことも考えられるローテーションであると思う。血統は父アイルハヴアナザーでパンパンの良馬場というよりは、若干渋った馬場の方が得意なタイプ。時計勝負向きの血統ではない。スプリンターズSで好走した時も、1分07秒8の決着で勝ち馬はジャンダルム。時計的なハードルが低かったので、好走できたと言える。母父フジキセキは非常に好印象。フジキセキ産駒は、ストレイトガールやファイングレインなどスプリントで活躍馬を多く輩出している。フジキセキは良いが、母方にニジンスキーもいるので、やはり究極のスプリント勝負になると、厳しいというジャッジになる。今回買えるとしたら、内枠を引けた時くらいだと思う。同型は多いので、内枠を引ければ好位置を取れる可能性はあるが、中山1200mの大外枠になると、厳しいと思う。ここは紐までにしておくのがベスト。



【ヴェントヴォーチェ】

C評価

一年以上の間隔が空いた復帰戦。最強の鞍上を迎えて大復活のGI制覇へ。3走前のスプリンターズSは、好スタートから前の人気馬を見ながら道中は運ぶ。少し外を回る形になってしまったので、ロスが道中はあったと思う。直線は外に振られてしまって、他馬と接触する場面もあった。それにしても伸びていなかったので、この時の力ではGIだと通用しなかった。2走前のオーシャンSは、まずまずのスタートから前半は中団にポジションを取る。逃げ先行勢がかなりやり合って、4角にはすでにバテて自滅していたので、外からスムーズに進出することができた。直線はそのままの勢いで一気に切れて、最後まで止まることなく突き抜ける。非常に強い勝ち方だったが、展開的にハマった感じも否めない。いかに自分の形に持っていけるかが大事になってくる。前走の高松宮記念は、スタート一息でその後行き脚ついて、中団までポジションを挽回する。直線は内を選択するが、内ラチにモタれながらで、しっかりと追うことができなかった。脚は使っているが、最高のパフォーマンスを出すことはできなかった。これまで右回りと千直しか経験していなかったので、前走が初めての左回りだった。それを考えれば、この内容も仕方なかったと言える。これまで高いパフォーマンスを発揮している舞台は、中山1200mである。一番得意な舞台で復帰できるということである。初めてGIに挑戦したのも、5歳秋で遅咲きのスプリンター。活躍してから、そこまで長い期間が経っていないので、7歳でもあまり衰えは気にならない。年齢的な面で言えば、22年勝ち馬ジャンダルムが7歳馬だった。ジャンダルムも春雷SとオーシャンSを勝っていた馬で、この馬と同じように中山巧者だった。これを見るとこの馬もここで一発穴を開けてもおかしくない実績であると考えられる。ただジャンダルムはしっかりと前哨戦を使っている馬で、過去に中山GI2着の実績あり。どんな距離でも中山は得意な馬だったので、この馬に比べると中山巧者のレベルが違うかもしれない。血統的にもジャンダルムの母ビリーヴは、スプリントGI2勝の実力馬。血統的にも勝ち切っても不思議ではなかった。これらのことから、中山巧者で年齢的にもそこまで割引はないが、ジャンダルムに比べると劣るということが分かった。今回は繋靭帯の損傷で長期休養明けになったが、日にちで数えると約中550日である。一年以上の休み明けでGIを勝利したのは、93年有馬記念のトウカイテイオーのみである。障害重賞だとテイエムドラゴンが中573日で勝利している。他にも重賞だと約500日ぶりでも勝つことは、極稀にある。記録を見てみると、これだけの休み明けで勝利している馬は、元々レース間隔の空きやすい障害競走か、中距離でペースがゆったりしているレースの場合が多い。障害競走もペースはゆったりなレースが多い。長期休み明けの馬は、実戦が久しぶりなわけで、いきなり速いペースのレースに出されたら、ついていくのに必死になるし、脚元にも強い負荷がかかる可能性が高い。これが何を示しているかというと、これだけの長期休み明けの馬に対して、一番負荷のかかるレースが短距離戦なのである。これらのことから、約500日ぶりの実戦になるのは、基本的に厳しいと見るのが妥当。血統的には父タートルボウルで、産駒はダートや芝中距離で活躍馬を出している。距離適性から見ると、少し他のタートルボウル産駒とは違う感じ。パワーがあって持続力のある末脚があるのは、父から影響を受けている。持続力型なので、中山で4角からスパートをかけられる。中山巧者なのは、父から影響を受けているからだと言える。母父ディスタントヴューは欧州のマイルGI勝ち馬。日本の産駒ではキーンランドスワンが短距離重賞を勝利している。この馬の短距離適性は、母系から来ていると考えられる。正直瞬発力には欠けるところがあるので、完璧な競馬ができないと勝ち切るのは難しそう。鞍上は2戦2勝コンビのルメール騎手である。ルメール騎手は過去にタワーオブロンドンやグランアレグリアで、このレースを勝利している。凱旋門賞と被る時があるので、乗れていないことも多いが、人気馬に乗った時は必ず結果を残している。ただ人気していない馬に乗る時は、結果を残せていない。ルメール騎手が乗るのに、人気していないということは、ルメール騎手でも勝つのは難しいと思われているということ。今回も人気はしないので、ルメール騎手でも勝たせるのは厳しいか。ここまでに一回でも使っていたら、面白い存在だった思うが、これだけレース間隔が空いていると流石に買えない。ここは見でいい。



【エイシンスポッター】

B評価

その豪脚は全てを差し切る可能性秘める。心強い鞍上を背にGI制覇へ一直線。3走前の安土城Sは、まずまずのスタートからゆっくりと後方待機を選択。直線までグレイイングリーンとシングザットソングの後ろをガッチリとマーク。最後は弾けてマークしていた2頭をしっかり差し切る。トップハンデ57.5キロでも上がり最速32.5秒で、ハマった時の強さは見せた。スプリントだと少し展開が忙しすぎる時もあったので、1600mを使ってから1400mを使ったのが見事にハマった形。2走前の北九州記念は、いつも通りまずまずのスタートから後方待機。開幕週ということもあって、前半3F32.3秒という超ハイペース。このペースでありながら、前は止まらないので後方勢には厳しい馬場であった。直線は馬群を捌くのに苦労もしていた。この展開になってしまうと、追い込み一辺倒のこの馬には厳しい。悲観する内容ではなかった。斤量も58キロ背負わされていたので、このレースはしょうがない。前走のキーンランドCは、スタートを決めるが行き脚つかず。それでもモレイラ騎手が促して、中団まで位置を押し上げる。4角でナムラクレアを射程圏に入れると、直線はサトノレーヴの後ろにいれる。最後は良く伸びていたが、勝ち馬には及ばなかった。いつもと違った面を見せて連対できたことは大きな収穫。ただいつも見せていたもの凄い切れ味は、中団からの競馬だと見れなかった。やはりスプリントの忙しい競馬で、中団待機すると脚が溜まり切らない馬なのかもしれない。直線は前にいたサトノレーヴに一瞬の切れ味で完全に離されてしまっていた。ここで賞金を獲得できたことは大きかったが、現状の能力値の限界は少し見えてしまったかもしれない。前走で2着に入れたのは鞍上の好判断と先入観のなさを大きかったのかもしれない。この馬は、2勝クラスに上がってから、10番手以下でしか競馬をしたことがなかった。基本的にスプリントの一線級相手になると、ペースが忙しくて位置を取れないという弱点があったのだ。競馬は瞬間移動できないので、いくら切れ味があっても位置が後ろすぎたら届かない。展開待ちの馬になっていたのだ。しかし、前走は1勝クラスで勝ち上がった時以来となる、10番手以上の位置を取っての競馬。モレイラ騎手が追走をしっかりと促してポジションを取る判断をしていた。これは紛れもない好騎乗である。いつもの切れ味は見れなかったが、この馬の選択肢を増やしたレース内容だったと思う。過去に角田大河騎手もGIのペースに慣れてくればとコメントしていた。実際一線級レベルのスプリントのペースに慣れてきたところはあると思うので、今回も前走のように中団待機できれば面白い。ただ前走の内容がモレイラマジックという可能性はある。モレイラ騎手だからできた騎乗と言われたらそれまでである。今回は新たにシュタルケ騎手が手綱を握る。シュタルケ騎手は、中山で重賞勝ちがある騎手で、中山を得意としている騎手である。前走のように出していくか判断しにくいところだが、下手な騎乗はしないと考えられる。今回は前走から中5週のローテーションで、休み明けよりは使って良くなっていくタイプなので、状態は上がってくると考えられる。勝ち鞍6勝のうち5勝が右回り。京都阪神、小倉の1200mを勝っている。京都阪神の1200mは内回りで、小倉もコーナーはタイトなコースである。意外に器用さを持っているタイプ。鞍馬Sでは大雨で道悪の中、最後方から最後馬群の中を選択。見事に捌き切って勝利。この馬の勝負根性と器用さが見られたレース内容だったと思う。中山1200mは実際に重賞で3着にも入ったことのある舞台は。コース適性はある。血統的に見ると、父エイシンヒカリは現役時代2000mで活躍していたが、産駒で一番活躍しているのは1200m。母系のストームキャットから、スプリントのスピードが出ているのか。この馬の母はアメリカの中距離で成績を残していた馬。サドラーズウェルズとデインヒルの組み合わせで、全体的に見てもアメリカの軽いスピード血統という感じ。時計勝負にも向いている感じがする血統構成。この馬の切れ味はこの血統だからこそという感じ。今回はほぼビクターザウィナーのハナ確定で、ビクターザウィナーはそこまでペースを飛ばしていく逃げ馬ではない。展開的に後方待機で、差し切れるような展開にはならないので、前走のような中団待機が理想。理想の枠順は前走のような内枠。内枠でサトノレーヴやナムラクレアなどの有力勢の後ろを取れたらチャンスがある。前走で見せた違いを今回も出せれば上位に食い込めるポテンシャルはある。紐には入れておきたい。



