フィナンシェマニア扱いされそうな私が『FiNANCiE』を解説してみる。
1、FiNANCiEとは何か?
「トークン発行型のクラウドファンディングを提供しているサービス」
このような紹介だけではFiNANCiEの「支援を募る側面」のみの表現だ。
「トークンを活用し、ファンとの新たな関係の形成に取り組めるサービス」
この「コミュニティ形成の側面」もFiNANCiEにとっては非常に大事となる。
分かりやすくするため、一般的な言葉のみでFiNANCiEを書き表してみる。
「多様なスポーツクラブやクリエイターが、支援を募り、支援者と共にコミュニティを育て、夢や目標の実現に向けて活動できるアプリ」
漠然とした表現で、FiNANCiEユーザー以外には伝わらない気がする。
なので、具体的にFiNANCiEで何ができるかを記載しておく。
【FiNANCiEでできること】
◆ファンやスポンサーや投資家から支援を集められる
◆支援者との新たな接点(継続的な交流の場)を作れる
◆様々な形で支援や応援へのお返し(返礼)ができる
◆支援者と一緒にコミュニティを育てていける
◆プロジェクト(夢や目標)の実現に向けて支援者と進んでいける
これまでに200を超える団体・個人が、FiNANCiEで支援を集めてきた。
そして、FiNANCiEは支援を集めるまで以上に支援を集めてからが重要であり、面白くも難しい。
なぜなら、FiNANCiEは「トークン発行型クラウドファンディング」であり、どのようにトークンを活用できるかがアプリ内コミュニティの発展、さらには先々で得られうる支援や応援の量にも質にも大きく関わってくるからだ。
2、FiNANCiEはよくあるクラファンとは違う
クラウドファンディング2.0と表現されることもあるFiNANCiE。
よくあるクラウドファンディングとの大きな違いは、以下の3点だろう。
◆支援の主な特典(リターン)はコミュニティトークン(以下、CT)
◆アプリ内でサポーター(CT保有者)だけが参加可能な交流場所がある
◆CTはFiNANCiEアプリ内でユーザー同士の取引が可能
なお、トークン発行者を「オーナー」、支援者を「サポーター」と呼ぶ。
オーナーによる「トークン販売」では、特典としてCT以外にもグッズや体験が付属する場合もある。この辺りは一般的なクラウドファンディングと似ている。
ちなみに、トークンというのは「しるし・象徴」「代用貨幣」みたいな意味を持つ用語で、ブロックチェーン界隈においては「金銭的価値や権利を紐づけたデータ」のような意味で扱われることが多い。
3、CT(コミュニティトークン)とは何か?
FiNANCiEにおいて、「支援募集」と「コミュニティ形成」はCTでつながっている。
どういうことなのか。
スポーツクラブやクリエイターがアプリ内コミュニティのオーナーとなり、CTを新しく発行する場合、以下の①~③の流れがある。
①プロジェクト(何を成し遂げたいかの意思表明や計画)への支援を募る
②支援の特典としてCTを配布する
③CTを活用し、サポーター(支援者)とコミュニティを形成する
「①支援を募る」→「②CT配布」→「③コミュニティ形成」となっている。
FiNANCiEのCTは、暗号資産でも有価証券でもなく「デジタルグッズ」の扱いとなる。また、支援の特典であることから「CTはプロジェクト支援の証」ともいえる。
なお、現時点でFiNANCiEアプリ内ではCTのことを単に「トークン」と呼ぶのが一般的なので、注意してほしい。
「③コミュニティ形成」において、どうCTを活用するかでコミュニティの雰囲気は大きく変わる。
例えば、CT活用に意欲的なオーナーは、一定量のCT保有者限定でのコンテンツや特典を用意したり、リワード(CT保有への返礼)企画を開催したりしている。
そうしたオーナーの取り組みが功を奏し、コミュニティ参加希望者が増えれば、結果としてアプリ内マーケットでそのコミュニティのCTを買い求める人が増え、CT価格が上昇していくこともありうる。
そして、もしCT価格が大きく上昇すれば、初期から支援してサポーター(CT保有者)となった人にも金銭的なメリットが生じうることとなる。
その辺りの関係で支援へのハードルが下がるためか、ファンのみならず、スポンサーや投資家からも他のクラウドファンディングに比べて多くの支援が集まる場合もあるようだ。
なお、マーケットにおけるCT価格の適度な上昇はオーナーにとっても以下の3点で好ましいものとなりうる。
①サポーターのモチベーションが向上し、アプリ内コミュニティが活性化
②ユーザー同士のCT取引の量が増え、オーナーの収益につながる
③追加での支援募集時での、CTに付随する価値の信頼性や期待度が高まる
②を具体的に書くと、ユーザー間のCT取引(アプリ内マーケット)における取引手数料(2023年3月時点10%)の7~8割程度がオーナーの収益になっていると思われる。
