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キャリアコーンって知ってますか?

毎日ブログ 64日目(2020/5/2)
(※この記事は自社ホームページからの転載記事です)

皆さんは「エドガー・E・シャイン」と言う
アメリカの心理学者をご存じでしょうか?


2020年5月2日現在、92歳。
キャリアに関する数々の理論を提唱し、
我々キャリアコンサルタントにとっては
神の様な存在なのです。


私はお会いしたこと自体ありませんが、
日本のキャリコンの多くは
アメリカまで会いに出かける人も多いと聞きます。


そんなシャイン先生ですが、
先にも書きましたように、
多くの理論を提唱しています。

〇内的キャリアと外的キャリア
〇キャリア・コーン
〇キャリア・サイクル
〇キャリア・アンカー
〇キャリア・サバイバル


中でも代名詞と言われているのは
キャリア・アンカーなのですが、
今回は私が好きなキャリア・コーンの
話をさせていただきたいと思います。


コーンとは「円錐」を言います。
円錐形のアイスクリームの容器や、
工事現場などでみられるイラストの様なものも
コーンと言われています。

パイロン

キャリアコーンは正式には
「組織の三次元モデル」
と言います。


組織の中での発達の指向性を
階層(上下)・中心性(奥行き)・機能(円周)の3方向で
立体的に表した図です。

画像2

1.上下の階層
いわゆる職位の昇進などを指します。
一般社員が主任・係長・課長と昇進し、
それに伴って責任と役職が変容します。
いわゆる管理職として会社に貢献します。

2.中心性
部内に長くいる事で、
部内での発言権の増加、
部内機密への接触権などが増します。
また技術力の専門性などが伴い
技術職系の人に多いようです。

3.機能性
組織内でいえば、
様々な部署でキャリアを積むことを指します。
大手企業などでは数年おきに異動して、
最も個人的特性に合った部署を選択することも
あると聞きます。


要するに
昇進だけがキャリアではない。
と提唱している訳です。


日本の企業では
未だにそのような「キャリア=昇進(職位)」と言う
外的キャリアに限定して捉えている方も
たくさんいらっしゃります。


しかし当時、キャリアコーンの考え方によって
少なくともキャリアには
縦方向以外の複数の選択肢がある
という事が示されたのです。


厳密に言えばキャリアは
「転職」
「離職(育児・家事)」
「ボランティア」など
人生そのものも含みますので、
キャリアコーンの他にも
存在はしています。


キャリアコーンは
「組織の三次元モデル」ですので
組織内に限定されているだけの話です。


余談ですが、
シャイン先生を師と仰いだ
ダグラス・T・ホール教授の
プロティアン・キャリア(変幻自在のキャリア)にも
多大なる影響を与えているのを感じます。


プロティアン・キャリアに関しては
また後日に譲るとしましょう。

日本の企業にも
働き方改革の波が押し寄せ、
少しずつではありますが
働く人々のキャリアに対する意識が
変化してきているように感じています。


人生100年時代、
キャリアを自身で開発していくために
昇進以外のキャリアの可能性を
認識するだけでも、
はじめの一歩ではないでしょうか?

理屈で考えてみてください。
今なおよく利用される社内組織図も
ピラミッドの様な階層で書かれています。
これは円錐を展開したものです。


それを見るだけでも
昇進だけをキャリアの目的にしていると
いずれ頭打ちにあいます。


社内昇進の過当競争によって
昇進できる人材は絞られてしまい、
最終的に社長になるのは唯一人。


場合によっては、ポッと出てきた
社長の息子が昇進争いに関係なく
社長の座を継いでしまう事もあります。


しかしあなたは
その会社の社長になるために
入社したのですか?


「キャリア=昇進」と刷り込まれて
しまっていませんか?
キャリアは人の数だけあります。
個人個人のキャリアは異なって当たり前です。


政府の働き方改革の影響で
副業は原則的に解禁になり、
これまで企業に任せていた
キャリア開発の機会が
皆さんの前に飛び込んできました。


このチャンスをどう活かしますか?

副業で新しいキャリアにチャレンジしますか?
ひょっとしたら、
昇進のきっかけになるかも知れません。
ひょっとしたら、
今の仕事の専門性を深めるかも知れません。
ひょっとしたら、
別の部署からお呼びがかかるかも知れません。
ひょっとしたら、
別の会社からお呼びがかかるかも知れません。


人生100年時代、
キャリアは自分で開発していくものに変わります。


「今の仕事のままで良いのかな?」
そう感じたら、キャリアを考え直す
まさにそのタイミングかもしれませんね。

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