ヘッドハンターズ
以前からハービーハンコックのヘッドハンターズ時代を体系的にわかりやすく解説している本やサイトがないなと思ったのでまとめてみました。アルバムのジャケットやブックレットのクレジットやライナーノーツやネットのインタビュー記事、ハービーハンコックの自伝、Discogs、ウィキペディアあたりが出典なので信憑性は保証できません。話半分で読んでください。
歴史
前史
ハービーハンコックのデビューは1962年のこと。その後ブルーノートでリーダー作を録音する傍、同レーベル専属のスタジオミュージシャンとしても活躍しさらにマイルスデイヴィスのグループに参加します。この頃のハービーのソロはまだオーソドックスなジャズで電気やファンクビートはまだ先の話です。転機となったのがワーナーへの移籍。1作目はビルコスビー制作の子供向けテレビ番組のサントラでTell me a bedtaime story他ソウルの要素も取り入れたキャッチーな曲が多いです。2、3作目は電化マイルスのサウンドをなんとか自分のものにしようとしているようなサウンドでビートはファンクのようなものですがファンクではない感じです。その後CBSに移籍。1作目セクスタントもワーナーの延長にあるようなサウンドですがリズムボックスを使ったり、よりベースラインをファンキーにしたりと自分のサウンドを掴みつつあるような印象を受けます。しかし高度な音楽は受けが悪くライブで観客が楽しんでいないこと、ある時自分のライブの前座を務めたポインターシスターズのライブを見て自分もこのような楽しい音楽をやりたいと思ったこと、損失が続いていたことなどを理由に路線変更を決意します。
ヘッドハンターズ結成へ
1973年ハービーはヘッドハンターズ(以下バンド)を結成すると同時に同名のアルバムをリリースします。メンバーはホーンのベニーモウピンはワーナー時代からの仲間。ドラムのハーヴィメイソンは数々のソウルやジャズファンク系の吹き込みに参加してきた新人ながらも経験は充分のミュージシャン。パーカッションのビルサマーズとベースのポールジャクソンは無名の新人ながらもベイエリアのバンドを渡り歩いておりその腕は確か。結果は100万枚を売り上げる大ヒットアルバムとなりました。次作ストラトではドラムがオークランド出身のマイククラークに交代。映画「狼よさらば」のサントラの一部もバンドでの録音と言われています。(クレジットがないので不明)75年リリースのマンチャイルドではギターでワーワーワトソンが初参加した他スティービーワンダー、ウェインショーター他多くのゲストミュージシャンが参加。同年に初のライブ盤がリリースされたりハービー抜きのバンド初のアルバムがリリースされるもののハービーのバックバンドとしては徐々に自然消滅していきます。
解散へ
76年のニューポートの追想では最後2曲でバンドが参加していますが初期メンバーはポールジャクソンとベニーモウピンの2人のみ。78年のサンライトではウェブスタールイスがサブキーボード奏者として参加。(このアルバムではヴォコーダーを使用しているためこの時期のバンドをヴォコーダーバンドと言ったりもします)そして本作がハービー最後のファンクアルバムとなります。余談ですがハービーはこれと並行でCTIにモダンジャズよりのフュージョンをフレディハバードと吹き込んだり、マイルスのスタジオ録音に参加したり、VSOPやったりチックコリアとデュオライブをやり、さらにセッションミュージシャンとして働いたり、その上毎年ツアーで世界中を様々なバンドと飛び回るというJB顔負けのハードワーキンです。
この後ハービーはジャズ色の一切ないディスコアルバム、ビルラズウェルと組んだヒップホップ、テクノ色の強いアルバム、ビルサマーズやワーワーワトソンといったかつてのミュージシャンと再び組んでジャジーヒップホップのアルバムをリリースしたりと最先端のリズムに挑んだアルバムをリリースしています。
ディスコグラフィー
ディスコグラフィーです。ソロアルバムはヘッドハンターズ在籍時かつ他のメンバーが参加していて同じようなサウンドのもののみを紹介しています。ソロやそれ以外はほとんど未聴なので追加していきます。
ハービーハンコック名義
ヘッドハンターズ-1973
ストラト-1974
デスウィッシュ(狼よさらばのサントラ)-1974
マンチャイルド-1975
洪水-1975(日本でのライブ盤。初めは日本限定リリース。CDはあるが未配信)
シークレッツ-1976
ニューポートの追想-1977(ヘッドハンターズはD面二曲、CDでは8、9曲目のみ)
サンライト-1978
ダイレクトステップ-1978(スタジオライブをダイレクトカッティング盤でリリースしたもの。CDはあるが未配信)
バタフライ-1979(日本人ジャズシンガー笠井紀美子と連名。ダイレクトステップと同時期に同じスタジオで録音。CDはあるが未配信)
ハービーハンコック(ヘッドハンターズ以外のファンクアルバム)
フィーツ-1979
MR.ハンズ-1980(一部はヘッドハンターズの録音)
ヘッドハンターズ単独名義
サヴァイヴァルオブザフィッテスト-1975
ストレイトフロムザゲイト-1976(ボーカルとキーボードが参加)
ソロ、それ以外
ポールジャクソン-ブラックオクトパス-1978(日本録音)
ポインターシスターズ-ザッツアプレンティ-1974
Love in them there hillesのみ参加。しかしこの曲がめちゃくちゃファンキーなのと上記のような経緯があるのでここで紹介します。ハービーとポインターシスターズはマネージャーが同じだったからか意外と共演経験が多いです。
メンバー
メンバーは以下の表にまとめました。はっきりとメンバーが決まっているわけではなく流動的なバンドなので誰がメンバーで誰がそうでないかは悩みましたが初期メンバー、複数のアルバムにクレジットがある、ハービーのアルバムには一枚のみ参加でもヘッドハンターズオンリーのアルバムにクレジットがある。ここら辺を基準にしました。あくまでも参考程度です。ワーワーワトソンはメンバーに入れるか迷ったので※付きで準メンバーとしました
他にもレイパーカーjr(g)、ジェイムズギャドソン(ds)、ジャコパストリアス(b)なども複数のアルバム、ライブに参加しています。
正直まだ書きたいことはいろいろありますが情報が足りなかったり、聴いていなかったりで書けないのでとりあえずこんな感じでまた書き足していこうと思います。次回はキャノンボールアダレイの予定ですができるかな…