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音楽は記憶とともに残る「もどかしいほど静かなオルゴール店」

人も、本も、穏やかで、あたたかな雰囲気が好きです。

「もどかしいほど静かなオルゴール店」を読んで、「あー、私はこういうのがが好きだなー」と感じました。著者は瀧羽麻子さん。

日本の南端、珊瑚礁の島にある、一軒のオルゴール店。
ここでは、お客様一人ひとりに合わせたオルゴールを仕立ててくれる。
こういうオーダーメイドのお店の場合、自分が好きな曲をリクエストするのが普通だろうけど、ここはちょっと違う。
店主には、「あなたの心に流れる音楽が聞こえる」らしく、自分でも忘れていた、その、心に流れる音楽を優しくみちびいてくれるのだ。

このチカラを使って、まさにお客様にぴったりのオルゴールができあがるんだけれど、決して、自分の能力をひけらかしているわけではなくて。

出会った方の雰囲気を感じとり、話をする中で、その方が大切にしているモノや想いに触れることで、たった一つの、素敵なオルゴールができあがる。


島の住人や、何かをきっかけに島へやってきた人が、ふと訪れ、店主の人柄に触れ、オルゴールをつくる。それは、大切な思い出になる。
ココロの中にある音楽と記憶を、優しく思い出すことのできる、素敵な作品でした。

カバーを外しても素敵



音楽って、過去のワンシーンと一緒に思い出されますよね。

中学の時、英語の授業で先生がテキストとして使ったビートルズ。学生時代、部活帰りに仲間と歌った流行りの曲。上手くなりたくて、必死で練習した曲…。

ふと流れてきた曲は、当時を思い出すきっかけになり、懐かしさを感じます。
たぶん、良い思い出だけじゃないはずだけど、なぜかそれは忘れてしまっていて思い出さない(笑)

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