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Quincy Jones - The Birth Of A Band Vol.2(1984)

 本作はThe Birth Of A Bandからもれた未発表曲集。最近の未発表曲集というとオリジナルアルバムと抱き合わせの場合が多いですが、未発表曲まで買う人なんてだいたい好きですでに持っている場合が多くて無駄ではないかと感じてしまいます。なのでこうして未発表分だけバラで出してもらえるのはありがたいです。これが販売された80年代のクインシーというとブラコンプロデューサーとして売れっ子だっただけに、買って聴いて間違えたと思ったリスナーと発掘音源とはいえ久々にクインシーのジャズを聴けることに喜んだリスナーにきれいに別れたのではないかなと思います。なお今回はオリジナルアルバム収録曲の別テイクに関しては違いだけを簡潔に書いているので先にこちらを読むとわかりやすいと思います。

ハリーエディソン、アーニーロイヤル、ジョーロイヤル、フレディハバード、ジェリーカイル:トランペット
クラークテリー:トランペット、フリューゲルホルン
ビリーバイヤース、ジミークリーブランド、アービーグリーン、トムミッチェル、メルバリストン、クエンティンジャクソン、アイクピアソン、カーティスフラー:トロンボーン
フィルウッズ、フランクウェス:アルトサックス
ジェロームリチャードソン:フルート、アルト、テナーサックス
バドジョンソン、サムテイラー、ズートシムズ、ベニーゴルソン:テナーサックス
ダニーバンクス、サヒブ̪シハブ、オリヴァーネルソン:バリトンサックス
ジュリアンワトキンス:フレンチホルン
モーウェクスラー、パットボウン:ピアノ
ケニーバレル:ギター
レススパン:フルート、ギター
ミルトヒントン:ベース
オシージョンソン、サムウッドヤード、チャーリーパーシップ、ドンラモンド:ドラム
ジミークロフォード:パーカッション

Moanin'
オリジナルテイクと似たような演奏です。

Happy Faces
オリジナルではトロンボーンがメインでしたがこちらではトランペットがメインとなってテーマを奏でます。チャーリーパーシップのハードにスウィングするドラムがカウントベイシー風です

Daylie Double
オリジナルではバンドアンサンブル重視でしたがこちらではフランクウェスのフルートやサヒブ̪̪シハブのバリトンサックス等をフィーチャーしています

Choo Choo Ch'Boogie
ルイジョーダンのカバーでシングルでのみリリースされていた曲。列車の走行音や汽笛を模した演奏が楽しいです。

Syncopated Clock
リロイアンダーソンの曲。時計のチクタク音を模したリズムがコミカルな一曲です。前曲と合わせてクインシーが早いうちから広い視野を持っていたことをうかがわせる選曲です。

A Parisian Throughfare
オリジナルでは収録されなかったパリ録音の内の一曲。バドパウエルの曲で豪華なスウィングとバップ的な豪快なソロが印象的です。

The Midnight Sun Will Never Set
オリジナルよりもテンポを落としたドリーミーな演奏が美しい一曲。ソウルフルなギターも素晴らしいです。

Marchin' The Blues
マーチングのリズムを使った勇ましくもどこかコミカルな一曲。

G'wain Train
パットグウェンの曲で彼のピアノとホーンを対位からフィルのアルトソロへの流れが印象的な曲

Pleasingly Plump
カウントベイシーのために書かれた曲でミュートトランペットとフルートの対位からフレンチホルンソロというクインシーらしい楽器配置です。

The Preacher
ホレスシルバーの曲でワウワウトランペットやバリトンサックスがコミカルな一曲。タンバリンや拍手によるバックビートも力強く最後はヤ―!の掛け声で終わる底抜けに明るいファンキージャズです。