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ミュージカル アナスタシア 2023 感想 

こんにちは。観終わった後、アナスタシア素敵だったな〜、忘れたくない素敵だったところ…!と思い立ってここで心に残ったところをまとめておくことにしました。本当に観れて良かった〜!以下、感想です。


ストーリー全体について



観る前はもっとファンタジックなおとぎ話を想像していたのですが、実は皇女様かもしれない特別な誰かの物語ではなく、未来に不安を抱きながらも進む、とある女性の旅の物語でした。作中で登場人物たちは過去と向き合ったり、自分は誰として生きていくのか悩んだりしますが、誰もが共感出来る葛藤がひとつはあるストーリーだな…と。楽曲については日本語訳で、今回のキャスト歌唱のCDが本当に欲しい。配信や映像化は無いことが今回名言されているけれどほんとに大好きになってしまったので、なんとかお願いします…覚えて口ずさみたい。


登場人物について


アーニャ

木下晴香さん


凛とした人物。慎重に用心深く混乱期のロシアを生き抜いてきたんだろうな〜というたくましさや聡明さもあって、こんな素敵な人に弱みを見せられたり頼られたりしたらギャップで好きになってしまう〜ってディミトリに感情移入しまくってた。そして圧倒的歌唱力…!時折見せるいたずらっぽい笑顔が可愛い。


葵わかなさん


ちょっと隙があって、でも元気いっぱいでかっ飛ばしてる。周りがなんとかしてあげなきゃ!ってつい手を貸したくなる雰囲気を持ってて、愛らしい感じ。グレブとの対決もほんとはとっても怖かったのに頑張ったね…って親目線になってしまった。

ディミトリ

相葉裕樹さん



キラキラの王子様。実は彼も没落貴族の息子だったんじゃ…?みたいな品の良さがあって、スラム街で光り輝いてる。でも美しい歌声が力強くて、育ちの良さと大変な局面くぐり抜けてきました感が同居してる。電車では乗客たちに話しかけまくって遊んでた〜!バレエシーンでは「なんだこのけったいな踊りは…」って百面相して眺めてるのオモロ。アーニャをからかう場面も多いけど憎めない愛嬌があって、これはモテてきだろうな〜!なディミトリ。基本ちょっとキザでジェスチャーが芝居がかってるのも好きだし、ラストでは初めて失恋しかけてすねてるのも可愛い。

海宝直人さん


現場叩き上げの軍人みたい。というか、武士…?あまり動じず、いつも眼光鋭く皮肉っぽい笑みを浮かべてる。敵に回したら厄介だけど、味方だと絶対の安心感があるタイプ。あとちょっと無自覚な天然みたいなところが可愛い。ダンスも多分本当に踊ったことなくて足踏んじゃっただけなのに、吹っ飛ぶ勢いで蹴り返されて「アーニャ!他のディミトリはわからんけどそいつは真剣に踊ってたのに踏んじゃっただけだから手加減してやって〜!」って感じだった。電車のシーンでは一人で窓の外を眺めてるのそれっぽいな…と思ったら乗客の女性のハートを全く意図せず射止めてて笑った。(女性たちの席に足を引っ掛けて外を眺めるから、最初は迷惑!みたいなリアクションがくるのに『よくよく顔見たらハムサムじゃない?!』的に盛り上がってる)あとマリア皇太后とのシーンで貴族みたいに片手を胸にあてず、両手とも膝の上なの労働者階級っぽい!と思った。彼は裕福だった時期とかなさそう。アーニャについては他のディミトリが「恋」なら彼は「愛」に見えて、感情を抑えて『すべてを勝ち取るために』を歌いながら泣いてるの本当に切なかった。最後の別れを告げるシーンも「幸せになってくれ」みたいな雰囲気で笑顔で去ろうとするから、君このあと絶対一人で泣いてるじゃん…無理するなよ〜ってところで「ディマ!」って呼ばれるの、本当に良かったねの気持ちになる。幸せになってほしい。

リリー

堀内敬子さん


格式張った貴族の生活にうんざりしてて、裏では下町っぽくはっちゃけてま〜す!!!のはっちゃけ具合が飛び抜けてる。亡命貴族の女性が、踊る彼女に「リリー最高〜!」って叫ぶんですがめっちゃ気持ち分かる、私もあの場にいたら叫んでる。豪快で痛快。

朝海ひかるさん


サバサバした喋り方で、冒頭の伯爵とのシーンでは「ご訪問があったことはお伝えしま〜っす★」ってすんごい軽くいなしてたの笑った。何事も引きずらず、どんどん前に進むあっけなさみたいなところが好き。ヴラドとのシーンではハンカチ(?)をわざと落として「落ちちゃった♡」ってきゅるきゅるお目々で言ってるのオモロ可愛くてあと100回見たかった。素敵〜!!!

