ニドーネの方のアレ
ピピピッ、ピピピッ、ピッ……
けたたましく鳴る目覚ましを止めようと、目を閉じたまま腕を伸ばして探っていたら、音の方が先に止まった。
ぼんやりとした頭で時計の方を見やると、自分のものではない大きな手が、タイマーを止めたのを知る。その大きな手、程よく筋肉のついた腕に続く、整った顔立ち。
「…だれ…?」
私やってしまった? 昨日、そんなに飲んだっけな…とか、ぼやっと思い出そうとすると、
「時間は、まだ大丈夫」
と、ゆっくりと静かで心地の良いバリトンの声で言われ、その大きな手が、私の頭を優しく撫でる。そーか、まだ大丈夫ならいいか、と眠気に思考を遮断させると、腕が枕として差し出される。その胸に軽く頭をうずめると、暖かくて、少し甘い香り。
「もう少しおやすみ」
と、またその声で言うので。
「ん…おやすみ…」
-----
はっと目を覚ます。辺りに人の気配はない。妙な夢だったな。時計を見やると、9時を回っている。
「うげ! 遅刻じゃん!」
バサッと布団をどけると、どこかで嗅いだ覚えのあるような、ほのかに甘い香りがした。
-----
ますださんとネロ造さんが面白いのを書いていたので、便乗(お2人の作品は下記リンクより)。私はいい男のニドーネ💕(ニドネリーナの兄ちゃんだっけ?)で!
にどねりーなの薄い本
ますださん @sept_aberi
https://note.com/masuda_san/n/n714dd92351ad
『にどねりーな』
ネロ造 @nerozou666
https://note.com/nerozou/n/n13e3f4ff2d93