はじめてのおきもち

世間には気持ちが大きく揺れ動いたときに“お気持ちを表明する”という文化(?)があるらしい。(そうなの?)

いろんな人の“お気持ち”を読んできたけど、正直「よくもまぁそんなにたくさん思うことがあるなぁ。よく書くなぁ。」ぐらいにしか思っていなかった。

しかしこの度、なんとこんな自分にもお気持ちを表明するチャンスが巡ってきたのだ。本当は去年ぐらいにもそのチャンスはあったかもしれない。まぁそれはここでは良しとしよう。

・・・

茅原実里という声優アーティストをご存じだろうか。たぶんこのnoteを読んでいる人はほぼ自分の知り合いだけだろうから改めて説明は特にしない。知ってるよね?便宜上ここからは茅原実里=みのりんで統一します。

そのみのりんが毎年行なっている河口湖ステラシアターでのライブ、SUMMER CHAMPION。大人の事情で2度名称を変えながらも今年でなんと13年目だそうだ。自分は何を隠そう、その13年間一度も休むことなく全日程に参加した、いわゆる皆勤賞なのである。

しかしその皆勤賞も年内の歌手活動休止によって今年で打ち止めになった。


始まりは2009年。山梨県の河口湖でライブをすると発表があった。

それまでも1stツアーのContactや2ndツアーのParadeには参加していたがせいぜい地元レベル。もしくは夜行バスで関東に行くぐらい。そもそもどこよ!どうやって行くのよ!

恐る恐る高校のオタク友達に声を掛けてみたら行ってくれるって!やったー!

でもどうやって行ったか全然覚えてない。多分夜行バス。

ライブというもの自体、ほぼみのりんしか参加したことがなかったしましてや野外でライブなんて全く想像がつかない。

結果から言えば、めちゃくちゃ楽しかった。それ以外何も言えなかった。その時にSunshine flowerという曲で「la la la…」と会場にいる客で声を出す演出があったのだけど、それがもう楽しすぎた。こんなに楽しい空間があるのかと。何よりもステージ上にいる茅原実里が本当に心から楽しんでいるように見えた。あれ以来、自分の中で最も好きな曲はSunshine flowerとなった。今も変わっていない。

3年後のSUMMER CAMP(当時)で2年ぶりぐらいにSunshine flowerがセットリストに入っていた時に嬉しすぎて嗚咽が出るほど泣いたんだけどそれはまた別のお話。

のちのインタビューで、あのライブ以降自分のライブに対する意識が変わった。みたいなことをいくつかの媒体でみのりんが言っていたと思う。演者だけでなく、観客の自分も「あ、ライブってこんなに楽しんでいいんだ」とまだ18歳ながら気付かされた。

それから10数年。いつしか8月第1週目の土日は河口湖に行くのがお決まりになっていた。大学の授業も、アルバイトも、仕事も、そこだけは絶対に予定を入れないように。夏祭りの予定とか断ったなぁ・・・。

そんな夏の恒例行事が先日、一旦終了となった。飽くまで活動休止なので“一旦”終了。今年も例にもれず土曜と日曜の2日間参加した。

初日。泣くつもりで行っているから当然なんだけど、めちゃくちゃ泣いた。自分の夏はSUMMER CHAMPIONと共に始まり、SUMMER CHAMPIONと共に終わっていたから。もうこの景色に二度と会うことができないと考えれば考えるほど、涙が溢れて止まらなかった。目に、脳に、身体にもっと焼き付けたいのに。

でも、ステージ上にいるみのりんは違った。“いつもの”SUMMER CHAMPIONだった。もしかしたら心のどこかで泣きじゃくってまともに歌も歌えないような姿を求めていたのかもしれない。でもそれをプロとして、今まで積み上げてきたものの集大成として裏切ってくれた。

初日終演後のつぶやき。また来年もやってくれるって勘違いしそうだった。いや、来年まで勘違いし続けたい。

2日目は、どこか達観していた。1日目で泣き切って楽しむ方向に上手に心がシフトできたんだと思う。立ち禁のライブだったけどいつもの、今までのライブと変わらず楽しむことができた。ちゃんとSunshine flowerでは泣きました。

すべてが終わって、喪失感だけが残ると思っていたら意外とそうでもなかった。「今年の夏も楽しかったなぁ。」素直にそう思えたし、周りにいた友人たちもそう感じていたように見えた。やっぱり楽しいんだよ。ここで見る、ここで参加するライブは。終わりたくない。終わらせたくない。

最後のあいさつでバンマスのケニーが「ちょっとお休みして音楽的に何かが芽生えてきたら、またここでやろうよ。」と言っていたのがすごく心にしみた。“また”“ここで”やろうよ。河口湖ステラシアターという場所がいかにみのりんにとってスタッフにとってファンにとって大切な場所であるかがギュッと濃縮されていた。


いつ、もう河口湖でライブをやることは無いと実感するかはわからない。明日かもしれないし、来年かもしれないし、10年後かもしれない。それでも、この13年間の夏がずっと楽しかったことは忘れることは無いと思うし、実感すればするほど楽しい思い出がより色濃く刻まれる気がする。


おそらく年内活動休止までに行けるであろうライブはあと2回。年末のラストライブは何が何でも行きたいし、行かなきゃダメだ。

それが全部終わったら、今度はみのりんとの出会いと思い出を振り返ろうかな。


あれは2006年の年末・・・。長くなりそうだ。

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