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2024/10/27 (ライブの感想とひとふりのネガティブ)

 BUMP OF CHICKENのライブに行った。
小学5年生のときに好きになってから約10年経つが、ライブ参戦するのは初めてだった。
初めて申し込んだ前回のツアーは先行から最終まで全落して落ち込んでいたけれど、今回はプレ先行でアリーナが当たった。嬉しくて小躍り。

 グッズはブレスレットとぬいぐるみチャームくらいしか買っていなかったのだが、どうやらBUMPのライブではステッカーは必須らしい(誇張)。入口で配られる光るブレスレットをステッカーでデコる文化があるそうだ。参戦9回目猛者らしい隣の方が教えてくださって、なんと余ったステッカーをくださった。なんて優しいんだ………。話を聞くと隣の方も過去同じようにステッカーをもらった過去があるらしく、「自分も次は隣の人にあげようって思ってたんですよ」とにこやかな笑顔を浮かべていた。こういう幸せの連鎖に組み込まれるのが1番嬉しい。次の機会があれば私もそうしよう。

デコったよ
ニコルかわいい


 BUMP OF CHICKENの音楽から感じたのは、生きることへの希望だった。プレイヤー越しに聴いていたときには優しい肯定感くらいに感じていた歌詞が、ガツンと私の心全てを肯定してきて、「おい、生きようぜ!!!」と力強く腕を引っ張られているような感覚。
1度気づくと、全部の曲がそれを訴えかけてる事に気づいた。いったい私は何を今まで聴いてきたんだ。

 BUMP OF CHICKENが伝えたいことは「生きていれば、また会えるから」だと気づいたのは車輪の唄を聴いた時だ。ぼくの悲しみに対して君は楽しそうだけど、僕に会えなくなるのが辛くないわけがなくて。でもそう振る舞うのは、悲しみの中に、いつか絶対会えるという確証のない希望を微かに持っているから。それが叶うかどうか分からないけど、弱音を吐いたら叶わなくなるかもしれないから、叶うように、君はわざと希望を信じて疑わなかった。「約束だよ、必ずいつの日にかまた会おう」。この言葉が強く私の心を揺さぶった。
泣きそうになりながら歌声を噛み締めている終盤、脳裏にもう数年見ていないMVが流れ始めた。君と離れ離れになってから色づいていた日々とは一転彼女の世界は白黒になって、全てが君がいたときのように楽しめなくなったんだと思う。でも君とまた出会えてまたあの頃のように日々が彩られたことが最後一コマに示されていた。歌詞では君と別れて心にぽっかり空いた穴が埋められないまま終わるけれど、MVではそこが補完されていて、「今現実が辛くてもまた色づいた日々は来るから」と希望を与えられているような感覚になった。
普段聞いてる曲は、光っていた過去は過ぎ去ったし戻ってこないけど切り替えて歩いていくしかないねっていう根底を持っているものがほとんどだ。諦観に少しの希望。
だからあるかどうか分からない希望を絶対的に信じる彼らの曲は私の中に新鮮に響いた。

 ガラスのブルースを聴いた時も、今がどれだけ惨めかなんてどうでもいい、1秒も無駄にせずに全力で駆けろと言われているようで胸が熱くなった。私が産まれる前にできた曲がこうやって今私を救ってくれるのは不思議な感じだ。創作物って時空を超えてのメッセージなんだな。みんなで歌うの楽しかった。ありがとう。

 「君は今、どこにいるの。人生のどこにいるの」そう語りかける藤くんの言葉に、なりたかった自分と遠く乖離した今の自分が交互にフラッシュバックして苦しくなった。「人生のどん底でも、」と言った藤くんが、そのあと何を言ったかはよく覚えていない。「ここにいるよー!」と叫ぶ人達に囲まれながら、彼らが唄う希望を信じきれない自分に泣きそうになった。

 aurora arc以降新曲が出ても「あ~出てるな~」となんとなく聴いて終わっていたけど、なないろを聴いて最近の曲も良いなと思った。色々な苦悩を乗り越えてきた彼らが、嵐が過ぎ去った向こう側から「大丈夫だよ」と手を差し伸べているような、そんなあたたかい曲。

 曲についてめちゃくちゃ語ってしまったけれど、演出もBUMPらしい、宇宙をイメージしたもので最高だった。特に好きだったのはステージ上から客席に放たれる平たい光のビーム(伝われ)に雲の映像を映し出すものだ。ドームの中にいるのに、私たちの上を雲が流れていって、客席の星のように点滅するライトも相まって、本当にみんなで天体観測しているようだった。光で面を作ってそれに映像を映し出すって考えた人すごすぎる。壁がなくてもいつでもどこでも映画見れちゃうじゃん。遠隔操作で光るブレスレットがあることで、客席を見るのも楽しかった。


 でも、こうやってライブで自己肯定感を取り戻したとて、帰ったら居心地が悪い家庭が待っている。そしたらきっとまた不安定な自分に戻るし、それを治すことも出来ず希死念慮に苛まれる日々からは抜け出すことが出来ない。そんなことを考えてたら、さっきまで近かった4人のキラキラがずっとずっと遠くに感じられて、現実という重力でまた日常へと引き戻されていく。はやく今日からやってきて、あのときの心の色を教えて。
口数が少なくなったから、母から見たらきっとイライラしてるように見えただろう。本当は自分の不甲斐なさにずっと落ち込んでいただけなの。ごめんね。

 大切な人たちに何度でもまた会えるように、1歩1歩しっかり生きるか、とりあえず。

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