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ADHDの私がした12個のバイト経験談とその教訓

私のADHDの症状

私は小学生の頃から忘れ物や無くし物がひどく、おっちょこちょいだねとみんなから言われていました。

  • 学校で宿題、教科書、名札、体育着、長期休み開けに内靴を忘れる

  • 部活動の大事な試合でユニフォームやシューズを忘れる(親やチームメイトに迷惑をかけてしまい、今でもその悪夢を見ます)

  • 試合中のローテーションを忘れる

  • 漢字検定に申し込んでいたことを忘れ、当日担任から電話が来る

  • 家の鍵を忘れて閉め出される

  • よくつまづく

私は部活動でバレーボールをしていたのですが、ローテーションといって、点数を取るごとに立ち位置を変える必要があります。

私はプレーに集中するあまり自分が最後どの位置にいたのかほぼ毎回を忘れていました。なので、みんなが自分の立ち位置に移動した後、一つだけ空いている位置に行くなんてことをしていました(笑)

(それでも間違えて後輩によく「先輩、違います。こっちです」と誘導されてました。)

学校にいたときは自分の忘れ物や不注意で被害を受けるのは主に自分だったし、友達や家族からは笑われたり呆れられることはあっても、受け入れてもらっていました。

しかし大学生になってからバイトを始め、仕事ではADHDが顕著に出るように。

真面目に働こうとするので、どの仕事でも最初は好かれます。しかし長くいればいるほど自分の使えなさがバレて居づらくなるためすぐ辞めてしまい、経験したバイトの数だけが増えていったという感じです。

今回は私の経験がどこかで困っているADHDの方の参考になればと思い、それぞれのバイトの体験談を書いていこうと思います。

自分自身、似たような体験をしている人がいるだけで救われたので、あなただけじゃないよと言いたいです!

相性が悪かったバイト

神社の巫女

人生で一番最初にした正月のバイトで、こちらは元々短期のバイトでした。

私の担当は数十種類あるお守りを売るというもので、参拝客が選んだお守りの値段を暗算か電卓機を使って計算する必要がありました。

神社は正月ということもあってすごい喧騒で、そちらに意識がいってしまい何度も計算を間違えました。

そこで時間がかかっても一つ一つ値段を確認して、簡単な計算でも電卓を使おうと決めました。しかしどのお守りまで計算したのか忘れたり、見る値段を間違えていたりして一回の会計を2-3回やり直すことも。

しかしこのバイトは1-2週間の短期だったため、使えないなということをバレずに無事終わりました。

プールの受付

プールの受付に立ち、入場料を支払ってもらったりプールの説明をするという仕事でした。

あまり忙しくなく心に余裕があったため、入場料を支払ってもらうだけなら私でもよかったかもしれません。

しかし○歳以下は親も一緒に水に入る、○歳なら親はプールに入場して監視するなど安全面の細かいルールがあり、私は受付で小さい子供の歳を確認する必要がありました。

あるとき私は入場料と説明のほうに集中しすぎてしまい、小さい子供をうっかり通してしまいました。

結果、一人で泳いでいる子供を見つけた先輩が気づき、その子が溺れたら誰が責任を取るのかと強く怒られました。

人の命に関わる仕事はやめようと強く心に誓った経験です。

寿司のテイクアウト専門店

正月にした1ヶ月程度のバイトで、機械で握ったシャリにネタをのせ、パッケージに入れるという内容でした。

ADHDとは関係がないかもしれませんが、不器用なので同じ時期に入った高校生よりも作るのが遅く、先輩に早々に目をつけられていました(笑)

一度機械の操作を間違えてシャリをワサビまみれにしたことがあり、その大量のお米を無駄にしてしまいました。

また寿司が入った大量のトレーを手で運んでいた時もやらかしました。

絶対落とさないぞと慎重に移動し、無事目的地に着いたことに安堵したところで、ひとまず台にドンと置いたらトレーが崩れて寿司がぐちゃぐちゃに。

それを見ていた店長に「よくもやってくれたな」と漫画のようなセリフを言われました。

失敗はしたし他の人よりは仕事ができていませんでしたが、タスクは寿司を作るという単純なものだったので他のバイトよりはまだマシだったんじゃないかと思います。

カフェ兼コンビニの個人経営のお店

個人経営の小さな商店のようなところでも働きました。

そのお店ではコーヒーや軽食の調理・販売がメインだったのですが、小さなスーパーコーナーが店内にあり、店先ではお花を売っていて、クリーニングのオーダーも受け取っていました。