③について補足すると、追加での支援募集(CT追加販売)において集まる支援額はCT価格が適度に上昇している方が大きくなっている場合が多いように見受けられる。また、CTの発行量には上限があるため、CT価格が低い状態でCTを販売しすぎると、オーナーが追加販売で得られうる全体の支援総額が減少してしまう。
最初のCT販売(初期サポーター募集)をのぞけば、オーナー側にとってのCT運用の収益源は「CT追加販売」「マーケットでの取引手数料の一部」の2つとなっている。
CT価格がオーナーのCT運用の収益に直結しているのが分かって頂けただろうか。
4、FiNANCiEはWeb3領域のサービス
FiNANCiEでは、Web3(次世代のインターネット)として注目される次のようなことをオーナーに提供している。
◆トークンエコノミー(一部DAO)
◆NFTの企画・設計・開発・コミュニティマネージメント
◆IEO実施の支援
1~3で書いてきたのがFiNANCiE内のトークンエコノミー。CTを活用したDAO的なコミュニティ形成が掲げられているオーナーもいくつか。DAOというのは、「トークン」の仕組みを活用することによって今までよりも運営に近い(もしくは同等の)立場で様々な人が参加できるような組織のこと。
NFTは、簡単に言えば、「トークン」に見た目(コンテンツ)や権利や機能などを紐づけ、独自性・唯一性を持たせたもの。
IEOは信頼性のある取引所を介した暗号資産の上場(初期販売)。
Web3界隈の細かな用語解説はのちほど掲載する関連リンクでも読めるので省略し、ここではFiNANCiE内コミュニティのWeb3関連の動きを押さえておきたい。
2022年9月、ジャパンサイクルリーグ(JCL)など4つのコミュニティでブロックチェーン上のトークン発行(IEO)に向けて動き出したことが発表されている。
2022年12月には、SUPER SAPIENSS(以下、スパサピ)発のジェネレーティブNFTが販売されてIEOの準備開始の発表もあった。また、2023年3月25日にはKAMITSUBAKI DAO発のジェネレーティブNFTが販売予定となっている。
私の見てきた限り、スパサピやKAMITSUBAKI DAOなどのコミュニティでは、アプリ内のトークンエコノミー、アプリ外のNFTや暗号資産の動き、が連動していくようにFiNANCiE運営側がオーナーを支援している。
また、J1所属のアビスパ福岡ではスポーツDAOが2023年2月24日に始まった。
現状はアプリ内とスタジアムでのリアル企画が中心となっていくように見える。しかし、これから様々な展開を模索していくことがアプリ内外での発信からは読み取れる。
さらに、2023年3月にFNCTがCoincheckより国内3番目のIEOを実施する。FNCTのIEOについては別途まとめたので、「FNCTの販売について」を参照してほしい。
5、要するにFiNANCiEって?
団体・個人が、自力のみでは達成困難なプロジェクト(夢や目標など)への支援を募り、CT(コミュニティトークン)を配布することで、支援者と継続的な関係性が生まれ、一緒にコミュニティを育てていくことも、夢や目標に向けて進んでいくこともできうる場所。
それがFiNANCiEなのではないか、というのが、サービスローンチ当初より様々なオーナーを支援してコミュニティに関わりもしてきたFiNANCiEサポーターたる私の所感だ。
お読み頂いた方が一人でも多くFiNANCiEの仕組みに興味を持ち、アプリ内コミュニティを楽しむことにつながれば、私としては嬉しい。
6、関連リンク集
FiNANCiE公式サイト:https://financie.jp/
FiNANCiE公式Twitter:https://twitter.com/financie_jp
スポーツチーム、ブロックチェーン上のトークン発行へ:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000228.000042665.html
SUPER SAPIENSS発NFT公式Twitter:https://twitter.com/supersapi_nft
SUPER SAPIENSS、IEO準備開始:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000263.000042665.html
KAMITSUBAKIDAO発NFT公式Twitter:https://twitter.com/kamitsubaki_RG
アビスパ福岡、日本初のスポーツDAO:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000286.000042665.html