Nina Simon - It Is Finished(1974)
怖いイメージのあるニーナシモンですがこのアルバムはグルーヴィで楽器の音やバラエティに富んだサウンドが面白くそこまでトゲが気にならず比較的聴きやすいです。ただこの後、音楽業界やら社会が嫌になったらしく長らく在籍していたRCAを離れ半引退状態に入ったようです。
メンバー
ニーナシモン:ピアノ、ボーカル
アルシャックマン:シタール、ギター、ベース
ナディカマル:ママーライクンビ、タルヴィハ、マダガスカルハープ、クイニークナ
サムウェイモン:ボーカル(7)
ナディカマル(正しい表記かは分かりません)の楽器は聞きなれないものが多いので簡単に解説するとママーライクンビは親指ピアノ(カリンバ)をもとに両手全ての指で演奏できるように改良したものでオリジナルの楽器です。タルヴィハはシンバルのような楽器らしいですが調べても情報が多くないのでこれもオリジナルの楽器と思われます。マダガスカルハープは謎ですがマダガスカルと付いているのでマダガスカルの伝統楽器だと思われます。クイニークナはフルートのようなものらしいですがわかりません。ただネットで調べるとギニアに関する記事が多くヒットしたのでギニアの楽器だと思われます。
The Pusher
ゴスペル色の強いブルースナンバー。歌と喋りの中間のような力強いボーカルが印象的です。
Com’ By H’Yere - Good Lord
クラシカルなピアノが印象的なトラディショナルナンバー。段々と熱を帯びていくピアノとボーカルが印象的です。
Funky Than A Mosquiter’s Tweeter
アイク&ティナターナーのカバー。アフリカンなドラムやタンバリンによるミニマルながらもダンサブルなサウンドはDJの方が喜びそうなサウンドです。特に中盤はパーカッションジャムになっています。
Mr. Bojangles
フォークタッチでワルツ風のリズムが印象的なバラードナンバー。ジェリージェフウォーカーのカバーでキングカーティスを始めファンキーなミュージシャンが好んでカバーしています。個人的にはこのアルバムで一番好きです。タイトルのボージャングルとはニューオリンズ出身のビルロビンソンというダンサーのニックネームで歌詞はニューオリンズの刑務所でボージャングルのようなダンサーに出会った。ボージャングルより高く跳び舞いその落ちぶれていった話を聞かせてくれたという物語調のものです。
I Want A Little Suger In My Bowl
ジャジーなR&Bナンバー。ブルージーなギターが印象的です。
Dambala
シタールやママーライクンビを使ったエスニックな演奏ですがピアノや歌い方はジャズで違和感ないジャズバラードになっています
Let It Be Me
シャンソンナンバーで暖かみのあるオルガンをバックにソウルフルに歌っています。
Oneah Woman
カウベルやアフリカンドラム、タンバリンをメインにした素朴ながらもグルーヴィな曲
コネクション:The Nuru Taa African Musical Idiom Played By Nadi Quamar On The Mama Likembi
ナディがフォークウェイズレコードからリリースしたソロアルバムで全曲ママーライクンビのソロ(ただ曲によってはタブラのような音もする)。75年リリースとは思えない音質(もしかしたら盤起こしかもしれない)ですがカリンバとマリンバの中間の素朴で漂うような音色はどこか懐かしいような不思議なようななんとも言えない感覚になります。