お店に来るお客さんの対応だけでなく、電話応対したり、仕入れ先の人と在庫を確認したりとそのお店の業務が多岐に渡ります。

同僚のおばちゃんは最初はとても優しく、ミスをしても「最初だから仕方ないよ〜」と許してくれていたのですが、時間がたつにつれ「なんで出来ないの?」「バカじゃないの?」と怒られるように・・。

たくさんミスをしてしまった理由は、タスクが多すぎたのと、客や状況によって柔軟に対応を変えることが難しかったからです。

具体的には、複数の客が一度にきた場合に誰が何を頼んだか忘れ、牛乳アレルギーの人がソイラテを頼んでいたにもかかわらず、普通のラテを渡し、クレームを入れられるなどがありました。

あまりに私が仕事ができないためおばちゃんとの関係が最悪に。職場に行くのが嫌すぎて涙が出るようになり、数ヶ月で辞めてしまいました。

リゾート地の忙しい旅館の受付

リゾバでしたバイトなのですが、毎日受付に長蛇の列が並ぶほど忙しい旅館で働きました。

奥地にあるリゾートだったので、お客さんがバスで来て一気に旅館に入ることが多く、その上受付が2つしかなかったので混み具合がすごかったです。

受付では予約の確認、旅館の説明、支払い、朝食や夕食の時間決め、割引クーポンが支払われる場合はその説明とフォームの記入などをします。

長時間待たされたお客さんはイライラしていて、私が説明につかえるたびにさらにイライラ→それを見て私がさらにテンパるという悪循環。

先輩が横について教えてくれながら受付していたのですが、あまりに私が出来なさすぎて客の前できつく怒られたり、わざと足を踏まれたりしました。

申し訳なさと悲しさで精神的にボロボロになり、契約満期前に辞めてしまいました。


病院の清掃

接客業や受付といった仕事に懲りた私は、単純作業ができそうな清掃での仕事を見つけました。

仕事内容は患者の病室や公共エリアを掃除するというもので、1日24部屋を担当するというなかなかハードなものです。

しかし人とコミニュケーションする必要がほとんどなく、掃除をするというタスクだけなので接客業よりは向いていると感じました。

しかし体力的にきつく、常に体が限界まで疲労しており、そうなると見落としや忘れ物も多くなってしまいます。

清掃に使う洗剤が5種類くらいあるのですが、そのボトルを病室に忘れてしまい、どの病室にいつ忘れてきたかもわからないため、入った部屋をしらみつぶしに探したこともあります。

そこでボトルを忘れないように集中して働いていたら、今度は清掃の記録用紙を忘れてしまい、ボトルと清掃の記録用紙を忘れないようにしていたら鍵を置いてきてしまいました。

他にもマネージャーに指摘されるレベルの見落としや忘れ物をしてしまい、この仕事も向いてはいないなと感じました。

相性が良かったバイト

ティッシュ配り

友達に誘われてしたティッシュ配りのバイトは一番精神的に楽でした。

仕事内容はその名の通りティッシュを配るだけ。チラシだけだと受け取ってもらえないかもしれませんが、ティッシュならほとんどの人が受け取ってくれるので精神的負担もありません。

仕事はシンプルでただ一つのことをしていればいいので、考え事をしながらでもできて最高のバイトでした。

ゲストハウスの夜間見回りスタッフ

ゲストハウスに住み込み、夜間に鍵が閉まっているか、汚れている場所はないかを見回るという仕事でした。

コロナで人がいない時期で、客が1-2人しかいないという日も多かったので仕事はとても楽でした。

一人でゆっくり見回れるし、時間的な制限もないので大きなミスをすることも一度もありませんでした。

ペットサロンのドッグウォッシャー

未経験ながらペットサロンで犬を洗って乾かすというバイトをしたこともあります。

犬を飼っていたことがあるので、犬の扱いには慣れていて何の問題もありませんでした。

スタッフはオーナーと私ともう一人のアルバイトだけで、みんなそれぞれ自分の担当の犬に集中するので作業が中断されることもありません。

無口なオーナーにも気に入られ、プロのトリマーになるための極意も教えてくれました(別に目指してはいなかったけど)。

体力的にはきついものの、犬が好きなのと精神的な負担が少なかったので向いている仕事だと思いました。

ECサイトの運営スタッフ

ECサイトで商品を紹介する記事を書いたり、webマーケティングをしたりといった仕事がメインで、商品の梱包・配送、在庫管理、電話応対などもたまにするといった内容でした。