【オオバンブルマイ】

B評価

日本国内での実績は上位にも食い込めるレベル。一撃必殺の末脚一閃決まるか。3走前のドンカスターマイルは、不良馬場でも進んでいき、中団で脚を溜める。直線は手応えよく伸びてこようとするが、前が完全に開き切らず、伸びを欠いてしまった。少し窮屈な競馬になってしまったので、もう少し直線でスムーズな競馬ができれば、上位進出する可能性もあったかもしれない。2走前のチャンピオンズマイルは、少しハミを噛み仕草を見せて後方で折り合い専念。直線まで我慢させて最後は弾けると思いきや、あまり弾けずそのまま後方に沈んでしまった。展開的にスローペースになってしまったので、後方勢には厳しかったのかもしれない。前走のキーンランドCは、初めてのスプリント戦で、最初から追走する意思もなかったように感じる。初めから最後方で脚を溜めることを選択していたと考える。最後は大外に出して、鋭い切れ味を使って3着まで追い込んでくる。直線が短く坂のない競馬場だったが、それでも3着まで追い込んできた能力は褒めるべき。時計こそ平凡で、勝ち馬にも離されてしまったが、この末脚は非常に強力。近走は海外遠征に行っていたので、成績が出なかった時期もあったが、初の海外遠征で挑んだザゴールデンイーグルは、見事に差し切り勝ちしている。初の海外遠征でGIを勝ち切る馬の能力が低い訳ない。過去10年で上がり最速を使ってスプリンターズSを勝った馬はグランアレグリアのみ。グランアレグリアが勝った年は完全な外伸びのトラックバイアス。3着馬が最後方にいたアウィルアウェイで、追い込みに振れていたことが分かる。基本的にスプリンターズSの必勝法は、中団待機から上がり2~3位を繰り出せる馬。最後方から上がり最速を出して上位に来る馬は、トラックバイアス的に外が有利だった場合か、デュランダルしか無理である。今回は先行勢に強い馬も集中しているし、トウシンマカオなど中団から切れ味を出せる馬もいるので、展開的に厳しい可能性は高い。今回はビクターザウィナーがほぼハナ確定なので、展開もそこまで流れない。前走は前の馬をサトノレーヴが全部掃除してくれたので、何とか3着に入れた。しかし今回は先行勢で強い馬が多いので、簡単に前が潰れることも考えづらい。最後追い込んできて3着が限界のような感じはする。ただデュランダルもスプリンターズSで勝ち切った時は、前半33.3秒のペースで、3.4着の馬も10番手以下の差しが決まる展開だった。結局デュランダルのような強烈な差し馬でも、カルストンライトオやサイレントウィットネスのように先行できて早めに勝負を決めてしまう馬がいると勝てない。今回も同じような感じで、馬場や展開が向かないと勝ち切るのは難しいと判断する。ここで少し怖い要素がここ最近雨が多いこと。雨次第で中山の内は一気に悪くなるので、馬場は一気に外へ振れる可能性がある。そのような場合になった時、この馬の出番かもしれない。前走で分かった通りスプリンターのペースはまず忙しい。前走は前半3F33.6秒でそこまで流れていない。このペースならついていけたが、今回はスプリントのGIで更に厳しいペースになる可能性は高い。唯一の救いはビクターザウィナーがハナほぼ確定なこと。何回も書いているが、この馬はそこまで飛ばしていく逃げ馬ではない。この馬が逃げるならギリギリ離されず追走できるかもしれない。ただスプリントの経験値は他に比べて圧倒的に少ないので、そこの不安はついてくる。血統的には父ディスクリートキャットで、基本的にダートで活躍馬を輩出している種牡馬。ストームバード系なので、軽いスピードタイプだから時計勝負にも対応はできそう。スプリントの時計もここから更に詰めることができると思う。気になるのは母系の方。母父ディープインパクトで、基礎的なスピードは十分。母母父にサクラバクシンオーを持っているのが素晴らしい。母母ルシュクルもスプリンターで、母系は完全にスプリント血統なのだ。いずれスプリンターになっていた血統と言っていい。サクラバクシンオーが母系にいるので、これは血統的にも評価しなければならない。基本的に追い込んでくるのは確実として、届くかどうかは当日の枠順と馬場状況や展開次第になってしまう。それでも一発を十分秘めた存在であると認識。軸にするのはリスクが高すぎるが、紐に入れておいて損はない馬であると思う。



