マイエレメントは、大人に向けたメッセージだと思う
子どもの頃に憧れた職業。
私は、歌手になりたいと思ってたんだよね。
・・・これ、初めて誰かに言ったかも。
当時は、”シンガーソングライター”と”歌手”の違いも知らず、歌を歌ってる人は、みんな自分で歌を作って、自分でその想いを込めて歌ってると思ってた。だから、ノートに歌詞を書いてみたりしてたな。
でもそんなこと、親にも友達にも言えるはずもなく。もちろん本気で思ってたわけじゃなくて、憧れ程度のものだったけど。
でも誰よりも、そんなことを思う自分が恥ずかしいって思っていて、将来の夢を聞かれたり、プロフィール帳(懐かしい)とか、卒業アルバムとかにも、当たり障りのない”ピアノの先生”とか、”お菓子屋さん”とか書いてた気がする。
親に反対されたって、やりたいことならやれば良い。
子どもだともちろん難しいことだらけだけれど、それでも本当にやりたいことなら、どうにだってやりようはある。
自分のやりたいことにブレーキをかけるのは、いつだって自分なんだって、今なら思う。
先日公開されたディズニー映画「マイエレメント」の、こんな言葉が心に残っている。
きみのやりたいことを止める権利は誰にもない
エンバーとウェイド。
この2人は、火と水のエレメントだから、決して交われない。
怒りっぽくて水を蒸発させてしまうエンバー、些細なことですぐに泣いてしまい炎を消せてしまうウェイド。
同じエレメント同士でいることが幸せとされるこの世界で、想いを通わせる2人のストーリー。
お父さんの「この店を継いでほしい」という想いに応えることこそが、自分の夢なんだと思い込んできたエンバー。
けれど、ウェイドやその家族と関わるうちに、実はそれは自分のやりたいことじゃなかったことに気付く。
でも、そんなことを言えば、お父さんを傷付け、それまでの自分をも否定することになる。だから、本当の想いは閉じ込めたまま、お店を継ぐと決心する。
本当はやりたいことがあるのに、誰かのために、何かのために、その気持ちは自分の中にしまい込む。
きみのやりたいことを止める権利は誰にもない
映画の中ではお父さんのことを指していたけれど、誰にもっていうのは、自分にもってこと。
私は、自分でブレーキをかけてたんだな。
心が熱く、そして苦しくなった。
今時の子どもは、やたらと大人びてると感じることがあるけれど、周りの人間のことを想って、自分の想いを閉じ込めていることが少なくないのかもしれない。
劇中で、エンバーとウェイドが、めてのデートの時に流れる曲。
Steal The Show / Lauv(ラウヴ)
どこかの民族音楽のような曲調で、普段は失恋を歌うことの多いLauvの音楽。
幼い子ども向けの映画に使う曲としては、かなりおしゃれな気がする。
ストーリーも曲も、色んなことを抱えた大人に向けての映画のように感じた映画でした。
最近の子どもは、色んなことを考えてるのかもね。