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わたしには主人はない、なぜなら、わたしはクイーンだから💗『エリザベス:ゴールデン・エイジ』
《乱れ撃ちシネnote vol.236》
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鑑賞日:2024年11月23日 Amazon Prime Video
24.11.23 (18)- ☆☆☆- 『エリザベス:ゴールデン・エイジ』 シェカール・カプール監督 2007年 イギリス
【Introduction】
1998年の作品『エリザベス』のその後のエリザベス一世を同じスタッフとキャストで描いた作品。
ケイト・ブランシェットほど女王がぴったり似合う女優はいない。
存在感が見事でただただ彼女に目を見張るばかりだった。
【物語の概要】
1585年。
イングランド国王の娘として生まれたエリザベス(ケイト・ブランシェット)は女王の座を手にしたものの、宮中では依然陰謀が渦巻き、外からは世界列強が虎視眈々と侵攻を狙っていた。
さらにスコットランドからは宿敵のメアリー女王(サマンサ・モートン)が逃亡してきて王位継承権を主張するなど、側近のフランシス(ジェフリー・ラッシュ)に守られながらも、心休まらない日々を送っていた。
そんな彼女の前に、新世界から帰還したばかりの航海士ウォルター・ローリー(クライヴ・オーウェン)が現われる。次の探検の費用をエリザベスから引き出そうと考えた彼は、宮廷に入り込んで、新世界の可能性を熱心に語る。
それは国外へ出たことのないエリザベスにとって未知の世界だった。
やがてエリザベスは、知性と野性を兼ね備えたローリーに惹かれていく。一方のローリーも、最初は資金目的の宮廷詣でだったが、だんだんエリザベスに特別な感情を抱くようになる。しかし未婚のまま国家と添い遂げることを誓ったエリザベスにとって、これは禁じられた愛だった。
そこでエリザベスは、侍女のベス(アビー・コーニッシュ)を自分の代わりにローリーに近づけ、彼を宮廷に通わせる口実にする。だがそのせいでローリーとベスは恋仲となり、やがて妊娠、結婚まで秘かに行っていた。それを知り、孤独感に打ちのめされ理性を失ったエリザベスは、ベスを遠ざけ、ローリーを投獄してしまう。
そんな折、エリザベス暗殺を指示したかどによりメアリー女王が処刑されたことがきっかけで、スペインの無敵艦隊がイングランドに攻めてきた。最初はイングランドの劣勢だったが、エリザベスは自ら兵士として戦場に赴き、イングランド軍を勝利に導くのだった。
【Trivia & Topics】
✥着想。
女王陛下の通り道にあった水たまりに、マントを投げかけて歴史上有名になった男、ウォルター・ローリー卿。エリザベスとウォルターのこの出会いからカプール監督は妄想をふくらませて創作まじりの歴史劇を創作しました。
✥続編。
成功した映画の続編が制作されて前作と同様に成功することはなかなかない。
本作はスタッフもキャストも前作『エリザベス』と同じということもあり映像的にも全く前作に遜色のない出来栄えです。
第80回アカデミー賞でアレクサンドラ・バーンが衣裳デザイン賞を受賞しています。
エリザベスはイギリス女王と言われていますが、正式にはスコットランド併合前なので厳密にはイングランド王国の女王でした。
当時のイギリスはヨーロッパ大陸から離れた島国で人口はウェールズを含めて300万の小国。1500万のフランスと800万のスペインが大陸で覇権争いをしていました。特にスペインは「太陽の沈まぬ国」と言われ旧大陸・新大陸に広大な領土を持つ帝国。
その時代にイギリスがスペインの無敵艦隊を1588年のアルマダ戦争(海戦)で打ち破ったことは前代未聞の大事件だったのです。
1558年から1603年までのエリザベス朝はイギリスのテューダー朝絶対王政の全盛期で、政治、経済、芸術の面でイギリスが発展した「黄金時代」とも呼ばれています。
本作では世界の頂点となりイングランドが歴史上最も輝いていたゴールデン・エイジを見事に映像に定着した豪華な雰囲気を堪能できます。
✥映画化されたエリザベス一世。
・『女王エリザベス』
1939年 アメリカ
監督:マイケル・カーティス
エリザベス:ベティ・デイヴィス
・『悲恋の王女エリザベス』
1953年 アメリカ
監督:ジョージ・シドニー
エリザベス:ジーン・シモンズ
・『ヴァージン・クイーン』
1955年アメリカ。
監督:ヘンリー・コスター
エリザベス:ベティ・デイヴィス
・『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(本作品)
2007年イギリス
シェカール・カプール監督
エリザベス:ケイト・ブランシェット
エリザベス一世を演じられるのはケイト・ブランシェット以外考えられないと思っていましたが、
31歳のときに『女王エリザベス』でエリザベスの晩年63〜68歳までの5年間を演じ16年後の47歳のときに『ヴァージン・クイーン』で再びエリザベスの晩年を演じたベティ・デイビスをぜひ観たいものです。
【鑑賞ガイド】
😁😁😁
~~~~~~~~~~~~~
😁😁😁😁😁:見事な作品。
😄😄😄😄:お勧めです。
😀😀😀:楽しめます。
😔😔:苦手です。
🥵:途中下車。
【巷のうわさ】
Filmarks:☆☆☆★(3.4)
Amazon:☆☆☆☆
u-next:☆☆☆☆★(4.5)
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