【サトノレーヴ】

A評価

満を持してスプリントGIへ乗り込み。日本短距離界制圧へ舞台は整った。3走前の春雷Sは、外枠から好スタートを切って先行集団にとりつく。この前に阪急杯で1400mを使っているので、少しスプリントのペースに戸惑ったところがあったのか、いつもより行きっぷりは悪く6~7番手あたりを追走する。枠順が外枠だったのも、少し影響していたかもしれない。それでも直線に向く頃には手応えがあった。最後はしっかりと伸び切って前を差し切った。ハンデ戦で1倍台に支持されたが、しっかりと勝ち切ったことは評価すべきこと。ここまで順調に使えていなかったので、間隔を詰めて結果を残せたことは大きな経験値になったと思う。時計も1分07秒1と過去の春雷Sを見ても優秀な部類。2走前の函館SSは、まずまずのスタートから、行き脚ついて3番手集団の一角につける。内枠だったので、そのまま内のポケットで脚を溜める。春雷Sの時よりも楽な追走で、本来の前進気勢を見せていたと思う。楽な手応えで直線を迎えると、直線では馬群の間を割って、一瞬で突き抜ける。最後は2着を離して勝利。枠順には恵まれたと思うが、内容は完璧だった。前走のキーンランドCは、好スタート好ダッシュから、楽に4番手を確保。直線に向かうまで完璧な手応え。直線は追い出されるとすぐに反応し、一気に後続を突き放した。+16キロで馬体も増えていた中で、この圧勝劇は成長力を感じさせた。堂々スプリント3連勝で一気に主役候補へ。まずこの馬の強さは、スタートダッシュの速さである。厳密に言うと、スタートはそこそこだが、二の脚が速い。スタートが五分でも、二の脚が速いので好ポジションを取ることができる。楽に2~3番手を取ることができるので、直線まで脚をしっかり溜めることができるのだ。このスタートダッシュは、スプリント戦で強力な武器になる。次に評価できるのは、直線での抜け出す脚。この馬は長く良い脚を使うというよりは、一瞬の切れで一気に後続を突き放すタイプ。一瞬の反応で抜け出すことができるので、近走の馬群の間を割るような伸び方をすることができるのだ。馬格も540キロ台で非常に大きな馬体。この馬体の大きさも、馬群の間を割ってこれるパワーに繋がっている。前走は久々で二桁増加だったので、今回はもう少し絞っても良さそう。休み明け2戦目は2-0-0-0で、一回使った後は必ず状態を上げていくタイプ。今回もさらなる状態の向上は見込める。この馬がここまで強くなっているのは、大事に使ってきたことも影響しているだろうし、阪急杯での負けも良い経験値になっていると思う。阪急杯で4着に負けたことによって、1200mがベストであると再認識できたし、上位クラスとの力関係を感じることができた。この敗北で、この馬の隙がなくなったと思う。中山は3-0-0-0で、非常に相性の良いコース。器用さがあって、一瞬に切れが使えるこの馬にとって、中山はベストの舞台と言える。血統的には間違いなく一番スプリントに向いている血統と言える。まず父ロードカナロアは言わずもがな、短距離の絶対王者。中山1200mの種牡馬成績はズバ抜けてトップ。1200mのアベレージはロードカナロア産駒が一番高い。スプリンターズSでは、ダノンスマッシュが好成績を残しているが、1番人気の時だけ飛んでいる。ロードカナロア産駒と同じミスプロ系のスウェプトオーヴァーボードやキングカメハメハが、スプリンターズSで結果を残している。アドマイヤムーン産駒も好成績を残している。ミスプロ系はこの舞台に合っている。母父サクラバクシンオーなのもかなりの高評価。母父サクラバクシンオーは、中山1200mで母父ディープインパクトと匹敵するくらいの好成績。サクラバクシンオーには、ノーザンテーストの血も入っているので、成長力は折り紙つき。まだキャリアも浅いし、5歳になってからの成長力は目を見張るものがある。半兄のハクサンムーンは、スプリント戦線で常に好成績を残していた馬。GI制覇には届かなかったが、限りなくGI制覇まで近づいていた馬。ハクサンムーンも父アドマイヤムーンで、父がミスプロ系だったので、血統構成的にも非常に似ている。まさに日本短距離界の結晶のような血統構成。鞍上は前走乗ったD.レーン騎手が継続で騎乗する。D.レーン騎手はポジション取りやコース取りが非常に上手な騎手。この馬と非常に相性が良いと思う。5歳馬でまだキャリアが浅いが、その強さはまさにGI級であると思う。着外になったのも、距離適性外だった阪急杯のみで、1200mでは連対を外したことがない。時計勝負になっても、1分07秒1という時計も持っているし、この血統構成と使える脚なら、更に時計を詰めることも余裕であると考える。今回はビクターザウィナーがハナほぼ確定だが、その後ろを取るのが展開的には一番の理想。同じポジション最大のライバルは、恐らくマッドクールになる。マッドクールもスタートが速くて、先行力があるので、ポジション争いは熾烈になると予想できる。マッドクールとの枠順の組み合わせが、今回のレースのカギになると思う。実力は間違いなく、メンバー上位。今の状態や充実度を考えれば、間違いなくメンバートップ。唯一の不安はGI経験がないという部分だけ。他のマッドクールやナムラクレア、トウシンマカオなどの上位人気は、GIで数々の経験をしている。GIは重賞に比べてレベルの違うポジション争いや、激しい展開になる。その初めてのGIで、いきなり1番人気に推されそうなのは、少し不安要素ではある。それでも、いきなりGIで1番人気に支持されても、それを凌駕する血統の底力と今までのレース内容から見えるポテンシャルはある。逆に考えれば、今までGIを走っていた相手たちより、新鮮味があって逆に面白いという話にもなる。ここの1番人気は、押し出されたというより、評価された1番人気だと思うので、問題ないと見るべきであると考える。ここは内枠を引ければ間違いなく軸候補になる。



【ダノンスコーピオン】

C評価

福永厩舎転厩で復活の兆しを見せる。二度目のスプリント挑戦で復活なるか。3走前の京王杯SCは、若干遅れ気味のスタートから行き脚ついて、中団で折り合い専念。鞍上がガッチリ抑えて最後の直線まで脚を溜める。直線では馬群の間を割って伸びてくる。上がり3F2位の末脚で前を狙うが、4着までが限界だった。それでも久々の掲示板で、3歳時の良かった頃の状態に少しずつ戻っている。マイルより短い距離で刺激を与えたことが影響していそう。厩舎が変わったことによって、馬の環境や調教の仕方も変わったと思うので、それが良い方向に出ているのかもしれない。2走前の安田記念は、好スタートから中団待機。道中は折り合いを欠く場面があった。直線は前走で見せたような末脚は見れず。今回はハイレベルなレースで、状態が良くなっているとはいえ、現状の能力では厳しかったのかもしれない。今回は大外枠で前に壁が作れなかった点も大きかった。続けて1400mを使っていたこともあって、少しマイルだと余裕が出てしまって、折り合いを欠いてしまった可能性が高い。前走のセントウルSは、初めてのスプリント戦で、やはりスタートから追走に苦労する。終始後方で直線は、大外からジリジリと伸びているが、上位に入ることはできなかった。展開的にも前が有利な形になってしまったので、後方待機の馬には展開が向かなかった。初めての1200mにしては、追走できていたので、慣れてくれば1200mでも勝負になるかもしれない。5歳になってから、復活の兆しを見せているが、それでも結果を残していた3歳の頃に比べるとまだ物足りない。この馬の一番の問題は、馬自身のやる気にあると感じる。昨年の阪神Cのコメントから、ブリンカーを着用しても、直線で気持ちが切れて走るのをやめてしまったと騎手がコメントしている。今年に入ってから気持ちの面は、改善されていると思う。集中力の継続が課題なので、短距離に路線をシフトしたのは良い選択だったと思う。ただ今回はスプリント2戦目で、いきなりのGIである。スプリントGIはペースも速くなるし、ポジション争いも重賞とは比べ物にならないほど熾烈になる。現状の追走力だと、スプリントGIではポジションが取れない可能性が高い。ポジションは後方になってしまうと思う。今回は人気勢で先行力のある馬が多いので、人気馬がこけなければ前で決着してしまう可能性が非常に高い。ポジションが取れないと、たとえ追い込んできたとしても、レースが終わってからの可能性が非常に高いと考えられる。今回は久々の右回りのレース。中山競馬場は初コース。右回りは3-0-1-4で、2、3歳時は好成績を残していた。3歳秋以降は、右回りで結果が出ていない。復活の兆しを見せたのが、左回りの直線の広いコースだったので、コーナーがタイトで直線の短い中山は、少し合わなさそうである。少し気になるのは、斤量耐性があまりない馬なのかもしれない。58キロを背負うようになってから、あまり結果が出ていないように見える。58キロでGIレベルだと少し厳しいのかもしれない。過去に川田騎手がマイルCSのコメントで、身体のバランスが変わっているとコメントしていた。やはり3歳の頃とは、別の馬になってしまったと考えるのが自然なのかも。血統的には、父ロードカナロアは評価できる。母父スライゴベイは、アメリカの芝中距離で活躍した馬。サドラーズウェルズの直仔で、欧州の血も入っている血統。母レキシールーはカナダのマイルから中距離で活躍した馬。スプリント感はないが、どちらかというと米国型の方が強く、時計勝負にも対応できそうなので、時計は更に詰めれそう。今回は前走よりも一気に人気を落とすと思うが、まだスプリントでは競馬が忙しいと思う。今後スプリントを続けて使っていくなら、怖い存在になる馬かもしれない。今回は基本見で。



