思考力を鍛えるためのPDCAサイクルとOODAループ
個人的に思考力を鍛えるのに最適だと思うものが2つある。
1つは言わずと知られたPDCAサイクル。
計画、実行、評価、改善を繰り返すことで目的、
目標達成に近いづいていこうと考えるフレームワーク。
もう1つはOODA(ウーダ)ループと呼ばれるもの。
これは元々、軍人のジョン・ボイドという方が軍事において、
最適、最善な意思決定を素早く導き出すために生み出したもの。
それが後にあらゆる場面で役に立つと広まったと言われていますが、
ざっくり観察、状況判断、意思決定、実行の4つをひたすら繰り返す。
両者はフレームワークとしては有名でよく取り上げられる、
時にどちらが役に立つのかなどと議論されることもあるのですが、
これらはそもそも相互補完的なものだと考えてます。
人の思考の性質を考えるとどちらも不完全であると思うのですが、
両方をうまく取り入れられると思考を最大限活用できて、
かつ地力を上げるげることも可能なのです。
と言うのも、よくお話することですが人には意識と無意識、
2つの思考傾向があります。
意識は主に想像力を駆使して未知を想定し思考に反映させることができ、
無意識は反射的な反応で今、この瞬間に集中することで思考する。
両者はある段階で1つの意思となって結実するまでは、
それぞれが独自の方法で同時に考え様々な意見や基準を生み出す。
で、この前提を踏まえてPDCAサイクルとOODAループを見てみると、
まずPDCAサイクルは意識的な思考を活用するためのものなのがわかる。
計画とはつまり仮説、ある情報などを起点として想像したものである、
それを元に実際に行動し現実とすり合わせていこうとするものです。
この方法の利点は想像力を駆使することで現状から飛躍した、
大きく広い可能性を模索できることですが欠点として、
あくまで仮説(想像)であるためしばしば現実感が薄れやすいこと。
対してOODAループは現実の観察、まず認知、認識できる情報を集める、
無意識に必要なものを取り入れることからはじめます。
現実を見つめ、状況を自分なりに把握、判断し、何をするかを決めて、
実際に実行に移っていく。
この方法の利点は極めて現実的であること、
現状、最も優れた答えを導き出しやすい。
ですが、現実に即しているため過去からの延長線上しか見えない、
PDCAサイクルのようなある種の飛躍は期待しづらい。
加えてそもそもOODAループは目標や目的が決まっていることが前提、
先に話しましたが元々は軍事において最適、最善な意思決定を行う、
現状、もっとも優れていると思われる選択肢を導き出すためのもの。
軍事は基本、政治によって動くものなので軍事の上にある何かが、
大きな目標や目的、軍事的には戦略とでも呼ぶものを定めて、
それを実現するために何をするか具体的な方法を模索する。
それが元々のOODAループの役割、だから現状を最も効果的に思考でき、
最適化、効率化することが得意な無意識を軸としたフレームワークとなる。
つまり、PDCAサイクルは意識的な思考(想像力)を用いることで、
まったく未知の選択肢も含めて考慮し道を模索するためのもの。
OODAループは無意識的な思考(現状の最適化)を用いることで、
定めた道を最短、最善、最効率で歩めるような意思決定、
引いては言動を導き出すためのものであると言えます。
故に、個人として使うのであれば両者は相互補完的である、
PDCAサイクルがなければ道を見出すことができず、
OODAループがなければ道を歩むことが難しいからです。
そして、道を模索するのも歩いていくのも充実した、
後悔のない人生を送りたいと考えるのであれば、
必ず実践しなければならないものだと思う。
より高いレベルで実践できればより良く思考し行動できるでしょう、
ですから2つとも日常的に自然に行えるようになると役に立つ。
道を模索する時、実際の歩み方を決める時、適切なフレームワークを用い、
思考を最大限活用し、正しく地力を上げていけるように。
意識して使ってみると良いと思うというお話です。
では、今回はここまでです。
ありがとうございました。