わたしのかたち


ずっとかたちは変わらない

変化とは、
自分では気がつかないものである

心臓の音を聞くことが好きな彼は
今日も半信半疑のまま夢を見る

昨日の彼女は優しかった
遠くからわざわざこの街に来たと言う

人生とは joy だ
と、わたしはそう教わった

わかってる、わかってるよ
いまも彼女のこと彼のこと
ずっと想っているもの

外が明るい
朝になったということ
あの子が憎い
お腹が空いてるということ
なぜだが悲しい
目ん玉が真っ黒に染まるということ


そんな毎日を過ごしてきたわたし

わたしのかたち

ずっと待っています

夜へと近づいていく時間が
名残惜しいと思える時を

これはむかしの記憶

こんな簡単なこと
ようやく気がついたのだ

有限である、ということに


lily

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