0.08
午後6時 家を出る 徒歩5分のコンビニへ向かう 住宅街の中央を通る道路の歩道 かけていた眼鏡を外す 世界は急に姿を変える 街灯や信号の光は玉ボケになる まるで一眼レフで撮った写真のように
自分にしか見えない世界 足元も、すれ違う人間の顔も何一つ見えない 何百回も通った道も姿を変える 自分一人が異世界へ飛ばされた気分に浸り 私は勇者になりきる
いっそこの世界に残りたい そう思いながらを眼鏡をかける コンビニに入りレジの前に立つ 支払いを済ませる さっきまでの夢見心地な時間から 一瞬で自分を現実世界へ引き戻す RPGの勇者でも、小説の主人公でもない こんな自分は嫌いなのに 今日も一日を生き抜いてしまった
はやく大人になりたい