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吉力吉撈・鞏冠
WBSC プレミア12の決勝を見ている。日本と台湾が争っている。この台湾チームに掲題の名前を持つ選手がいる。
ギリギラウ・コンクアンというのが原音に近い表記だそうで、台湾のパユワン族の出身ということだ。
ピンインという中国語の発音では「jílìjílāogǒngguān(ジリジラオコングアン)」となる。
吉という字は広東語ではガッと発音するし、ギとジは近い音だとすれば吉力吉はギリギ、と読んでもいいのだろう。
当初、日本のテレビや新聞は吉力吉撈鞏冠をキチリキキチロウキョウカンと呼んでいたようで、台湾の民族団体から指摘があり、修正したという。
しかも、コンクアンが姓、ギリギラウが名ということだ。
プロ野球の場合、バッターボックスに立つ選手をアナウンスして紹介することがあるが、本人もコンクアンをキョウカンと呼ばれたら違和感あるだろう。
韓国の地名や姓名は現地音になっている。ソウルは京城(けいじょう)、インチョンは仁川(ジンセン)、金大中はキムデジュンでなくてキンダイチュウと呼んでいたが、今は現地音になっている。
中国の地名、人名は日本語読みであるが、これも長年議論はされているが、日本の読み方を国内では使うということになっているらしい。
しかし、これだけボーダーレスというか国際化が進めば、これはおかしいことにならないだろうか。
習近平はシージンピンだが、日本人はシュウキンペイと呼んでいる。毛沢東にいたってはマオツォートンであってモウタクトウではない。
逆に山田はシャンティエン、鈴木はリンムーである。中国に居て、中国人からそう呼ばれてもピンとこないだろう。中国においてもヤマダやスズキと呼ばれたいはず。
ところが、北京はベイジンをペキンと呼んでいるのはおかしいし、上海はジョウカイではなくシャンハイである。どうも戦前日本になじみのあった場所は日本語読みになっているような気がするが、そうとも言えないのもあり、混交状態だ。
そういう状態で人の名前だけは日本語読みというのもおかしいだろう。
韓国の地名人名が切り替わった時に違和感ある方も多かったと聞く。でも、今はそれが当たり前だ。
そろそろ現地発音に変えるべきかと思う。
プレミア12は台湾が優勝。全勝してきたのに準優勝というのも、ちょっとひっかかるが、今日の台湾は強かった。おめでとうと言いたい。