マルシアさん


ふわふわしてて可愛くて、上品な感じなのに皆を黙らせるときのドスの効いた低〜い声が男前で大好き。金目当ての伯爵相手に手の甲へのキスをうながし、さっさと帰らせようとする場合ではパンチみたいに何回も手を繰り出しててオモロだった。一見名前の通り「か弱き花」だから、いやいやどこが百合の花やねん!生き残り力ハンパないな?!!のギャップが一番大きかった〜!

グレブ

田代万里生さん



ワッと怒鳴ったり急に優しくなったり、感情の波が読めないのが怖い。自分でも自分をコントロール出来ていない感じだから、アーニャのこともともすれば撃ちかねない危うさがあった。彼がグレブだと、えっえっ、これハッピーエンドになる?!なるよね?!!とドキドキしながらストーリーが進む。ロシアに帰った後も力技でアナスタシアの件もみ消してそう。

堂珍嘉邦さん


アーニャに恋している。穏やかで優しくて、根が繊細に見えるから軍人なんて向いてなくないか…?の気持ち。一緒に見に行った友人が「アーニャというよりそもそも人が殺せなさそう」「ロシアに帰ったら処刑されちゃいそうだけど、そういう運命だと受け入れてしまいそう」と言っていて納得した。誰に人生を学んだか(「親父から学んだことさ」「俺は俺のもの」と叫ぶディミトリとは全てが対照的)が違うだけなのに、こうも歩む人生が変わってしまうのか…。

ペア

葵さん相葉さん


可愛い!!!ダンスのシーンではあおりまくりで唇うにょ〜んって突き出してる相葉ディミトリに、そりゃ勢い良くキックされるってお前…になるし、その後走り回ってるのも兄妹みたいで見てる側もキャッキャってなる。アーニャが酔っぱらいを退治した後、勢い余ってディミトリに「かかってきなさい!」ってやるところ、相葉さんが「(棒を)寄越しなさい!(しばしじっと見つめて)危ない!」って言っててママみたいだった。最後の「もう一度馬車の中から俺を見つけても、微笑んだり手を振ったりするなよ。これからの人生をともに過ごせない人に恋なんてしたくないから。」の場面は(どうせ手の届かない存在のくせにこんなに好きにさせやがって…)って八つ当たり的な、少女漫画みたいな雰囲気ある。

木下さん海宝さん


このペアで酔っぱらいとの喧嘩シーン、「かかってきなさい!」で木下さんがフェンシングみたいな構えしながら前後にステップ踏んでてオモロ可愛いかった。木下アーニャ、運動神経が良いのでどんな動きも機敏。このペアだと二人とも精神年齢が高くて、最初のダンスのシーンでもラスト静かに見つめ合ってるのがロマンチックで好きだった。

葵さん海宝さん


やんちゃな二人が同い年の兄妹みたい。ダンスのシーンも最後まで弾けるような笑顔!大千穐楽ではアーニャの足を踏んじゃった後、ヴラドに「何回目だよ!」ってアドリブで言われて笑いが起こったあと「初めてだよ!」って返してたのさすが〜!ってなった。ダイヤモンドを隠してたことを打ち明けたあとの「君が女の子じゃなかったら…」も海宝さんのボクシングみたいなフリ→応戦の流れがめちゃ元気。気のいい仲間同士みたいなカップル。

大千穐楽 挨拶について

葵わかなさんの、「私自身もですが、皆様がこれからどのような人生を歩まれるか分りませんが、アナスタシア始め登場人物たちが皆様の胸の中でいつまでも生き続けてくれたらいいなと思います」という言葉、とても胸に残りました。(同じ日の木下晴香さんのツイートの、「胸に深く残り火のように」のくだりもhttps://twitter.com/haru_147/status/1719326968423027173?t=rzOAJDTDRoUgeOfn3Wxqpg&s=19

ちょっと話がそれるんですが、少し前、私が子供の頃読んでいた児童文学がアニメ映画化するラッシュがあってテレビで見たり映画館に行ったりしたのですが、思ってた以上に『懐かしい友人と再会した』感覚が強くあって…例え物語の登場人物でも、子供時代を一緒に過ごした仲間なんですよね。このアナスタシアも、『あの将来に悩んでた頃、劇場に飛び込んで観た作品』になるのかな…?そう出来るよう、精一杯生きていきたいです。


#アナスタシア #2023