【トウシンマカオ】

B評価

前哨戦を見事な末脚で差し切り勝ち。悲願のGI制覇へ若き名手の腕が鳴る。3走前の高松宮記念は、比較的良いスタートから、先行集団を追走する。道中は少し追っつけながら先行集団を追走する。直線に向いて手応えはあったが、いつものような切れ味を発揮することはできなかった。道悪でも、重馬場まで来てしまうと、いつものような切れ味を発揮することはできないのかもしれない。力負けではない内容であったと思う。2走前の京王杯SCは、好スタートから先行集団に加わる。4角まで少し行きたがる面を見せていた。直線に入ると手応えは合ったように見えたが、思っていた以上の切れ味を見せることはできず、ジリジリと伸びている感じだった。少し窮屈な競馬になってしまったのが良くなかった。前走のセントウルSは、まずまずのスタートから中団待機。久々だったので、道中は少し行きたがる面を見せていた。大外枠で、そのまま大外を回って直線に向かう。最後は勝ち切れる時に見れる豪脚を披露。最後は早めに抜け出したママコチャを差し切って勝利。この馬の好走パターンは非常にハッキリしていると、今までのレースを見て感じる。まずは基本的に右回りがベスト。京王杯SCの時にハッキリと分かったが、左回りになると外に張るようなクセが出てしまう。外に張ってしまうことで、バランスよく走れないので、ハミも噛んでしまうということ。前走は左回りだったが、好走できた。ではなぜ前走は好走することができたのか。それは枠順にあったと思う。京王杯SCも高松宮記念も内枠を引いているのだ。左回りで内枠を引いていることによって、バランスよく走れないので、凡走しているのだと考えられる。左回りでも、セントウルSのように、大外枠なら外に張っても、外に馬がいないのである程度自由に走ることができるのだ。右回りでも多少これは関係していると考えられる。右回りでも外枠で自由に走れる方が、この馬のバランスには向いている。実際にオーシャンSは、大外枠から追走して、しっかり勝ち切れている。成績を見ても内枠0-0-1-2、中枠2-1-1-5、外枠5-0-0-2である。成績を見ても外枠の方が勝ち切れているのである。今回のこの馬の枠順は、かなり重要になってくると見る。他にも道悪はあまり好材料とは言えない馬である。オーシャンSみたいに稍重までなら問題なくこなせるが、23年24年の高松宮記念のように、泥んこ馬場になってしまうと、切れ味を発揮することができない。今回はそこまで泥んこのような道悪にはならなさそうなので、多少雨が降った程度なら許容範囲と見る。この馬の長所としては、まずスタートが上手。スプリントにおいてスタートはかなり重要。スタートが得意なので、自分の取りたいポジションは大体取ることはできる。毎回上がり最速を使って差し切るタイプではないので、ある程度前を捕らえられるポジションを取る必要がある。スタートが得意なのは、この馬の生命線であるのだ。中山コースは1戦1勝。右回りは得意で、一度重賞を勝ったことのある舞台なので、このコースの適性はあると思う。近走の成績を見てみると、オパールSから大体○○✕✕という成績になっている。調子が極端なタイプとも言える。今回は調子の良いターンなので、続けて高いパフォーマンスを発揮することができると思う。血統的には父ビックアーサーで、サクラバクシンオーの直仔なので、スプリント適性は完璧と言える。母父スペシャルウィークで、母方の方は米国型なので、やはり軽い芝の方が血統的にも合っていそう。1200mの持ち時計も1分07秒2で、更に詰めれるポテンシャルはあるので、時計勝負になったら強いと考える。鞍上は引き続き菅原明騎手が務める。昨年秋から鞍上が固定されていなかったので、ここで主戦が再び決まったのは大きい。菅原明騎手は今年GI制覇もして、絶賛売り出し中のジョッキー。今回も信頼できるジョッキー。これまでGIに4回挑戦して、全て着外になっている。そのうち2戦は、マイルで2歳戦3歳戦。この馬自身のベストの舞台ではなかった。古馬になってからの2戦は、いずれも道悪の高松宮記念で、得意の舞台ではなかった。昨年のスプリンターズSは、使うつもりだったが、熱発で回避。今回は念願の右回り1200mのGI戦。今年はここを照準に調整してきたと考えられる。少し厳しいと感じるのは、展開面である。今回は先行力のある強い馬が多い。スタートも上手で、ポジションはある程度取りに行けるが、その先行力のある馬たちに対しては、ポジション争いで負ける可能性が高い。この馬たちよりも、ポジションは一列二列後ろになってしまうので、良い脚を使って追い込んできても、前に届かない可能性は十分ある。少し引っかかるのはこれくらい。ただ初めての右回り1200mのGIで、ここがGIを取る最大のチャンスであると思う。外枠なら軸にするのもありかなと思う。内枠を引いたら紐までにしたい。



【ナムラクレア】

A評価

悲願のGI制覇まであと一歩。今までと違うコンビで新たな面を見せることはできるのか。3走前の京都牝馬Sは、休み明けで間隔が空いていたので、まずまずのスタートから、後方待機を選択。外でじっくりと脚を溜めてコーナーで進出を開始。直線は大外から末脚を伸ばしていくが、最後はわずかにソーダズリングを差し切れず2着。+10キロで前哨戦仕上げだったので、これだけの競馬ができたのは及第点。元々勝ち切れない馬なので、この2着はいつも通りではある。最後少し差し切れなかったのは、距離が1F長かったのも影響しているのかもしれない。2走前の高松宮記念は、好スタートから無理せず中団待機を選択。ずっと内で我慢して、直線まで脚を溜める。直線では内を選択して、猛烈な勢いで追い込んでくる。最後の最後まで伸びて、最後はアタマ差まで追い詰めた。非常に真面目な馬で、道悪で泥を被っても、レースをやめない集中力がある。最後の最後まで伸びてくる勝負根性は非凡の才能。最後は立ち回りの差が出てしまったが、能力の差はほとんどなかったと思う。紙一重の勝負だった。前走のキーンランドCは、スタートから出していって、珍しく先行集団に加わる。道中はサトノレーヴを見る形で、折り合いがついていた。4角から押していって勢いをつけて直線に向かう。直線は最内を強引に突こうとして、エトヴプレに接触してしまい、勢いが鈍ってしまう。しかしそれで競馬をやめず、もう一度伸びて、一度は2着まで上がる。最後は後方勢の方が勢いあったので、交わされてしまった。直線の接触がなければ、もう少し上の着順を狙えていたと思う。圧倒的1番人気でもあったので、終始マークは厳しく、最後まで進路がなかった。+6キロで少し余裕のある仕上げだったので、あくまでも前哨戦という感じ。悲観するような内容ではなかった。3歳秋のスプリンターズSから、国内のスプリントGIは皆勤賞。その時から常に2番人気以上の支持を受けている。その中で馬券外になったのは、初めての古馬戦だった最初のスプリンターズSのみ。それ以外では、国内のスプリントGIで馬券外はない。アベレージが高いのは事実だが、勝ち切れていないのも事実。なぜ勝ち切れないのか。結局GIで先着を許しているのは、この馬より前にポジションを取っている馬である。簡単に言うと差し損ねているのである。少しズブさを見せる部分があるので、全速力のなるまで時間がかかる。全速力になるまで時間がかかるので、結局最後は届かないのである。しかしここで今まで変わっていることがある。前哨戦で先行させていることだ。今年の高松宮記念の前哨戦に使った京都牝馬Sは、後方から末脚を生かす競馬を選択した。しかし今回の前哨戦は、スタートから積極的に出していった。内枠だったというのも関係していると思うが、前哨戦から先行してポジションを取りに行くという意識があった。そして今回は主戦の浜中騎手が騎乗停止になったので、横山武史騎手に乗り替わりになった。横山武史騎手は非常に先行意識の強い騎手なので、思い切って先行させていく可能性が高い。今までよりも、もう一列前で競馬することができれば、差し損ねる展開にはならない可能性は高い。人気も想定だと3番人気評価。初めてスプリントGIで、3番人気以下になりそうなのである。今までは上位人気だったので、勝ちに行く競馬をしなければならなかったが、今回は少し人気が落ちる予想なので、勝ちに行かず、一発を狙った騎乗ができると考える。テン乗りも相まって、今までのGIとは違った競馬が見られる可能性は極めて高い。この馬のストロングポイントは、勝負根性であると思う。決して泥んこ馬場が得意な馬ではない。泥んこ馬場でプレッシャーがかかっても、決して競馬をやめない勝負根性を持っているのだ。前走も最内で接触があって、普通の馬ならあそこでもうひと伸びはできない。あそこで競馬をやめず。もうひと伸びできるのは才能である。この勝負根性は、どんな舞台でも強力な武器になると考えられる。中山コースは0-0-1-1という成績。右回り自体には、そこまで苦労しているイメージはないが、中山になるとコーナーで少し窮屈そうに走っている印象はある。ただそれも勝ち馬たちに、本来取りたいポジションを取られてしまったがゆえの立ち回りなので、本来のパフォーマンスではない可能性が高い。今回もマッドクールやママコチャ、サトノレーヴたちとの枠順の並びはかなり重要になってくる。血統的には父ミッキーアイルで、ロードカナロアなどのスピード型のミスプロ系には成績で劣るが、サンデー系の中ならスプリントの成績は上位である。母系はストームバード系とロベルト系で、底力とスピードの持続には長けている配合。勝負根性はこのロベルト系から伝わっていそう。決して成長力のない血統構成ではないので、衰えということはない。血統的には時計勝負にも対応できそうで、実際に時計も持っているので、時計勝負になっても問題はないと思う。正直なところ、今回は非常に買うか悩ましい馬ではあるが、前走の敗戦で評価が落ちるということは全くない。今回も万全な状態で陣営は仕上げてくるだろうし、人気が落ちるなら逆に面白いと思う。枠順次第にはなってしまうが、できればマッドクールやママコチャの外の枠には入りたい。ここは高評価にしておく。



