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クマバチさん。

高校生の頃、友達と楽しく話す帰り道。分かれ道で 止まって まだ話す。

突然 友達が「あ!!」と わたしの左肩を見て 後ずさり。
ふと見ると 視界に入ってきたのは 大きなクマバチ。
今でこそ クマバチは怖くないけど 当時はまだ 怖いという印象だった。

そのまま わたしを置いて 逃げ帰る友達。
仕方なく「ばいばーい」と言って
首を右側に傾けたまま ひとり帰る。

家の玄関先で 祖母を呼ぶ。
「おばあちゃーん、ちょっと外出て来てー」

祖母が出てくる。

「蜂 はらってー」
と言うと
祖母は 
「蜂…?」

あ。いない。
いついなくなったんだろう。
結構 歩いて帰ってきたけどな。 

右に傾けた首を すっと元に戻して 真顔で家に入った。


どの時点でいなくなったんだろう、とか いなくなってからも 首傾けて歩く自分を 客観視して ひとり笑うのであった。



ヘッダー画像は 『t.koba』さんからお借りした美しいクマバチさん。

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