バレンタインに好きな人から貰うチョコレートの味
今日はバレンタインデー。
大人になり、社会人になり、結婚もしている僕にとって、2月14日はもうただの普通の1日。2月13日とも15日とも違わない、365分の1でしかありませんが
それでもバレンタインデーといえば、学生の頃は否応なく心が浮き足立つ、「特別な1日」だったことは間違いありません。
そんなバレンタインデーの時期になると、毎年必ず思い出してしまうちょっと恥ずかしいでも大事な思い出を今日はご紹介します。
中学2年生。14歳のバレンタインの「勝算」
それは僕が14歳で、中学2年生だった頃。
思春期ど真ん中の中学生男子だった僕は、照れ隠しなのかカッコつけなのか、バレンタインデーなんて興味ないと言って忘れているふりをしていました。それに周りの友達もみんなそんな感じだったと思います。
当時僕らの間では、「女子からチョコもらうなんてなんかカッコ悪い」という今思うとよくわからないムードが発生していて、とにかく必死に意識してないふりをしていました。
もちろんそれはみんな見せかけで、内心はドキドキしてたり期待をしている連中ばっかりだったろうし、もちろん僕もその一人でした。
それに当時の僕には、「今年は本名のチョコがもらえるかもしれない」というちょっとした「勝算」がありました。
きっと両想いな女の子
当時の僕には、同じクラスに好きな女の子がいました。
クラスで一番背が小さくて、クリっとした大きな目が印象的で、ちょうど肩に当たりそうな長さの髪の毛はサラサラで、吹奏楽部でパーカッションを担当していて、(パーカションという言葉もその子の影響で初めて知った。)おとなしそうに見えて実は強気な性格で、運動は苦手なのにスポーツは好きで、出身の博多の方言訛りがたまにでで、
その子の個性や感性の1つ1つがとても魅力的なことのように感じていました。
2年生のクラス替えで同じクラスで席が隣になり、何がきっかけというわけでもなくただただ自然に惹かれて、当たり前のように好きになった風に記憶しています。
そんな当時大好きな女の子でしたが
きっと、その子も自分のことを好いてくれているような、そんな気がしていました。
(もちろん自惚れではなく色んな確信的な出来事があった上で、です笑)
そういうなんとなく伝わる雰囲気ってたまにわかったりしますよね。
なんというか、お互い隠しているようで隠せてない気持ちが溢れていて、もうお互い両想いなのはわかっている。
あとはどちらかが勇気を出すだけ、、、そんなタイミングでのバレンタインデーだったのでもしかしたらこれは・・・という「勝算」を持って2月14日を迎えました。
カッコつけて張ったバリアー
ただ、普段からそんな雰囲気が伝わるほど毎日学校で喋っていたり、家ではメールを交わしたり(当時はちょうどEメールを中学生もみんなやり始めた時期だったので、まずは気になる相手のメールアドレスを聞くのが1つの大きなハードルでした)していたのに
バレンタインデーを意識していることを悟られたくない、思春期の中学生男子の僕はその日に限ってその子に心のバリアーを張り続けてしまいました。
それが伝わってしまっているのか、それとも、もともとそんな気がなかったのか、昼休みも、放課後も、そして最もチョコが渡される可能性のある部活帰りの下校時間でも
結局その日は彼女から何か手渡されることも、下駄箱の上にチョコや手紙が置いてあることもなく
数週間前から期待していた「特別な1日」は拍子抜けするほどあっさりと終わりました。
義理のチョコも美味しいけれど。
ちなみに好きだった女の子からは、その日チョコをもらうことはできませんでしたが
クラスの全員に配るような女の子からのありがたい配給チョコや、幼馴染からの義理チョコや部活のマネージャーさんなどからは頂きました。
貰ったものは、手作りのクッキーやマカロン、市販チョコレートなど色々でしたがどれもとても美味しかった。
ただその女の子とはほぼ毎日メールを交わしていたので、もしかしたら今日も来るかなと期待して、何度も何度も新着メール受信をセンターに問い合わせて見ましたが、結局その日はメールも来ることはありませんでした。
(前日のやりとりは、自分で終わっていたので、その場合はまた相手が返事をする。というのが二人の中の暗黙のルールのようなものがありましたので、こちらからはメールすることはありませんでした)
しかしなんとも不思議なもので、その「特別な1日」さえ過ぎてしまうと、あれだけガチガチに張っていたバリアーなどすっかりとけて
翌日はその好きな女の子ともまるで昨日の1日はなかったかのように朝から普通に会話を交わしていました。
その後放課後になって、部活のために教室で着替えの準備をしていると、その子がいきなり
「昨日はチョコレート、誰かから貰った?」
と唐突に尋ねてきたので、僕は少し驚いたけど、なんだか勿体ぶって
「まあ、ぼちぼちは。義理ばかりだったけどね」
そう答えると彼女は
「そっかー、、、本命はもらわなかったの?」
僕はこの後の展開に少しドキドキしながらも
「本命なんてくれる人いないよー笑 もしかして〇〇は誰かにあげたの?」
そう切り返すと、彼女は僕の質問には答えずにこう言いました。
「ふーん、じゃ本命なしはかわいそうだから、あたしからもチョコあげるね」
そう言って綺麗にラッピングされた小さな小包を手渡してきました。
1日遅れのその小さなプレゼントに驚いた僕は、気の利いた言葉も何も言えずに、ただ、
「おーー、あー、ありがとう‼︎ すごいねこれ」
なんてどうしようもない返しをすると、その子は
「うん、じゃあ部活頑張ってね」
それだけいうと、あっさりと教室からでていってしまいました。
好きな人からのチョコレートが一番のチョコレート
家に帰ってその小包を開けてみると
中には、はっきり手作りとわかる ガトーショコラ が入っていました。
中にはそれ以外、メッセージカードも何もなくて「勝算」に思い描いていたような、そんな「本命」のチョコレートどうかはわからなかったし、正直いってお世辞にも綺麗とは言えない形の、手作り感満載のガトーショコラだった。
でもその年に貰ったどんなチョコレートよりもそれは甘くて美味しくて、好きな人から貰うチョコレートの味をその時初めて僕は知ることができました。
娘にも教えておきたい、好きな子からの貰うチョコレートの不思議な味
余談ですが、結局その子とは3年生になった4月に少し大人になった僕の方から告白して、晴れてお付き合いすることになりました。
ちょうど別々の高校に進路が進んだことがきっかけとなり、その子はちょうど1年間という短い期間のお付き合いとなってしまったのですが
僕にとってのほとんど初めての男女交際で、好きな人から貰うチョコレートの味 以外にもその子には色んなことを教わりました。
その子は確か高校の途中でもともと地元の福岡の方に転校してしまったそうで、その後は一切会うことも連絡をとることもありませんでしたが
バレンタインデーになると、毎年やっぱり思い出してしまう、そんな恥ずかしくもあり忘れられない思い出です。
ちなみに結婚した今でも毎年、好きな人から貰うチョコレート味はやっぱり特別です。
今年は妻の手づくり「スタバ風スコーン」
妻にはぜひ、娘にも色んな「味」伝授して欲しい。
好きな人ができたらこんな素敵なプレゼントを男の子に渡してあげれるように。
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