どんな人が好きなのか
7年前に亡くなった夫は、太っていた。
だからだろうか。夫のことを知っている人に、太った人が好きだと思われているフシがある。違う。「たまたま」太った人と結婚して、痩せてくれなかっただけである。はっきり言っておくが、私はデブ専ではない。
できればほどよく背が高く、ほどよく痩せている人が好みだ。とは言え、自分に厳しい人は苦手だ。痩せている人全てが自分に厳しいとは思っていないが、太っている人に比べたら、そういう印象であることは否めない。家ではだらだら呑気に暮らしたい。
太っている人が嫌いなわけじゃない。太った人と結婚したわけだから、是が非でも痩せてないとってわけでもない。筋肉モリモリ大きな人より、ぽちゃっとした感じの方が、自分に厳しくなさそうで心が安らぐ。とにかく、家には癒しが必要だ。
筋肉な人が好きじゃないと言ったけれど、それは自分大好きな人のイメージが強いからだ。ナルシストは自分に厳しい印象がある。しつこいようだが、厳しい空気は家に必要ない。穏やかに暮らしたいだけなのだ。
今はトム・ハンクスが好きだ。数年前に映画館で見た時、若い頃と印象が変わっていて驚いた。若い頃のトム・ハンクスは、血気盛んな印象で正直好みじゃなかった。今のトムは知的で柔らかめの雰囲気で大好きだ。
一時期は西島秀俊が好きだった。でも今はそうでもない。ドラマや映画の役の影響を受けやすいのかもしれない。ちょっと影のある役で、それがハマっていたら一気にマイ・フェイバリット・ピープルである。松重豊も好きだ。昔の豊ではなく、白髪の今の豊が好きなのだ。ほら、誰も太ってない。私は見た目で結婚したわけじゃないし、むしろ痩せている方が好きだし、夫には痩せて欲しかったので結婚してしばらくは健康的な食事作りに汗かいたものだ。結局、全く痩せる気がない夫に根負けした。結婚して家族になったからと言って、所詮は他人である。他人のために頑張れるのも2〜3年がせいぜいである。今は自分中心の暮らしで、自分のために時間を使い、メシをこさえる。適当でいいから気が楽である。
で、何が言いたいのかと言うと、私はひとりを満喫しているということである。再婚への意欲など、全くと言っていいほどない。最近「そろそろ付き合っている人でもいるんじゃ?」とか「再婚の予定は?」など聞かれるようになってきたので、ここでお伝えしておきます。毎日仏壇に手を合わせつつ、私はひとりで楽しく生きています。
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