仕事続かない私が唯一続けていること
社会に放り出され、働き続けて、早20年弱。
一社目のベンチャー企業は、一時は一世を風靡したものの勢い任せだったのか入社から2年足らずで潰れた。24歳のときだった。
二社目のグローバル企業は、オーナー一族が東日本大地震後の「放射能」を怖がり揃いも揃って海外逃亡。それに合わせる形で本社機能の日本撤退。今でも着いていけばよかったかな、と思うことがあるが、日本で転職することにした。30歳になる年だった。
三社目のコンサル会社は、外コン、外銀出身の自分とオツムのレベルがあまりに違うエリートたちに着いていけず、疲れ切って辞めてしまった。37歳のときだ。
今流れ着いた四社目。日々色んなことが起こるものの概ね機嫌良く働いている。
色んな場所で色んな人と、色んな事やってきた約20年。
ひとつだけ続けている事、それはお弁当を作って持ってくって事だ。
週末におかずを3種ほど作っておく。旬の蒸し野菜やナスの南蛮漬け、かぼちゃの塩麹煮、きのこのバルサミコ酢ソテーなどなど。調理器具一つで誰でもささっと作れるような簡単なものばかり。これらと毎朝炊飯器で炊いておいた玄米を百均の弁当箱にぎゅうっと詰めたら完成。それはそれは雑で映えない弁当である。
それでも、ランチを外食しようとするならばオフィス近くの飲食店のランチの相場は千円てとこ。千円出すならなんか本とか買いたいよなあ。コンビニならもう少し安く食料を調達できるけど、毎日食べるには添加物とか気になる。
なんて考えてしまうので、日曜夜せっせと作り置きしている。梅雨時や暑い夏の日は、弁当が傷みやすくて心配だ。お腹を壊したらやめよう、と毎年思いながら続けているのだが、なかなか食中毒になるということもないので、今年も続いている。
自分で作った弁当は、物足りなく時として正直美味しくない。弁当作りが面倒なこともよくある。けれど仕事続かないのだから、せめて弁当作りだけは細々と続けたい。仕事を引退するその時に、「仕事ってゆうか毎日の弁当作りお疲れ様」って自分に言ってあげたいから。
文:べみん
編集:真央
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