【ビクターザウィナー】

C評価

堂々香港から二度目の来日。マジックマンを背に日本国内制圧へ自信あり。3走前の高松宮記念は、ロケットスタートからあっさり先頭を奪取。そのままペースを握って、前半3Fは34.9秒と道悪であまり流れないペースになる。直線に入ると馬場の真ん中に出して、馬場の良いところを走らせる。最後までファイトを見せて3着に粘り込む。このレースを好走できた要因として、まず時計的なハードルがなかった。ほぼ1分09秒台の決着で、時計勝負にならなかったので、時計勝負が厳しいこの馬にとって、この馬場で時計のハードルが落ちたのは良かった。道悪で馬群がばらけたこともプラスに出た。2走前のチェアマンズスプリントプライズは、いつも通りの好スタートから先手を取る。外から常にプレッシャーを掛けられている状況で、終始厳しい状態ではあった。直線に向いたところで、少し頑張りを見せるが、最後はあっけなく後退してしまう。楽逃げにならない展開だと香港でも残るのは厳しい感じ。前走のシャティンヴァーズは、外枠から好スタートを決めて、いつものようなハナを切る。終始いい感じのペースで運んで直線に向かう。しかし直線は粘り込めず、最後は着外まで沈んでしまう。斤量が61キロで、勝ち馬や上位に来た馬は52キロらへんで、斤量の差もかなり大きかったと思う。過去にも61キロで、大敗しているので、この斤量を背負った時点で厳しかった。センテナリースプリントCや高松宮記念のように、逃げ切れている時は、比較的楽な展開になっている時。まず好走条件として、単騎逃げというのは必須。単騎逃げでかつペースが流れない展開にならないと、この馬が逃げ残るのは厳しい。今回はピューロマジックも乗り替わりで、絶対的な逃げ馬がこの馬しかいない。スタートダッシュも圧倒的に速いので、外枠を引けたらハナは切れると考える。ただスタートダッシュは物凄く速いが、その後はビュンビュン飛ばすのではなく、一回ペースを落として脚を溜めるタイプ。高松宮記念の時は、内枠にルガルやマッドクールがいたので、それを見ながらハナを切ることができた。今回ルガルやマッドクールが、この馬の外枠に入ったら、ハナを切っても道中外からプレッシャーを掛けれられる可能性が高い。枠順は外枠が欲しい。高松宮記念の時もコメントしていたが、最後の坂で、少し苦しそうにしていたとコメントしている。今回は中山で中京よりも、厳しい坂が直線にはある。自分のペースで少しでも走れなかった場合、最後の坂で苦しくなってしまうと考える。香港を本拠地としている馬なので、右回りに舞台がなるのは好材料。これまでは大体3~5週の間隔でレースに出走していたが、今回は休み明けでかなり間隔が空いている。過去に中14週で出走してことがあったが、その時はしっかり勝ち切っている。近走少し調子を崩していたところがあったので、ここで間隔を空けて挑めることは良さそう。今回は鞍上がモレイラ騎手に乗り替わり。モレイラ騎手は過去にナックビーナスなどで、日本のスプリントレースも逃げ切っている。気性的に難しい馬でもないので、テン乗りでもそこまで気にしなくて良さそう。今回は二回目の来日になるが、正直前回の時は5番人気でも他の馬に舐められていた感じはある。ただ舐めてかかれば残ってしまうと前回で他の馬は学んだと思う。今回は枠順次第になるが、他の馬は楽逃げ展開に差せないと思う。サトノレーヴやマッドクールなど、先行力のある強い馬が早めに交わしていくことを想定すれば、残るのは至難の業ではないかなと考える。日本国内のスプリント戦で逃げ切っている海外馬を見ると、サイレントウィットネスやエアロヴェロシティなど香港で最強クラスの馬ばかり。特殊な例としてウルトラファンタジーなどいるが、この馬は当日10番人気で非常に舐められていた状況だった。正直ビクターザウィナーが今の香港で最強クラスかと言われると微妙なところ。そして今回はある程度人気もするので、他に舐めれられることはない。この馬を目標に先行勢も競馬をするので、展開的に厳しくなることが濃厚である。ただ先行勢が可愛がるということも想定できるし、モレイラ騎手という点も怖いので3着に入れておくのはありかも。枠順が真ん中から外で、有力先行勢より外枠だったら要警戒。基本的には時計勝負でも厳しいし、見する方向で。



【ピューロマジック】

C評価

前走は厳しいレースになってしまった。ベテランを背に新たな境地に辿り着けるか。3走前の葵Sは、完璧なスタートから一気にハナを切る。後続に差をつけて終始自分のペースで淡々と逃げる。前半3Fは33.2秒のハイペースで飛ばしていく。そのセーフティリードのまま直線に向かって、まったく止まらず後続を寄せ付けなかった。結局123着馬が123番手の馬で、馬場も完全に前残り馬場だった。直線で坂がなかったのも大きかった。単騎でいけた時はやはり力を発揮できる。2走前の北九州記念は、素晴らしいダッシュ力でスタートから先頭へ。前半3F32.3秒のハイペースで、直線でセーフティリードを取る。直線は後続が追い上げるが、まったく脚は衰えずそのまま押し切る。開幕週の馬場で、まず前が止まらない状況だった。それでいて直線も平坦だったので、かなり前に有利な状況だった。斤量的にも有利だったが、初の古馬相手にこれだけできたのは能力の高さもある。前走のセントウルSは、好スタートからいつも通りハナを切る。前半3F33.6秒とまずまず速いペースで、後続を引き連れて直線に向かう。直線で手応えがいつも以上になく、坂を上がってからは力尽きてしまった。近走の重賞で結果を残している競馬場は、全て坂のない競馬場で、結局坂のある競馬場の時は厳しかった。メンバー的にも、上位2頭はGIで勝負になるクラスの馬だったので、このレベルの相手になると厳しかった。それでも一応評価は1番人気だったので、求められるハードルはいつもより高かった。未勝利戦で逃げ切ってから、前走まで常に逃げの戦法を取っていた。気性的な面が難しいので、逃げてマイペースにいくのが最善の選択だとされていた。しかしその戦法で、前走底が見えてしまったので、陣営は鞍上に横山典弘騎手を起用した。この馬は今回の結果よりも、今後のキャリアを今回は優先してくる可能性が高い。いつものように逃げて飛ばしていく簡単な競馬ではなく、抑えて気性面の修正をする可能性が今回はある。ただ鞍上は何といっても、あの横山典弘騎手なのである。もしこの馬が速いスタートを決めたら、恐らく出たなりに逃げる。他の逃げ馬にビクターザウィナーがいるので、ビクターザウィナーが外にいたら譲る可能性が高い。それでも控えてものすごくかかる可能性もあるので、引かない可能性も想定としてはある。今回は鞍上の考えていることが、なかなか読めないので、展開的にも非常に読みづらい馬ではある。中山は初コースで、勝ち鞍は全て右回り。直線の短い中山は合いそうだが、直線で急坂があるのは微妙。マイペースに飛ばして逃げたとしても、最後の坂で捕まってしまう。血統的には父アジアエクスプレスで、ダート短距離で活躍している種牡馬。ストームバード系でスピードの持続力はあるが、底力には少し欠ける。あっさりした展開には強いが、揉まれる展開やヨーイドンになると厳しい。母父ディープインパクトで、母系にフレンチデピュティもいるので、やはりスピードの持続力には長けている。米国型の非常に軽い血統という感じなので、時計勝負には強いが、上のレベルに行ってもう一段階底力が必要になってくる競馬になると脆い。兄弟を見ても将来的に千直を走っていそう。今回は非常に読みづらい馬であるが、前走で自分の競馬をしてもこのレベルでは厳しいことは明確になった。今回は一気に人気を落とす面は魅力的だが、それ以上に今の力関係が分かってしまった。後方で脚を溜めて物凄い切れ味を使う馬にも見えないので、今回は基本見にしたい。



