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自分と自分が発したものを区別して考えることの大切さ

人の脳には心の理論と呼ばれる機能が備わっています。

心の理論とは自分に似たものや関係しているものを、
自分と同じように考えてしまう傾向のことです。

例えば日本の怪談の代表的な例である呪いの人形、
人形には魂が宿り時には人を呪うというもの。

人形という人に似せて作られたものには人と同じように、
魂や意思が宿るという考え方に思わず恐怖を感じてしまうのは、
心の理論による無意識の反応によるところが大きい。

他にも自然等に魂が宿るという宗教の元となった考え方のアミニズムも、
木などの自然物に偶然できた人の顔のような模様を自分と同一視し、
魂があると考える心の理論によって始まったという説が現在では有力。

このような見た目だけではなく人から発せられたもの、
意見や提案、アイディアや言動などもその人と関連付けられ、
同じものだと考えてしまう傾向があるのです。

ですから例えばアイディアを否定された時に、
まるで自分が丸ごと否定されたように感じる。

こんな場合は心の理論による反応が生まれてる可能性が高いのです。

ですが、実際には自分と自分が発するものは別のもの。

自分という存在は肯定されているけどアイディアは否定される、
そんな状態は普通にありえます。

ですが、心の理論による反応によって自分と関わるもの全てを、
自分と同一視したままでいるとそれが否定され時に、
必要以上に精神的な負荷がかかることになる。

また、実際に誤ったものであるにも関わらず自分と同一視したために、
方向性を修正できず誤った方向に進み続けてしまう。

そのまま取り返しがつかなくなるということもありえるのです。

加えて自分以外を見る時も同じことが言える。

相手のちょっとした意見やアイディア、言動などを見て、
それが相手の全てであり本質だと考えるのも、
心の理論による同一視が大きく影響しています。

それで表面的な判断から相手との関係を悪くするなどもおこるのです。

なので、お話してきた心の理論という機能が人には備わっていて、
自分と似たものや関連するものを同一視する傾向があると理解する。

そのうえで意識的に自分と自分が発するもの、
または相手と相手が発するものを。
区別して考えることは大事です。

それができれば冷静に深く物事を捉えることが可能になって、
より良い意思決定や行動につなげていく助けになりますよ。

ぜひ実践してみてください。


では、今回はここまでです。
ありがとうございました。


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