私が子育てから学んだこと

なるべくしてなった人口減少社会

2018年の出生数が過去最低を更新し、文字通り、人口減少社会に突入した感が強まってきました。
2005年の1.26から改善傾向はみられるものの、歯止めをかけられない状況が続いています。

世間では男性の育児休暇の義務化の動きがある一方、カネカのパタハラ開き直り事件など、これじゃあ子どもを産み、育てたいと思える社会には当分ならないなという印象を受けます。
確かに法的には問題ないかもしれませんが、大企業のしがらみといいますか、時代にフィットしない組織だなぁという印象は否めません(組織の本性を知ってしまったようで社員の方々も気の毒だと思います)。

昨日、LiLiCoさんの「家族」についての記事を拝見したのですが、記事そのものに思うところがありますが、それ以上にスウェーデンの価値観に驚かされました。

「スウェーデンは共働きが大多数で、専業主婦は2%程度。当時から、そうやって子どもが別の家に預けられるのは普通のことでした。両親に急な仕事が入れば、隣の家に「ちょっと預かって」ってボーンと放り込まれるのもよくあることでしたね。」
「お母さんがアル中だったりシングルマザーだったり何か事情がある子に「じゃあうちで一緒にご飯を食べたらいいじゃん!」とかって言い出す子でした。」
というように、役割分担しながら、社会全体で子育てできる環境を作ってきたのでしょう。
日本では、景気回復効果による賃金上昇などの実感が伴わず、共働きの受け皿としての保育園ニーズがいまだ高い状況ですし、「孤育て」と比喩されるように、社会全体でワンオペ育児に疑問を呈し、真の意味で女性の社会参加の目的や意義を問う必要があるのではないでしょうか(パンプス云々の議論なんて低次元すぎる)。

わたしが子育てから学んだこと

私も仕事にかまけてワンオペ育児を妻に強いてしまった時期があります。
しかし、そんな中でも男性も子育てに参加することで、子どもから、子育てから学ぶことは非常に多くあると私は思っています。

例えば、
①子どもの自己肯定感を高めるコミュニケーション力
②子どもの気持ち(想い)との向き合い方(引き出し方)
③時間の使い方といった段取り力
など、たかが子どもだと思うかもしれませんが、きちんと一人の人間として受け止め、その可能性を引き出せるようにすることが親子関係の肝だと感じでいます。
だからこそ、小学校高学年ぐらいからディスカッションの機会を持ち、子どもがどう思っているか、どう考えている、素朴な疑問をぶつけ合いながら、それはあっている、間違っている、こう考えたらどうかなどのやり取りをしながら、私自身の価値観を高めていくことにもつながっています。
普通に組織で仕事している以上に経験や考える機会が日常的に降り注いでくるわけです。

子育てはお金はかかりますし、自分自身の時間を自由に使うなんてなかなか出来なくなります。
欲しいものも買えないですし、ビールが発泡酒になってしまうかもしれません(笑)。
しかし、一生に一度の子育てを通して、かけがえのない学びの機会を持てることを考えれば、子どもを産み、共に育てて欲しいなぁと思います。

子育ての新たな形

また、不妊治療などで希望しても子どもを授かることが難しい方もいらっしゃると思います。
先日、児童養護施設や母子生活支援施設を抱える法人様に提案させていただく機会があり、そのあたりの資料をかたっぱしから目を通していました。
その資料には、虐待や不遇な過去を抱えた子どもに対する社会的養育のあり方が大きく見直しをされ、より家庭的な支援になるような方向性が示されていたのです。
具体的には、特別養子縁組や里親といった形で子どもを受け入れることを強化するという方針もあり、今後、なかなか子どもを授かることができない夫婦においては、選択肢の一つとして検討する価値があるのではないかと感じました(参考として「社会的養育の推進に向けて(厚生労働省)」)。

最後に

社会全体で子どもを育てる社会の実現にはまだまだ時間がかかりそうですが、Twitterをやっていると、イノベーターの方々の声が社会を変えていくきっかけになっていると感じることがあります。

先日、ある理事長から、介護・看護職員配置の緩和(3:1)について、疑義を唱えるためのエビデンスを作ってくれないかと依頼がありました。
わたしが作成する実態調査のデータが、社会の誤った流れを止めるかもしれないと思うと、俄然やる気やエビデンス作りに熱が入るというもの。
これまでの社会の当たり前をひっくり返していく一翼なれればと思います。

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