【マッドクール】

A評価

春の国内スプリント王者。秋も制してそのまま国内スプリント界の頂点へ。3走前の香港スプリントは、少し遅れ気味のスタートから追っつけながら先行集団に加わる。直線に入ってからいつも以上の末脚を見せることはできず、そのまま後方へ沈んでしまう。初の海外遠征で環境面や状態面など変わることがあったのかもしれない。いつもの前進気勢が見られなかったので、能力で負けたわけではないと思う。鞍上もC.デムーロ騎手がテン乗りだったので、この馬の特性を全て理解できていなかったのは大きかったかもしれない。度外視していい内容だった。2走前の高松宮記念は、スタートから積極的に押していって3番手のインを確保。道中はビクターザウィナーをマークするようにして、流れに乗って脚を溜める。直線ではそのまま最内に進路を取って、末脚を爆発させる。最後はナムラクレアに猛追されるが、アタマ差残して初の戴冠。このレースは終始立ち回りの上手さが光ったレースになった。内枠からスタートを決めて好ポジションを確保。緩い馬場も馬格があってパワーのある馬なので、まったく苦にしなかった。馬体も+18キロでまだまだ緩さのある状態だったので、まだ更に成長して上を目指せる内容だった。前走のチェアマンズスプリントプライズは、スタートで少し行き脚つかず、スタートして少ししてから押して一気に先頭まで進出する。最後は結局伸びず。本来の得意なこの馬の競馬がまったくできていなかった。状態面に関しては、前回の香港遠征よりも良かったが、根本的に海外遠征が向いていないのかもしれない。外枠でスタートから出していったが、その後一度も息の入る場所がなかったので、道中で厳しくなってしまった。これまでのレースを見ても、この馬の必勝パターンは先行して内で脚を溜める。気性が勝っている馬ではないので、押していかないと先行できないタイプ。前走のように外枠だと、テンの速さで遅れるので、取りたいポジションが取れない可能性が高い。高松宮記念は内枠だったので、押して内の一番良いポジションを取ることができた。スプリンターズSは、スタートから上手く内に入れることができたので、欲しいポジションを取ることができた。今回も理想の枠順は内枠。外枠を引いた時は、ただ重要なのは、枠順の並びである。内枠を引いても、内側に同型のサトノレーヴやママコチャがいると、本当に取りたいポジションを取ることはできない可能性は高い。この馬にとって枠順の並びはかなり重要と言える。中山は1-1-0-0で昨年のスプリンターズS2着など実績あり。器用さがあってパワーもある馬なので、タイトで坂のある中山はベストに近い。今回は中20週以上の休み明けになるが、10週以上の間隔は4-1-0-2。レース間隔が空いた時に着外になったのは、58.5キロで枠順が外で内で脚を溜めることができなかったCBC賞と初の海外遠征だった香港スプリントのみ。基本的にレース間隔が空いてマイナスになることはない。逆に前走海外で大敗しているので、大きく間隔を空けて立て直している方が良い。血統的には父Dark Angelで、産駒は欧州短距離で結果を残している種牡馬。欧州短距離で成功を収めている種牡馬で、日本だと中山の芝で非常に優秀な回収率を記録している。欧州短距離ということで、パワーも兼ね備えているので、中山は合っている。母系はダンチヒ系で、母父インディアンリッジという構成。どちらも欧州の重厚感のある血統で、持続力とパワーはやはり欧州の血をしっかりと受けている印象。馬場が渋っても平気なのは、欧州の血が入っているからだと分かる。ダンチヒ系が入っているので、クセの強さはここからきている。ダンチヒ系はクセが強くムラっけがあるので、よく○✕タイプの馬がいる。この馬も○✕タイプで、今回は○のターンになる。この血統だと時計勝負には対応できなさそうだが、持ち時計は06秒台を持っているので、時計勝負にも対応できる。今回は休み明けで、前走も大敗しているので、恐らく人気は落とす。しかし、国内のGIでは一回も崩れていないので、簡単には負けないと思う。枠順で内枠を引けたらまず軸にしたい。外枠だったら紐までにするかもしれない。基本的には買う方向で。



【ママコチャ】

S評価

昨年の王者が連覇を狙う。GIを勝ったコンビ再結成で堂々横綱相撲を披露する。3走前の阪神Cは、1番人気で五分のスタートからいつものように3番手を確保する。道中はいつもより前進気勢がなく、手応えはいつもよりないように見えた。直線に向くとジリジリと伸びているだけで、抜け出す脚はなかった。最後はギリギリ掲示板に残る。スプリンターズSがメイチ仕上げで、少しレース間隔が空いていてとはいえ、状態が戻り切っていなった可能性は高い。1200m仕様に仕上げていたこともあるので、久々の1400mが厳しかった点もある。1番人気に支持されていたので、マークされる部分もこの馬には厳しかった。今回の敗戦は度外視してもいい内容に思える。2走前の高松宮記念は、好スタートからいつものように先行する。外枠からじわっと上がって前に射程圏に入れる。直線では馬場の真ん中に出して、手応えは合ったように見えたが、最後は力尽きてしまった。マッドクールと枠順が逆なら結果は変わっていたかもしれないが、前走から少し状態面が上がっていないのかもしれない。馬場が緩かったのもあまり良くなかったのかもしれない。前走のセントウルSは、五分のスタートを決める。休み明けだったので、前半はかなりかかり気味で、抑えるのにはかなり苦労していた。直線に向く頃までには落ち着いていて、直線に向くとしぶとく伸びて、一度完全に抜け出す。最後は切れ味のある馬に差されてしまったが、GI馬の強さは見せたレースだった。前哨戦で馬体重は+10キロ。この状態で牡馬と同斤量の57キロで2着に来たのは恐るべきパフォーマンス。近走のレースを見ると、内枠で脚を溜めるのが理想だと思っていたが、前走は大外枠でかなりかかって、前に壁が作れていない状況だったのにもかかわらず、最後までしっかりと伸び切れていた。阪神Cと高松宮記念の負けは、枠順の影響も大きかったのは事実だと思うが、根底には状態の悪さがあったのだと思う。本来の状態なら、外枠からでも強い競馬ができる。57キロで大外枠からこれだけ強い競馬ができるのは、成長力もあるだろうし、この馬の成長力の高さを示していることだと思う。状態面だと現状考える上で、昨年のスプリンターズSくらいのデキにあると思う。川田騎手もコメントしていたが、この馬は冬だと状態が上がった来ない。冬というか気温が低くて寒いと状態がなかなか上がらない馬。過去の成績を見ても12月に1番人気に支持された、ターコイズSと阪神Cで着外になっている。夏に使って状態を上げていくのが、この馬の秋に向けた調整方法。今年も実質夏みたいな天気だったセントウルSを使って、ここに向けて調整している。使っているレースは違えど、昨年のスプリンターズSと同じようなローテーションを使っているのは好印象。状態は間違いなく今年一番のデキに持ってこれると思う。少し気性面で難しいところも持っている馬なので、一回使ってある程度のガス抜きができているのは好材料。休み明け2戦目の成績は4-0-0-0で、勝率100%を誇る。叩いて状態を確実に上げてくることが分かる。中3週になるが、過去には中2週も経験しているし、そこまで気になることではない。展開や枠順だが、前走を見ると状態が良ければ、外枠でも勝負になるのではという考えになった。勿論内枠が引ければ、最高だと思うが、外枠を引いてもスタート一発で挽回することはできる。非常にスタートダッシュの速い馬で、前進気勢も強い馬である。初のスプリント戦で5~6番手につけられるくらい追走力もあるので、自分の取りたいポジションは、今まで取れてきた馬。今回は同型にマッドクールやサトノレーヴがいるので、これらの馬との枠順の並びは重要になってくる。昨年のスプリンターズSを見ると、川田騎手は内枠からすぐに隊列の外を確保して、内のナムラクレアをブロックする。そこから外をスルスルと上がっていき、4角先頭で直線に向かう。同型と書いたが、マッドクールは前半だと恐らくこの馬より一列目にポジションを取る。内にサトノレーヴなどの有力先行勢をブロックして、外から道中でマッドクールを交わして、スルスルと上がっていくのが、今年も理想であると考える。これが外枠すぎると、自身が外枠から先行してポジションを取るのに時間がかかるので、ブロックすることができないなどがあるので、内枠から脚元を掬われてしまう可能性がある。実際高松宮記念は、このような形でマッドクールに内を掬われてしまった。これらのことからも、理想は内枠から真ん中の枠になる。血統的には父クロフネで、活躍馬は芝マイル~中距離に集中している。自身は芝でもダートでも走れて、ダートでは歴代でも最強クラスの強さを見せている。傾向的には切れる脚というより、持続的で長く良い脚を使うタイプが多い。代表的な馬で言ったらアエロリットやソダシなど。ソダシと全妹の関係であるママコチャも同じタイプである。一瞬で切れる脚はないので、内で押しこめられたり、早め先頭に立てないと切れ味のある馬にやられてしまう。クロフネ産駒はスプリンターズS3勝2着1回。勿論この馬もだが、他にもカレンチャンやスリープレスナイトが勝利している。気性面やムラっけは母ブチコから確実に来ている。父クロフネ母父キングカメハメハなので、時計勝負にはもってこいの米国型血統。やはりスピードの持続力に長けているので、昨年のような外から勢いをつけて、4角先頭の競馬が血統的にも理想の形。鞍上の川田騎手は過去10年でスプリンターズSの成績は2-1-1-3という結果を残している。3番人気以上なら基本的に結果を残していて、唯一1番人気で着外になった21年ダノンスマッシュは、久々で7枠の外枠という少し厳しい条件だった。得意の舞台と言える成績である。今回は昨年よりも人気してしまうと思うが、2番人気でも旨味は十分あると思う。真ん中より内枠を引ければ鉄板。ここは最高の評価。



