赤ネイルをする、婚活と距離を置く
婚活を止めると決めてから、残っていたお見合い(消化試合にしてしまった……すまないその時のお相手たち)のうち最後のアポの次の日が、ちょうどネイルサロンの予約日でした。
シスヘテロ婚活市場の商品となるべく男性受け婚活向きのネイル(薄いピンクやらベージュやらのワンカラーまたはグラデ)をまたしばらく続けていたので、婚活を止めるという決心が揺らがないように、半端な婚活を続けてしまわないように、そして私の心を一旦婚活と結婚から引き離すために、赤のワンカラーにしてやるぞと息巻いていました。
次のネイルデザインを早々に決めてサロンへ行くのは、私にしては珍しいことでした。
普段は、事前に考えていってもサロンでサンプルチップを見て気が変わったり、全く方向性が決まらないままサロンへ行ってカウンセリングしてもらって決まったりすることばかりなのです。
女にしか受けないもの代表
赤はネイルでもリップでも、概ね女受けしかしないというのをよく聞いていました。
女友達はRGBでいうところの255:0:0(Rに全振り)みたいな色にして「紅葉ネイル!」と言ったら旦那さんに「出血してるみたいで怖い」と言われて喧嘩したそうです。
今回私も塗ってもらうにあたってネイリストさんから「男性と、あと子供も怖がるんですよね~」と聞いていました。
男性と子供はどうやら血を強く想起する傾向にあるんだとか何とか。
寧ろ血の想起が弱く、逆に血以外のものを想起し、更に気分上げに使う私たちは何なのか。
少なくとも私は、「男性受けする女性性」とその市場の一つである婚活から距離を置くための旗印として赤ネイルを選び、一ヶ月ほどを過ごしました。
そして赤ネイルの間に、婚活をやめるのか、結婚を目指す人生をやめるのか、私の人生設計をどうするのか、考え始めました。
赤ネイル、お別れの日
そして約一ヶ月後、次のネイルサロン予約日が来ました。
婚活断ち切り赤ネイルともお別れです。
そういえば不思議だったのが、毎回付け替えまでに一、ニ本は亀裂が入る弱々爪の私が、今回十本まるまる無傷でサロンへ行けたのです。
そこに因果関係を見出すのはこじつけかも知れませんが、何だか、今回の自分の決断が後押しされているようだとも感じられました。
そして、梅雨も明けたし次は水色にでもしようかなーと思ってサロンに行って、結局はシェル敷き詰めキラキラとシアーな白に付け替えてきました。
キラキラは片手一本ずつだけでほとんどがシアーな白なので、これでも婚活出来ないことはないと思います。
でも、もしも結果的に行き着いたデザインが同じだとしても、「婚活のために大人しく」ではなく「今自分の気持ちの赴くままに」選んだ今回のネイルもまた、赤のワンカラーに似た高揚感を与えてくれました。
大体私がネイルを変えて家に帰ると、手を見せてと(主に母に)せがまれるのですが、母からはまさかの感想。
「えっこれ白なの? 法事は十本これで良いんじゃない?」
※年内に法事の予定があり、丁度段取りなど考え始めていたのもある
そして服でも家事でも滅多に褒めない祖母もぽそりと。
「前の真っ赤よりはいいわね」
祖母よ、あなたにとっても赤い爪は微妙だったのか。
ちなみに真っ赤じゃなくて、ちょっとシアーでオレンジも入ったチェリーレッドみたいなやつだったんだけどな。