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経験観察 〜チーム分けで余る〜

小学校時代の話。
体育のサッカーのチーム分けで、リーダー3人が順番に欲しいメンバーを取っていくようなスタイルになった。
すべてのチームが決まったらしかった。

めいめいグラウンドへ駆けていくみんなを見送った私は、先生のところに行かなくてはならなかった。

〜余っちゃいました〜

アメリカンジョークそのままのヤレヤレ顔。なんで言わないの?もっとはやく言いなさい。

〜それってムズくない?〜

女性教師の天の声。ちゃんと仲間に入れてあげなさい!

〜放課後なの?〜

おおらかな笑顔の強制力のお陰様で、めでたくすごい強そうな〜苦手な感じの〜チームの一員になった。廃墟の裏路地で割れた濃緑の瓶を無意味にもてあそぶ、腹を空かせた北斗の拳の敵にしかみえなかった。

〜イヤな予感がした〜

前半、奇跡的に運動神経のない私が、偶然にも奇跡的なアシストをもたらして得点した。外野も湧いた。
さすがに余っただけあって最低評価からの伸び代も大いに幸い〜災い〜したのだろう。すげーじゃん!やるじゃん!みたいないちばん苦手なノリの歓迎を受けた。やったことのないハイタッチも複数回する必要に迫られた。
腕まくりは必ず肩までせずにはおれないんだろう。猛者たちの目はギランと妖しく輝いた。

〜イヤな予感しかなかった〜

私の実力を買いかぶったチームメンバーから次々とパスがまわってきだした。私の無自覚な爪先にボールが触れた。
オウンゴールになった。

〜これがトランスなのかな..と思うほどパーフェクトなゴールだった〜

『だから入れたくなかったんだ〜!』
みたいなニュアンスの類義語がわんさか生まれた。歌詞ちがい指揮者不在..収拾のつかないワガママな輪唱大会みたいになった。先生はアラアラ〜みたいな顔をしてた。

〜30年経ったけれど、他にやりようがあった気がしない〜

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