【ムゲン】

C評価

もう一頭香港からの参戦。無限大の魅力を秘めた香港馬が大穴を開けるか。3走前のチェアマンズスプリントプライズは、五分のスタートを切って押すことはなく、素直に離れた最後方を選択。道中は焦ることなく、後ろでじっくりと脚を溜める。直線は大外に出さず、馬群の間を割って来させる。上位2頭には届かなかったが、最後まで脚を使って3着を確保する。展開的に前が流れて直線で自滅したのもあるので、恵まれた感じはする。小頭数で捌かないといけない馬が少なかったのも良かった。2走前のシャティンヴァーズは、スタートから同じように後方へ。少し押しているところも見せたが、勢いつかずそのまま後方待機になる。直線は馬群の間を狙うが、進路がなくなり、最終的に外に回して伸びてくるが、届かず4着まで。ハンデ戦でもあったので、ポジションを取れた軽斤量の馬が止まらなかった。前走のプレミアCは、やはりスタートで進んでいかず、いつも通り後方待機になる。4角にまでに手応えがあって、4角で馬群の後方にピッタリ追走する。直線に入ると、馬群の中を選択し、空いたところをすごい脚を使ってくる。最後は見事に届いて、重賞制覇を達成する。これまでレースを見ても分かる通り、まずスプリント戦だと展開が忙しいので、後方待機になってしまう。チェアマンズスプリントプライズやプレミアCは、後方待機になっても追い込んでくることができた。これは小頭数だったことが、かなり大きかったと考える。今回は初めての18頭で競馬をすることになる。これまでは少頭数で競馬をしていたので、最後方でも前との差はそこまでなかった。馬群が一団になっているので、最後方でも届いてしまう。しかし16頭フルゲートの競馬になると話は変わってくる。先頭から最後方までの差は、基本的に10馬身以上あると言っていい。それに加えて、スプリント戦は展開が速い。前が飛ばしていくことが基本なので、テンの速さがない馬は前に置いていかれてしまうのだ。これまでは置いていかれても、差ができなかったが、今回は最初に置いていかれてしまうと、最後はもの凄い切れ味を使わなければ、届くことは絶対にない。この馬が好走している時は、大体馬群の間を狙って伸びている。これは小頭数だったからこそ、できた技だったのではないかと思う。確かに馬群の間を割ってくる、勝負根性と器用さは認めないといけないかもしれない。ただフルゲートの競馬で、最後方の馬が馬群の間を狙って伸びてくることは、ほぼ不可能であると言っていい。大体の確率で前が壁になるだろうし、今回は中山なので、直線も短くタイトに回ることも厳しい。現実的に考えて、これまでのような競馬はできない可能性が濃厚。そうなると必然的に大外一気を選択すると思うが、今回は同じような競馬をオオバンブルマイがするという可能性もある。枠順の並び次第では、大外一気も上手くできない可能性が高いので、展開的には正直行き詰まっている印象。前走最後方でピッタリくっつけたのも、1400mだったからということもあるので、1200mで日本のGIレベルだと、展開的にも厳しい。今回は久々になるが、昨年の11月から9戦連続で、レース間隔を詰めて使っていた。大体同じ間隔で使っていたので、リフレッシュの意味でも一度間隔を空けて使ったことが、今回にどう影響してくるか。今回の斤量は58キロになるが、過去には61キロや59.5キロで好走した経験もあるので、斤量の重さには耐えられる。ただ日本のGIで58キロを背負って通用するかは微妙なところである。香港馬で人気のない馬が好走したのはウルトラファンタジーくらい。ウルトラファンタジーが勝った時は、もう一頭人気の香港馬がいた。戦法的には逃げで、日本馬は脚元を救われた感じ。この馬は追い込みなので、展開的にこのように激走することもないと思う。今回は基本的に見で良いと思う。



【モズメイメイ】

B評価

脚質転換から一気に右肩上がり。新たなる武器と主戦で一気に頂点まで駆け上がる。3走前の北九州記念は、まずまずのスタートから好位中団にポジションを取る。4角までに進出して、直線は内から前に狙いに行く。抜け出す時、外の馬を弾き飛ばすくらいの勢いがあった。前が止まらなかったので、差し切るまではいかなかったが、復調気配を見せたレースであったと思う。2走前のアイビスサマーダッシュは、良いスタートから7番手を追走する。千直のなかなか難しい競馬だったが、最後まで綺麗に脚を溜めて、最後は2着馬の内から鋭く伸びて勝ち切る。上位に来た馬の後ろで脚を溜められたことが良かった。葵S以来の重賞制覇となった。前走のセントウルSは、最内枠から好スタートを切って、前のピューロマジックを見る形で脚を溜める。直線に向いても、最内を選択させてピューロマジックの内を攻めていく。最後は上位2頭に対して決め手で劣ってしまったが、今の充実度を示す内容であったと思う。今年の北九州記念から続けて結果を残している。この馬の印象だと、逃げ馬というのが強かった。ただスプリントの一線級相手になってくると、テンの速さで逃げれないことが多く、少し逃げという脚質に限界を感じていた。高松宮記念から間隔を空けたことによって、精神面が非常に成長した。内で我慢して脚を溜めることを覚えたので、先行でも競馬をすることができるようになった。まだ4歳牝馬でもあるので、能力が普通に成長しているということもある。これまではGIで0-0-0-3と全て二桁着順で、一線級相手には通用していなかった。ただスプリント戦に限れば、昨年のスプリンターズSは、大外枠であった。今年の高松宮記念は、スタートで不利があったので、度外視して良い内容だった。まだまともな状態でスプリントGIに出走していないという点はある。少し気になるのは、今年の夏から4戦目になるということ。これだけ夏に好走していると、今回のここまでお釣りが残っていない可能性はある。ただ夏からの競馬は、そこまで無理をしているような感じはしないので、使い過ぎということはないかも。逆に状態が良いので、これだけ使えているということもある。この夏の勢いは警戒しなければならないかもしれない。今回の展開面だが、理想は内の先行から好位のポジション。セントウルSは、最内に張ってそのまま伸びてきた形だが、正直上位の一線級相手には完敗している。決め手に欠けるところがあるので、GIになると抜け出しに苦労しているところで、前走のように早めに抜け出されてしまう可能性は高い。今回は同型の有力馬も多い。近走は枠順的にも恵まれている感じはするので、今回外枠を引いたら、基本的には厳しいと見て良い。血統的には父リアルインパクトで、リアルインパクトはディープインパクト産駒なので、中山1200mは良いと思う。母父フランケルで母系は欧州型とオーソドックスな米国型の配合。ここに来ての成長力は、母系のサドラーズウェルズから来ている。古馬になってからの成長力には納得できる血統構成。サドラーズウェルズは時計勝負にも対応できる欧州馬。持ち時計もあるし、時計が速くなっても、対応は可能。一時期の不調からここまで成績を上げてきたことは、評価すべきで普通に馬自身も成長しているのは確か。ただ今回は近走のように、内で簡単に脚を溜めるのは難しいかもしれない。枠が1~3枠だった時は要警戒。基本的には紐まででいいと思う。



