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扱う言葉がその人を形作るは本当か否か
言葉がその人を形作るとよく言われますし、
だから扱う言葉は気をつけようとも言われる。
例えばめんどくさいなどの口癖は自分で自分に暗示をかけてるようなもの、
だからまずそういった口癖を改めようとか。
これって一見すると理があるように思えますけど、
実際には順序が逆だと僕は思ってます。
というのも、まず意味を理解したうえで言葉を扱うというのは、
極めて意識的な営みなんですね。
で、意識は基本的に無意識に持続力影響力共に勝てない、
つい出てくる口癖って無意識的なもので、
そこに意識的な思考の働きの影響はほぼない。
口癖とは何か意識的に考える間もなく発せられる。
つまりは無意識に自然と出てくるほど口癖に合った生き方が染み付いてる、
言葉がその人を形作るのではなくそもそもそういう生き方をしてきた、
そういう生き方をして来ざるを得なかった影響を受けてきた。
それに伴い自然と合った言葉が出るようになったということです。
無意識的に発せられる言葉は何であれその人の生き様の反映なのですね。
故に、扱う言葉を変えることが人を変えることにつながることはほぼない。
大事なのは自分のこれまでの生き様をきちんと理解し自覚したうえで、
それを変えていきたいと強い意識的な意思を持てるかどうかだからです。
そうした意思があってはじめて自分がなりたいと思う自分、
それにふさわしい言葉は何かと考えることができるようになる。
無意識的に出てくる言葉、引いては自然と出てくる生き様を、
意識的に自制してありたい自分としての振る舞いを行える。
それを繰り返し何度も何度も実行し続けることができれば、
いずれは過去の変えたいと思った生き様が消えていく、
ありたいと思えた自分が無意識に刻まれる。
無意識的に発せられる言葉もそれにふさわしいものに変わるのです。
以上をふまえたうえで改めて最初の問い、
言葉は人を形作っているのか否かに答えましょう。
人を形作っているのはあくまでもその人の積み重ねた生き方ですが、
それを自覚し変えたいと思った時にまず言葉から変えていくというのは、
1つの方向性として一定の効果があると言える。
ただ、何にせよ言えることですが自分を形作っていきたいと考えた時、
まず大事になるのは無意識の傾向をねじ伏せられるだけの意識的な力、
意思を育むことであるというのは覚えておくと良いでしょう。
そのために必要なのは先にもお話したようにまず自覚、
無意識的に自然と発せられるものはそれまでの生き方の反映であると、
認め受け入れることからはじめなければ先に進めない。
自覚する、意思を育む、実際に効果的であると思われることを積み重ねる。
この順序は何をするにも意識してみてもらえると、
自分を本気で変えたいと思えた時に役に立つと思いますよ。
では、今回はここまでです。
ありがとうございました。