見出し画像

生い立ちパズル こぼれ話 3

『生い立ちパズル』こぼれ話は 3で 終わりにします。
思い出していると きりがありません。
印象深いことだけ 残したいです。

次からは また 本編に戻ります。


 



嬉しい顔ができない

よく人から プレゼントをもらったりすると 内心、とても嬉しいのですが、表情に出せませんでした。
どういう顔をすれば いいのか わからないのです。
祖母は 当時 帽子のクリーニングを受け付ける仕事をしていました。
仕事というのか、
わたしには よくわからないけど
いつもハット帽を被ってくる紳士風のおじいさんがいました。

その方が 帽子クリーニングの仕事をしていて、祖母が お客さんとその方の仲介役をしていたのだと思います。

今 思い返すと、
帽子のクリーニング屋さんって 珍しいです。

そのおじいさんが
 引き取った帽子を 定期的に 受け取りに来たり、また 仕上がった帽子を持ってきたりしていたのです。

時に 夏には
アイスをもってきてくれたりしたのですが
ちっとも 嬉しそうにできません。

祖母が
「もっと嬉しそうな顔しなさい」
と言います。

ますます困って 顔が歪みます。

おじいさんが
「いいよいいよ。早く食べな」 
と 優しく言ってくれます。

嬉しそうな顔しなさい、
これは 何度か 言われました。

なんででしょうか。

 考えてみると、
今も あまり得意ではないかもしれないです。

子供の頃よりは ましですけど、
嬉しい顔ができないので
むしろ オーバーリアクションになった気もします。

プレゼントするのは好きなのに
されるのは どういうふうにしたら いいかわからないという感じです。

自分勝手です。

祖母の入信

祖母が 入信しました。
時に、集会に わたしも 連れていかれることもありました。

独特な世界です。

苦労した話、 辛い話の体験談を みなさん、涙ながらに 訴えて それを 偉い方なのかなんなのか、
慰めるような言葉をかけ、
みんなで 一斉に お経を読んだり。

これは ものすごく 落ち着かない空気感でした。

だけど、
朝夕、祖母が お経を唱える時間の空気感は 好きでした。
不思議です。
ゆらゆら動くロウソクの火、
線香の匂い、おりんの音、嫌いじゃないんです。




わたしは 今もずっと、無宗教です。


ナイフ

ナイフが好きでした。
 子供の頃は 鉛筆も 二つ折りのナイフで 削っていました。
 鉛筆を削る作業は ある意味 無心になります。

削っていると、木の香りもします。


だけど、
ふと 自分の手や腕も 傷つけたくなります。
わたしは 傷つけることは 最終的にできなかったけど その手前は よくありました。

どういう気持ちなのかわかりません。

チェーンレター

むかし、流行った『不幸の手紙』。

ある日、差出人のない手紙が 家の郵便受けに入ってました。

「この手紙を受け取った人は 〇日以内に 〇人に 同じ内容の手紙を出さないと不幸になる」

確か こういう内容だった気がします。


何度も読み返します。
少しだけ
「不幸になる」という言葉に 戸惑います。

でも、
書きませんでした。

こんなのわたしから 止めてやる!と思ってました。
暫く 何か大きなことが起こりやしないかと 心配もありましたが、
自分がきっかけで、
また 他の誰かに 不安を 繋ぐのは 絶対 避けたかったです。

それなら 自分が止めたかったんです。


結局、なんにも起こらず、いつの間にか そのことは忘れていました。

大人になった今も、
自分で選んでいきたい、と思っています。




こうして書き出していくと
いろんなことがあって 大変だったな、という気持ちにもなりますし、
また、本当に どれも大したことじゃなかったな、という気持ちにもなります。

孤独感と
よくわからない、とてつもない大きな使命感は 大人になるまであったように思います。

だんだんと、大人に対しての不信感を抱き始め、すべてに違和感を抱きます。
世界中に 違和感を抱きます。

 誰にも 話してはいけないんだ、と思います。
救けてくれる人はいないと 思います。

なので、 
ただひとり、わたしが何をしても
何を言っても
「みぞは 大丈夫」
と 理解してくれて、信頼してくれる存在を望んでいました。

どんなに わたしが無茶をしても
「みぞなら 必ず なんとかするから大丈夫」
と。

裏切らないようにがんばるから
そんな嫌な目をしないで、
ちゃんと微笑んでみてほしい。


 叶わないんですけど。


でも。
ただひとり、いたんです。

ひとりというか。
自身の中の『もうひとつ』。

もうひとつの存在は 
誰も信頼できないなら 自分が自分を信頼できる存在になればいい、と ずっと 言葉ではなく、存在として 教えてくれていました。

それに気づくまでに こんなに時間を費やしてしまいましたが。


今は 愛されていると感じています。
だから、
わたしも すべての命を愛せるようになりました。



次から また 『生い立ちパズル』本編の中学生時代に 戻ります。



いつも お付き合いくださって ありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?