読書記録「流しのしたの骨」江國香織さん

旅行のおともに持参した「流しのしたの骨」という本。

取り立てて難しい表現は出てこない、読みやすい物語なのですが。
平凡そのものな令和の会社員になってしまった「アラフォーの瑞葉」には、ちょっと難解でした。

登場人物の思想、思考につまずいてしまう感じ。

どう読み取ればいいのだろう。ということのひとつが
律の「人形」のこと。
この作中の家族にとっては全く普通のことで、
律が学校に責められるのは学校がなってないんだって、
この小説の中ではそういう論理。

そこが「どうしてなんだろう」ということが、
ごめんなさい、どうしてもわからなかったです。
その、律の「人形」に限らず、
タイトルになってる「流しのしたの骨」に関しても
一読した感じではその怖さが今ひとつ伝わらなかったです。

ただ、主人公と彼氏くんとの関係性は「面白い」と感じました。
それ以外にも面白い点は2人の姉。
対照的なようで似通ってるような姉。

こういう物語を「本当に味わう」っていう
心の余裕が「今の時代」を泳ぐためにも欲しいな。

江國香織さんがなぜ、こういう家族の形を
1996年に書いたのか。
なぜ、令和の多様な価値観の時代に通じる
「高度な作品」(思想や人物像の並々ならぬ豊かさと言う点でね)

もう少し、自分の頭でよく考えてみたいと思う。

わたしも作家志望の端くれですが。
難しい読書でした。
旅先だから読めたかな。


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