5年付き合っていた彼氏と別れた

5年付き合っていた彼氏と別れた。

喧嘩とか浮気とか劇的な理由があったわけではない。5年かけてお互いのことを知って、努力して、最終的に辿り着いた答えだった。

別れてからも、私が次のアパートを見つけるまで、彼とはしばらく一緒に住んでいる。

別れた直後はお互い遠慮がなくなって、たくさん喧嘩をしてしまった。でも引越しの日が近づくにつれて別れが現実味を帯びてきて、私も彼もお互いに優しくなっていった。

彼は今まで興味のなかった私の趣味につきあってくれたし、私は生活する上でもっと彼のことを気遣うようになった。だから、正直、今彼といるのは楽しい。

別れる直前になって付き合いたてのような楽しさが戻ってくるというのはこういうことか。

土曜日の朝、日差しで目が覚めて、となりで寝ている彼の大きな背中を見ながらふと思った。

どうしたら私たちはまだ恋人でいられたんだろう。切なくて恋しくてそう考えたのではなくて、ただ純粋な疑問として浮かんだ。

状況が一つ二つ変わったくらいじゃ私たちは結局別れていたと思う。だから、出会った頃に戻って、私たちが選ばなかった選択肢を一つ一つ選んでいくことになるだろう。

私たちの未来が100通りあったとしたら、そうやって辿り着けた未来が1つくらいはあったかもしれない。

その未来ではもしかして、2人で幸せになって結婚して、子供もできていたのかもしれない。私がいつかは彼と夢見たことを、叶えているのかもしれない。

そうだったらいいなと思った。

私たちは99通りのうちの1つに辿り着いたけど、1/100の私たちがどこかで幸せになってくれていたら、それでいいなと思った。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?