生きてく限り疲れ取れない

駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。

今回のテーマは「#疲れがとれない」です。

虚弱、とまでは言わないまでも人と比べて自分はあまり丈夫ではないようだ。
それは今に始まった事ではなく、学生の頃からずっとそうだ。なんでなんだろう。低血圧だったからかな。授業中はだいたい寝ていた。「授業つまんねえんだよ」的な反抗心なのでなく(全然ないわけじゃないけど)体がだるく眠くて仕方なかったのだ。それに頻繁にお腹や頭が痛くなる。ギャル風の派手な見た目だったら先生に「こらー!」て怒られたのかも。ギャルって今も昔も大人に怒られがちだもの。私はというと、黒髪、眉ごん太、制服膝丈ジャンパースカート。いかにも真面目でおとなしいもっさりした風体。加えて体型も貧相だった。垢抜けてなくて命拾いしたぜ。居眠りどころじゃ手に負えないほど体がつらい時には保健室もよく利用した。元気なクラスメイトをうらやましく思う反面、みんなが教室で縮こまって勉強してる間に身体を横たえて眠れるというある種の優越感やら高揚感やら背徳感やらあったな。

(今頃クラスのみんな理科の実験してるかな。実につまらなそうだ)

なんて考えながら。
参加しなくてもあまり差し障りのないライトな授業を選んで寝に行っていた。
生徒が保健室に自分ひとりの時はシーツもカーテンも床も全部真っ白な空間に静けさだけが充満してなんだか緊張した。だけど、保健室の先生とだれか他の生徒が話してこんでいる。カーテンごしのきゃっきゃと饒舌な生徒が気になり眠れない、なんて時もあった。

「うるさいな、てゆうか元気じゃん。教室帰れ」

一旦思ってみたものの、教室抜け出して保健室来る時点で、彼女もきっと弱ってるんだろうな。私と同じだ。

そんなこんなから20年以上経ち少し早めの更年期が訪れた。血圧はみるみるあがり若い頃のようなだるさはあまりない。どちらかというとかっかしていて日中どんなに動いてもうまく眠れない。体質の変化はあるものの結局疲れが取れない。きっと生きてる限り。

文:べみん

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