基本的には黙々とパソコンと向き合って作業していたので、自分の業務にフォーカスできていました。

文章を書くのは得意だったのでライティングの質がいいと先輩からも褒められるほどでした。

ただ電話応対だけはダメで、クレーム対応などはパニックになってしまい言葉が出ないということがよくありましたが・・。

とはいえそれは仕事のほんの一部だったので概ねよく出来ていた仕事だと思います。

webマーケティング会社のディレクターアシスタント

大きなwebマーケティング会社でディレクターのサポートをするというアルバイトでした。

文章を書くことは好きで、パソコンを使うことも得意だったので、クリエイティブ業がサービス業よりは向いているのではと思って始めた仕事です。

しかし実際やってみたらクリエイティブとは程遠い雑用がメインで、データ入力のような仕事やインタビュー、他のライターやタスカーと協力してプロジェクトを進行するなどをしました。

エクセルやCMSを使ったデータ入力ではケアレスミスをしてしまっていたのですが、アルバイトということもありディレクターが必ずチェックしてくれるので、大きなミスにはなりませんでした。

その他のインタビューや編集のタスクは向いていて、先輩から何度も成果を評価されて嬉しかったです。

このアルバイトは1年ほど続いたものの、業務内容にやりがいや面白みが持てずに辞めてしまいました。

中小企業のwebマーケター 

webマーケティングの施策に困っていた企業で初めて雇われたwebマーケターのバイトでした。

その会社はwebマーケティングについての知識がほぼなかったため、とにかく私に自由にやらせてくれました。

webマーケティング会社での経験を元に自分なりに施策を考えたり、webサイトを作り上げていくのが楽しくて、このアルバイトは過去最長で続き2年ほど働かせてもらいました。

webサイトのアクセスも3倍以上増え、会社も十分に評価してくれました。

しかし私がwebマーケティングそのものが好きになれなかったのと、興味のない記事を毎日8時間書き続けるというのが苦痛で仕方なく辞めました。

12個のバイト経験から得た教訓

向いている仕事

・誰からも監視されず一人で黙々と出来る
・自分の得意(文章を書くなど)が活かせる
・一つのことに集中できる
・自分でやり方やペースを決められる
・興味が持てる仕事内容

向いていない仕事

・柔軟で早い対応が求められる(受付、接客など)
・誰かに監視されている状況で働く
・マルチタスク
・人命に関わる仕事
・周りの音(喧騒、音楽、電話対応)など外的刺激が多い

ADHD=甘えなのか?

ADHDという言葉は前よりも身近になっていて、自分はそうなんじゃないかと感じる人や「私はADHDだから〜」と普段の会話で気軽に話す人も増えているようです。

私の友達は「自分の欠点に病名をつけるのはただの言い訳で、変える努力をしたくないだけだ」と言っていました。

たしかにADHDだからできない、と考えて問題を放置しておくのは自分のためにならないかもしれません。

でも、その人の特性が引き起こす悩みに名前がついて、ある種のカテゴリに入ることで救われる人がいると思います。

病名でもついたら いじめられないし 少しは楽なのかな

クレイジークレーマー

私はADHDという言葉を知る前は、どうしてみんなが普通にできることが出来ないんだろうと思って、自分の中には理解不能の黒いもやがあるような気分でした。

他の人にアドバイスを求めると「だらしないからいけないんだよ」「注意力が足りないんじゃない?」などと、他の人にはなぜそんなミスをするのかを理解してもらえません。

しかしADHDという言葉を知って、自分の身近にはいないだけで、本当は同じように悩んでいる人が多くいるということに心から安心しました。

悩みの原因は黒いもやではなく、名前があり科学的にも説明があるものと知り、やっと正体をつかめたような気持ちでした。

ネットにはADHDのための様々な対応策が紹介されており、それを知ったらすべて解決とまではいかなくとも、解決の糸口は見えます。

その中でも向いている仕事をするというのは一番効果的なのではないかと思います。



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