「劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦」のライブ映画感

私が10月からスタツア搭乗で映画館に通ってた時に、毎週見てた予告だな〜これ遂に公開されるんだ〜って思ってました。毎週見てた予告では研磨さんが一言も喋らない(ニヤーッのあの顔だけ)もんだから、CV梶裕貴さんなことを映画公開後に知ったよ。映画視聴して、そりゃあ孤爪研磨超人気キャラだよ……って呻いた。

原作を1月後半あたり〜0から必死で追いかけ、追いつけました。もっと早く出会いたかったような気もするけど、この青臭さを届かないものとして見る今じゃないとここまで好きになれなかったな、とも感じています。
アニメには本作で初めて触れたのですが、ただただ「高校バレーが、登場人物達全員の美点で彩られてるライブ映画」でした。あくまでスポーツ作品を見てるはずなのに、感覚が書道パフォーマンス見てる感覚に近くて。ライブ映画だよこれ。

ハイキュー好きな人は「劇場版うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ(通称スタツア)」を見るべきだし、スタツア好きな人はハイキュー見るべきじゃない?とか思ってました。

私は原作1周しか出来てないペーペーなんだけど、ああこの人達は30巻以上の悲喜こもごもがあったからこそ今ここに立ってるんだ、の説得力が凄い。
特に黒尾・孤爪と関わり深かった翔陽、月島(&山口。控えめだけども、黒尾と孤爪の幼馴染ペアとの対比もあるでしょ)の切り取り方がめちゃくちゃ巧い。
ところで烏野高校で自分が1番好きな人は縁下さんなんですが、彼喋ってました……?アニメ未履修なもんだから、誰が話してるかを整理するのに精一杯で、全く彼のことが視界に入れられてなくて悲しい。

影山にオープン攻撃やっていいよってされた翔陽が、もう本当にワクワクしてて、飼い主がフリスビー投げた時のワンコなんだよ。
飛んでる時の彼があまりに生き生きしてて、ああジャンプ主人公だ、主人公してるってニコニコしてしまった。

本当この映画見てると、脳がずっと沸騰寸前のところで茹でられてるのに、最後のアレは何なの、何なのあれは、烏野は全員翔陽化してるって言ってるけど、孤爪君も翔陽に引っ張られてるじゃないか!って脳がぐちゃあ……ってなった。
跳びたくて飛びたくてウズウズしてるのを孤爪に利用されながらのストレスがかかった場面で汗で滑った翔陽に対して、最後の3セットラストの点は皆の汗でボールレシーブが滑った孤爪によるもので。
カメラの使い方が巧すぎて、ああこれが君の目から見える景色なんだって感慨深すぎて。
この2人の目をアップして抜いてる場面が多い中で、彼の荒い息遣いが聞こえる中で、もうどうしたいんだ、怖いよ……そしてアニメ表現って怖い。あまりにやってることのレベルが高すぎて、流れ込んでくる情報量がエグすぎて、ニマニマしちゃって逆に泣けなかった!!!!!ハンカチ携えてたんだけどなあ。

孤爪研磨、烏野とのゴミ捨て場の決戦、楽しかったの!?面白かったの!?!?!?自分はこのシーンを見せてもらってるだけの観客なのに、ここまで嬉しくなるとは思わなかった。
「おれにバレー教えてくれてありがとう」は狡い、この映画の「またね、翔陽」が最初も最後もとても柔らかい音で大好きなんだけど、彼が自分の内側をわざわざ共有しに行くときの声がすごい優しいの、脳がめちゃくちゃになっちゃうよ。
バレーのプレイスタイルは理性的だからこそ相当性格が悪い人だなと思うんだけど、その冷静さも半ば失いながらただただボールに食らいついてる姿を彼のカメラを通じて魅せられて、それがこの3セット音駒敗退のマッチポイントなの、劇薬がすぎるでしょう。

私はあまりアニメ表現(音からテキストの意味を拾うのが得意じゃない)で言葉がパッと頭に残る人じゃないんだけど、感情とか声優さんの言葉の色の付け方やインパクトはやっぱりアニメ化されてるからこその良さがあって。
「楽しかった」も「面白かった」も孤爪さんにハッキリ明言させるのは翔陽を主とした烏野高校だけど、「バレー教えてくれた」のは黒尾さんなんだな……

孤爪さんの色って金髪に赤いユニフォーム、ジャージに青いゲームって感じ(自室も主に青だから、ゲームは青色なんだと思う。ブルーライトの色からかな)で、幼少期の黒髪じゃなくても混ぜたら黒色になるんですよ。そしてゲームを手放したら赤と黄色でオレンジ色だから翔陽の色だねえ……ってなっちゃう。

対して黒尾さんってcrowの名前なのに烏丸じゃなくて音駒なところが肝で、いや、うん、すごい。そして私は孤爪さんから心からの「面白かった」「楽しかった」を引き出したのが、烏野高校の翔陽だったことに勝手に心底嫉妬しました。黒尾さん、これを聴いた時はどんな気持ちだったんだろう。
「ありがとう」を引き出したのはもちろん感無量だったと思うんだけど、やり切ったった感はここまで与えてあげられない気がして、なんか悔しい?寂しい?ような気持ちになりました。めちゃくちゃ良いシーンだという前提でね。

比較的序盤に出てくるキャラなだけあって、黒尾さんの仕掛けのされ方がとんでもねえよ。月島を可愛がってるのもわかる。鉄郎じゃなくて鉄朗だもんね。
研磨曰く「よくしゃべる」黒尾鉄朗の対になるのが、烏丸だと菅原孝支だと思うんだ。本作で初めて声聞いたけど、本当に菅原さんのテンションバカ高くてうるさくて良かった。
彼がこの字の下の名前持ってるところに萌えてるから敢えてフルネームで書いたけど、チームの空気を美味しくしてくれるのがこの2人だと思ってて、グッドボタンを連打してます。

さては小さな巨人の声優は花江夏樹さんだな???って認識出来た時点で浮かんで仕方なかったから余談。
孤爪さん、「ジャックジャンヌ」の百無客人(CV花江夏樹)って知ってます???
私百無に愛着はある上で大嫌いなんだけど、百無が田中右宙為に執着しなくなる続編があるとしたら、今のあなたみたいな魅力の奴になると思うんです。アイツが「面白いままで居てね」って言ってるところ見たことあるんで。

劇場で自分の視界いっぱいが、あの変態的なカメラアングルになる感覚を是非体験してほしい。既に大ヒットしてる作品だとは思うんですが、本当にあのカメラだけで映画代の価値があります。


そして私はうたプリに脳のリソースが囚われてる人間なので、2022/9/2に公開された作品なのに何故か未だにちょこちょこ映画館で上映されてるスタツアも何卒よろしくお願いいたします。
マジのミリしらでいけるライブ映画なので、実質ハイキューです。劇場で見る映画ってライブ感強いんだ。

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