病院船について調べてみた
今回の能登地方大地震については心よりお見舞い申し上げます。なんにもできない、寄付くらいしかできない(しかも財力がないので少しだけ)身としては報道を見聞きするたびに、無念さ、じれったさを感じる。もちろん被災された方の苦労や心痛はいかほどのものか。
今回、疑問なのは、自衛隊や各地の消防や警察が投入されているが、海からのアプローチが海自のホバークラフト程度しか見えない。
能登は半島で道路の寸断によりアプローチが難しい状況とあるが、天候次第だが海からのアプローチはありと思われる。
政府はフェリーや客船を借り上げ、現地に向かうことはできないのだろうか?
調査確認の上と言っているが、日ごろシミュレーションしていないのだろうか?
東日本大震災の時に、アメリカは国防総省参加兵力人員約20,000人、艦船22隻、航空機140機を派遣している。
以下は笹川財団の記事から引用
人道支援と災害救助の実績
艦艇・航空機による行方不明者の捜索と洋上障害物等の監視
食料189トン、真水7,729トン、燃料・非常食・衣服・医療品等87トンを被災地に輸送し提供
原発事故対処として、消防車2台、放射能防護服100着、消防ポンプ5台、真水搭載バージ2台、初期即応部隊隊員150人の派遣
仙台空港と大島、八戸港、宮古港の復旧作業、石巻の小学校の瓦礫除去
これらは震災後3日後13日に開始されている。
日米同盟があるのなら、こちらから米国に頭下げて動員することはできないのだろうか?
ところで、東日本大震災の際に病院船の議論があったと思う。調べると東日本大震災時には米海軍の病院船は参加していないようだ。
病院船について調べると、大島の三原山噴火の際に病院背が議論されたが100億単位の費用が見込まれ立ち消えとなったようだ。
阪神淡路大震災でも議論されたという。
2011年度補正予算で調査費が計上されたが、新造で350億円かかることがわかり断念した。
新型コロナ感染症拡大時にも議論され、2021年6月に災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律」(略称:病院船推進法)が成立され3年以内に施行されるとのこと。
その間に災害は次々に起こっている。「スピード感」は大事なのだ。
公明党が2023年5月に政府に提言しているのは、「既存の船舶を病院船として活用できる仕組みの検討を求めたことだ。医療設備を内包し移動が可能な「医療コンテナ」をフェリーに積み込む方法などを想定している」という内容。現実的な話であり賛同するところである。
日本には病院船は戦時中までは30艦ほどあったようだ。有名なのは氷川丸で現在は山下公園に係留されているが、病院船のほとんどは戦時中に喪失している。
そもそも350億円という政府の積算は妥当なのだろうか?
また、大阪万博をやめてしまえば十分におつりが来る。
アベノマスクは260億円使っている。コロナの時の給付金の受付システム(ホームページ)はとても11億円かかったとは見えない。
金銭感覚がおかしいとしか思えない。
NGOであるピースウィンズ・ジャパンは病院船を保有している。2023年7月に披露された、全長68m、ヘリパッドを備えた3,500トン級の船。100人の患者対応ができるとのこと。
パナマ船籍の2011年造の中古船を9億円で購入整備したとのこと。民間でこのようなことができてしまうのだ。
350億で2万トン級、500床対応の船よりも100人対応できる船5隻でいいのではないか?このPWJのPower of Changeという病院船は平常は訓練や瀬戸内海の離島の巡回診療をおこなうとある。
残念ながら、今後も自然災害が増えると思われる。病院船は災害対応で最も優先されるものと考える。