「みずほ」じゃなくて「みづほ」です

わたしが生まれたとき、色んな人が私の名前を考えてくれたという。

もう参加メンバーの半数が旅立ってしまった命名会議を経て、わたしの名前は結局「瑞穂(みづほ)」となった。他にノミネートされた名前たちも実にユニークなので以下に紹介しておこう。

宇名(うな)
両親の地元である「宇和島」と「浜名湖」の「宇」と「名」をとって宇名。スペイン語で女性名詞の一番を表す「una」ともかけているらしいが、多分後付け。

嵐子(らんこ)
嵐のような子に、てどんな子なの…!? 

紅子(べにこ)  
響きがいいとノミネート。これは、変わってるけど一周回って可愛い感じ。なかなかお気に入り。

これらに比べると普通な感じに収まった感はある。

「瑞穂」とは、「みずみずしい稲穂」、転じて「みずみずしい稲穂の稔る豊かな国」の意。食べることに困らないように、というよりは、豊かな人生を送れるように、という想いでつけたんだって。我が人生、ええ感じで実ってるかといえば微妙だが、もうお腹いっぱいな感じがしなくもない。

平仮名の表記を「みずほ」ではなく「みづほ」としたのは何やら父親の思いつきらしい。わたしとしても、ひらがなにしたとき、なんとなく「みづほ」の方がかわいい、と勝手に思っており愛着がある。

しかし本来は、「みずほ」が正しい。

だから一度で漢字変換できないし、だいたい「みずほ」で登録されており、お店や病院でカードを忘れると、
「該当がないようですが本当に登録されてますか?」
と聞かれる。

そのたび
「『ず』じゃなくて『づ』なんですが、ないですか?」
と聞いてみるのがお決まりのパターンだ。

また、律儀な友人から気付いたタイミングで、
「『ず』じゃなくて『づ』だったんだね!今までホントごめんね!!」とすごく謝られたりする。名前を間違えることがひどく失礼だと思っているのだろう。わたしとしては慣れっこなので、
「こちらこそ勝手なことしてごめんなさい」と心苦しい限りである。決めたのは父なのであるが。

こんな周りからするとはた迷惑なやりとりも含めてわたしなんだなあと思う。

編集:円(えん)

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