この大会に女性部門はありませんと断られたチェスの女王💗『クイーンズ・ギャンビット〜シーズン1〜』
《乱れ撃ちシネnote vol.114》
《鑑賞日 2023年6月1日 Netflix
【Introduction】
前回は才能溢れるレーシング・ドライバーとして有望視されていた一人のイタリア人がスタンリー・キューブリック監督に請われてレーサーになる夢をあきらめ監督のお抱え運転手として過ごした30年間の思い出を語るドキュメンタリー『キューブリックに愛された男』でした。
キューブリック監督の『バリー・リンドン』とともに約50年間続いた我が生涯の三大傑作映画からオーソン・ウエルズ監督の『市民ケーン』が外れた後を埋めたのは『マッドマックス 怒りのデスロード』です。
『七人の侍』、『バリー・リンドン』、『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』の3作品はフィルムを手に入れたいと思わせるマイ・三大傑作映画です。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)ではシャーリーズ・セロンに仰天!
無口でいがぐり頭で片腕で顔は油まみれのフェリオサ隊長(シャーリーズ・セロン)の逞しさと美しさにほれぼれしました。
マッドマックス・シリーズの新作を期待したいけれどジョージ・ミラー監督は現在78歳。もう無理だろうなーと思っていたところシリーズ番外編の制作が開始されたというニュースが流れました。
しかもフェリオサ隊長の過去が語られるというのですから嬉しい限りです。
ハード・ボイルドで精悍なフェリオサ隊長の過去については誰だって知りたいはず。
ただ残念なのは若い頃のフェリオサを現在47歳のシャーリーズ・セロンが演じるには無理があるということです。
っじゃ誰が若い頃のフェリオサを演じるの?
興味津々。
キャスティングがアニャ・テイラー=ジョイに決まったというニュースを知った時、それは誰?程度の認識でした。
『フェリオサ』は「オーストラリアで撮影される史上最大の映画で長年に渡る壮大な物語を描く作品」と伝えられていますが詳細は依然として謎に包まれたままです。
情けないことにそんなスケールの大きい映画の主役になるアニャ・テイラー=ジョイって誰?だったんです。
映画備忘録メモを見返したところアニャ・テイラー=ジョイはエドガー・ライト監督の『ラストナイト・イン・ソーホー』の主演でした。
初めてライト監督の『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!』(2007)を観てイギリス・コメディ映画独特のバカさ加減にお笑いしました。
何本か馬鹿笑いしながらライト作品を観続けた時に『ラストナイト・イン・ソーホー』を観たのですがヒロインのアニャ・テイラー=ジョイは全然記憶に残っていませんでした。
偶然Netflix推しのドラマ『クイーンズ・ギャンビット』を観始めたらアニャ・テイラー=ジョイが主役だったんです。
【物語の概要】
9歳の少女エリザベス(ベス)・ハーモン(アニャ・テイラー=ジョイ)は交通事故で母親を失い養護施設に入れられてました。
当時の養護施設では薬物を子どもたちに投与して大人しくさせていました。
ハーモンはその薬物の依存症になってしまいます。
黒人同級生のジョリーン以外には誰とも馴染めないベスはある日地下室で用務員のシャイベルが打つチェスに興味をそそられて手ほどきを受けチェスにのめり込んでいきます。
13歳になったベスはある夫妻に引き取られますが夫妻が離婚したので生活は困窮します。
ベスは大好きなチェスのコンテストに参加して瞬く間にのし上がり多額の賞金を得てチェスの天才少女として世界に羽ばたくことになりますが再び薬物に頼るようになります。
世界のトップにまで登りつめたベスは・・・
【Trivia & Topics】
*『マッドマックス 怒りのDデス・ロード』→『フェリオサ』の主役。
『フェリオサ』は女戦士フュリオサ大隊長の過去が語られる映画です。
映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に登場した大隊長の女戦士フェリオサ(シャーリーズ・セロン)の若き日を描くスピンオフ映画。
おなじみジョージ・ミラー監督作品でアニャ・テイラー=ジョイが若き日のフェリオサを演じます。
*アクション監督ではありません。
ミラー監督が脚光を浴びたのは『マッドマックス』(1979)ですが、その後ジャック・ニコルソン主演のホラー・コメディ『イーストウィックの魔女たち』(1987)とか、難病副腎白質ジストロフィーに悩むひとり息子を助けるために解決策を必死に探す夫妻の実話に基づく物語『ロレンツォのオイル/命の詩』(1992)とか、『ベイブ』で活躍した子ブタが都会でドタバタを引き起こすコメディー・ファミリー映画『ベイブ/都会へ行く』とか、フルCGアニメーションの『ハッピーフィート』の監督です。
ヒューマン・ドラマの創り手なんです。
凄まじいアクション・シーンで圧倒された『マッドマックス 怒りのデスロード』も人種問題、格差社会、人類の未来、地球の行末、ジェダー問題などが語られている映画です。
*アニャ・テイラー=ジョイに目が釘付け。
「クイーンズ・ギャンビット」を観て切れ長な目ときゅっと結んだ引き締まった上唇のこの女優さんは誰なの?と驚いたんです。
それがアニャ・テイラー=ジョイでした
*タイトルの『クイーンズ・ギャンビット』とは。
チェスの序盤の駒の動きのことです。
*放送後の反響。
本作放映後に玩具メーカーのスピンマスターはチェス関連の製品の売上が3桁増加した。
eBayはチェスセットを含む関連製品の売上が215%増加した。
チェス対局サイトのLichessは公開日以降プレーヤー数が大幅に増加。
同じくチェス対局サイトのChess.comでは新規プレイヤーが5倍に増加しました。
*第73回プライムタイム・エミー賞受賞。
2020年10月の配信開始から1カ月で全世界6,200万世帯が視聴した大人気作です。
2020年6月1日〜2021年5月31日からまでにアメリカでプライムタイムに放送された優れたテレビ番組に送られる賞受賞です。
1シーズン完結型のNetflixリミテッドドラマシリーズのなかで最も成功した作品です。
*絶叫クイーン。
アニャ・テイラ=ジョイはアメリカのホラー映画ロバート・エガース監督の『ウィッチ』(2017)やM.ナイト・シャラマン監督の『スプリット』(2017)で評判になったことで絶叫クイーン(Scream queen)と呼ばれていました。
「ジョージ・ミラー監督と話し合った主な点は『怒りのデス・ロード』は3日間のロード・ムービーですが『フェリオサ』は叙事詩。
長い時間にわたる物語でその間にフェリオサをより深く知ることが出来る物語です、とアニャ・テイラー=ジョイはインタビューに答えています。
となみに『フェリオサ』は2024年5月24日に米国公開予定です。
それまでは「クイーンズ・ギャンビット」で美しいアニャ・テイラ=ジョイを楽しむことにします。
【鑑賞ガイド】
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😁😁😁😁😁:見事な作品。
😄😄😄😄:お勧めです。
😀😀😀:楽しめます。
😔😔:苦手です。
🥵:途中下車。
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【巷のうわさ】
Filmarks:(4.2)
Netflix
『クイーンズ・ギャンビット』制作舞台裏。