【モリノドリーム】

除外の可能性がほぼ100%なので割愛<(_ _)>



【ルガル】

C評価

高松宮記念は1番人気に支持された期待馬。期待の若手と共に逆襲の王へ。3走前の京阪杯は、スタート一息からダッシュ力ですぐに挽回。3角では好位にポジションを取る。そのまま折り合って、直線は馬場の良いところに出す。最後は切れるというより、ジリジリと伸びている感じで、内の各馬えお凌ぐことはできたが、勝ち馬には決め手で劣ってしまった。まだ3歳で伸びしろがあるので、これだけの競馬を古馬相手にできたことを評価するべきか。2走前のシルクロードSは、ロケットスタートからテイエムスパーダを行かせて番手を確保。終始折り合って完璧な展開で直線に向かう。直線はあっさり先頭をパスすると、そのまま突き抜けて後続に3馬身差をつけて快勝。ここまで完璧な展開になると、流石に強かった。古馬になって馬体も増えて成長も感じられた。ハンデ戦で斤量も背負ってこの競馬だったので、能力が高いのは間違いなさそう。自分の形にいかにして持ち込めるかが重要になってくる馬。前走の高松宮記念は、五分のスタートから行き脚ついて、先行集団に加わる。行き脚をつけたことによって、道中は少し窮屈になってハミを噛んでしまう。直線は馬場の外に出して、ママコチャと併せ馬の形になる。そこから伸びてくると思いきや、切れる脚はなく、ジリジリと伸びていた。最後はそのまま前に行くことはできず10着でゴール。シルクロードSのパフォーマンスを期待されて、1番人気に支持されたが、期待以上のパフォーマンスを出すことはできなかった。今回は骨折明けで約半年ぶりの実戦になる。確かに近走のレースを見ても、シルクロードSの競馬は強かった。ただ展開に恵まれすぎている面は否めない。まずシルクロードSは、競りかけてくる同型が誰もいなかった。好スタートを決めて、競りかけてくる馬がいなかったので、道中は非常にスムーズな形で運ぶことができた。しかし、高松宮記念は道中で競りかけてくる同型がかなりいた。今回もマッドクールやママコチャなどの強い先行勢がいるので、枠順次第では揉まれる展開になる。揉まれるとポジションが下がってしまうので、本来の力を発揮することができない。他にもスタート面の不安がある。シルクロードSはスタートが完璧に決まったが、それ以外のレースを見ると、大体の確率でスタートをミスしている。前走も普通にスタートを決めたが、テンの速さで他の先行馬に劣っていた。他の有力先行馬に比べると、スタートから最初の入りで不安がある。基本的には切れる脚はなく、ジリジリと持続力のある末脚に長けている。決め手に欠ける部分があるので、シルクロードSのような展開にならないと勝ち切るのは難しい。先ほどスタートに不安があると書いたが、スタートの不安は気性面から来ているもの。気性的な難しさは持っているので、今回は約半年ぶりのレースで、少し道中の折り合い面で不安がある。芝に路線変更した時は1400mを使っていて、近走はずっと1200mを使っている。最初の頃は、1200mのペースについていくので精一杯だったが、使っていくことでペースに慣れている。前走で少しハミを噛んでしまったのは、1200mのペースに慣れてしまったからと言える。今回は初の関東主場競馬場で、長距離輸送にもなる。これまで結果を残している舞台は、京都競馬場がほとんどでOP以上になるとあと新潟のみである。直線平坦の競馬場でしか結果は残せていない。前走は直線で坂のある舞台で、伸びあぐねてしまった可能性はある。今回は初めての中山競馬場で、直線に坂があるのであまり向いていない可能性はある。ジリ脚しか使えないので、立ち回りでどうにかなる中山なのは良い。血統的には父ドゥラメンテで、活躍馬は芝中距離~長距離が多い。父ミスプロ系は、スプリンターズSで相性が良いので、傾向的にはあり。母父New Approachで、母方はストームバード系。New Approachは英ダービー馬で、この配合だと短距離は走れそうに見えない。3代母イーストオブザムーンは、フランス牝馬二冠やジャックルマロワ賞を制している。このイーストオブザムーンの半兄にいるのが、キングカメハメハの父であるキングマンボである。これによって、この馬は名牝ミエスク4×4のインブリードになっているのだ。このクロスがこの馬をドゥラメンテ産駒の中でも、特殊なタイプにさせたと考えるのが妥当。血統的には非常に面白い馬である。高松宮記念では、1番人気に支持されるほどスプリント界では期待されていた馬。ただこの1番人気は押し出された1番人気であったと思う。スプリント界がかなり混戦だったので、底が見えていなかったこの馬に支持が集まったのだと思う。前走で少し底が見えてしまったことや今回は骨折明けということもあって、人気はかなり落ちる一頭である。ただ過去に高松宮記念からのぶっつけで好走したのは近年だと16年ミッキーアイルのみ。その前に遡ると04年デュランダルになる。この2頭は脚質こそ真逆だが、意外に共通点が多い。高松宮記念ではどちらも2着からのローテ。そして当日も2番人気で、結果も2着。どちらも高松宮記念で結果を残して、間隔を空けて万全の状態でスプリンターズSに出走している。その世代のスプリント界で、絶対的な力を持っている馬なら、このローテーションでも気にならないが、今回は高松宮記念大敗で、この世代で抜けている実力はない。この人気で買えるのは、かなり魅力的だが、今回はここまで手を広げたくない。ここは見で



【レイベリング】

除外の可能性がほぼ100%なので割愛<(_ _)>



スプリンターズS評価一覧

S評価 ママコチャ

A評価 ウイングレイテスト サトノレーヴ ナムラクレア マッドクール

B評価 ウインマーベル エイシンスポッター オオバンブルマイ トウシンマカオ モズメイメイ

C評価 ヴェントヴォーチェ ダノンスコーピオン ビクターザウィナー ピューロマジック ムゲン ルガル



今回の評価はこのようになりました!!

今回のS評価はママコチャです。
正直なところ、サトノレーヴとママコチャでどちらをS評価にするか迷ったのですが、実際に昨年このレースを勝っていて、前哨戦の内容もGI馬らしい強い内容だったので、ママコチャをS評価にしました。
どちらも鞍上はトップジョッキーで技術に関しては、優劣はないと思います。でも中山1200mの乗り方だと、川田騎手の方が一枚上手に見える部分があるので、そこも考慮してママコチャを最高評価にさせていただきました。

サトノレーヴはある意味挑戦者という部分もあるので、1番人気になるならA評価まででいいかなと思いました。

他に気になるところで言えば、B評価のオオバンブルマイ。
基本は展開的に厳しい馬だと思いますが、前走で見せた末脚はかなり衝撃を受けました。
初めてのスプリント戦で、あれだけの末脚を見せることができるのは能力が高い証拠。まだ底を見せていない4歳馬で、追走を上手くこなして末脚に徹することができれば、一発持っているのではないかと思います。
オオバンブルマイ絡みの3連複は抑えておいた方が良いかも。

今回のレースは基本的に大混戦になると思います。
そして中山1200mというトリッキーな場所が舞台。

個人的には枠順の並び次第で、最終結論がかなり変わってくると思います。
今書いてある評価は、ある意味最高の枠順を引けた時の想定みたいなものなので、もしママコチャやサトノレーヴが大外枠なんかを引いたら、最終的には紐までに変えるかもしれません。
それくらい今回のレースは、枠順の並びが重要になってくると思います。

ということで、一応評価もしていますが、最終的な印はTwitter(新X)で見てくれると有難いです。

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