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Mom has a pacemaker 030

 毎年、大晦日の夕方、スーパーの安売りに行くのが、母の楽しみだ。私も、カゴ持ちでついて行く。係の方が、値引きシールをはろうとすると、人がたかってきて、待ち構えている。知らない人同士で「○○スーパーはもう何もなかった」「△△スーパーは、カニが半値になっていた」と情報交換したりして、何か、見ているだけでも、お祭りみたいで、楽しいんだよね。
 一昨年は、妹も一緒に来て、いろいろと買っていた。
 それで、今回も「5時頃行こう」と、母・私・妹で約束をしていた。ところが、5時になっても、車で出かけた母が帰ってこない。妹が電話しても、出ない。「どうする?2人で自転車で行く?」「もう少し待ってみようか」等と話しをしていたら、6時頃母が帰ってきた。買い物袋2つと、段ボールを持って。「ごめん、ごめん。ちょっと様子を見に行ったら、もう皆並んでいたから、私も並んで買ってきちゃった。携帯もどっかに行っちゃって…(後に、車の後部座席の荷物の下にあった)。○○スーパーと△△スーパーにも行って来たよ」と、サラッと言うではないか。妹の頭から「カチン!!」と、火花が見えた。妹には私のが見えたかも知れない。
 でも、直ぐに気持ちを切り替えて、妹に「じゃあ、2人で行こうよ。◇◇スーパーなら、遅くまでやっているから、そっちに行こうか?」と言うと、母が「あっ、私も行きたい!」と言い、3人で車に乗り込んだ。すると、母が、「もう一回○○スーパーに行ってくれない?」と、先程たくさん買い込んだスーパーに行きたいと言い出した。まあ、時間もあるので、行ってみる。人がわんさかいた。皆、値引きシールをはる店員さんを囲んで、待ち構えていた。私はそれを「面白い光景だな~」と、眺めていた。
 こんな感じで、紅白が始まる頃帰宅し、お蕎麦を茹で始めた。
 こんな事が出来るのも、母が元気な証拠だな~と思う。