組込みソフト技術者がワーケーションについて調査した内容をまとめてみた(part3)MaaSから見るワーケーション
こんにちは溝口翔太です。
大好評の図解ワーケーションですが、今回はpart3ということで少し毛色を変えて、ここ2~3年で流行っているMaaS(Mobility as a Service)とワーケーションの類似点について紹介しつつ、MaaSとワーケーション親和性がとても高いといことを理解していただければと思います。
part1、part2をまだ見ていないという方、是非以下から内容ご確認ください。一度見たよという方も復習のためお時間ある方は是非ご確認ください。
MaaS(Mobility as a Service)とは?
そもそもMaaSを知らないという方もいらっしゃると思いますので、まずはMaaSについての説明をさせていただきます。
Mobiloty as a Serviceのそれぞれの単語の頭文字をとったものがMaaSになります。
Door to Doorの移動を単一のユーザIFからマルチモーダル+サブスクリプションにて提供するというのが基本概念になります。
大きな特徴として、経路探索、決済機能、それにかかわる個人認証や、各インフラの事業者など多くのステークホルダによって、ユーザ体験を提供する巨大なエコシステムであるということが挙げられます。
MaaSとワーケーションの4つの類似点
MaaSとワーケーションユーザー体験としては全く異なりますが、非常に多くの類似点があります。
今回は以下4つの観点からMaaSとワーケーションの類似点について説明してきたいと思います。
・ビジネスモデル
・設計観点
・他産業との相性
・地方創生
ビジネスモデルにおける類似点
書籍[MaaS モビリティ革命]にも記載がある通り、MaaSは巨大なエコシステムの上にて成り立ちます。
以下にMaaSとワーケーションそれぞれに対して構成するサービスや要素技術を配置した図を示します。
MaaSは移動に関するサービスになりますが、ワーケーションは移動に加え宿泊や現地での体験プログラムなどが関係してくるため、MaaSよりも巨大なエコシステムになることが想定されます。上記には記載していませんが、ワーケーション先の飲食店や、食事の配送なども関わってきます。
設計観点での類似点
MaaSは元々Door to Doorの移動をマルチモーダルかつシームレスに実現するための手段です。
ワーケーションについても同様の考え方が必要です。
但し、ワーケーションの場合は移動の前後にワーケーションのマッチングや、ワーケーション先での仕事や観光、日常生活があるため、そこまで含めたシームレスな設計が必要になります。
ワーケーション×MaaSでユーザ体験を最大化することできる。
(Beyond MaaSの世界)
他産業との相性における類似点
MaaS Tech Japan代表取締役の日高洋祐さん他3名が著者の[Beyond MaaS]に記載がある通り、MaaSはBeyondつまり、移動の最適化だけではなく、他の産業と結びつき、より多くの付加価値を提供することができる。
ワーケーションも同様に、単純な交流人口の増加ではなく、ワーケーションによる人の交流から新しい産業の創出や、空き家の活用による地域の課題解決など、多くの付加価値を提供することが可能です。
ワーケーションは人と人、人と地方をつなぐためのPF。
そのためそのつながりを活用し、地方の課題解決や新し産業創出など無限の広がりが期待される。
地方創生の切り札という点での類似点
切り口はそれぞれ異なるが以下それぞれの観点から地方創生の切り札としての期待感が高い
MaaS ⇒ 地方での持続可能な移動手段としての期待(*1)
ワーケーション ⇒ 地方への人の流動促進と経済循環の期待
(*1)ルーラルMaaS、地方型MaaSについては[MaaS 入門 まちづくりのためのスマートモビリティ戦略](著:森口将之さん)の8章を参照ください。
まとめ
MaaSとワーケーションは類似点が多いです。
そのためMaaSで得られた知見の多くはワーケーションにも適用可能。
また、ワーケーション×MaaSの親和性も高いためMaaSの資産を活用し、ワーケーションの普及を素早く進めていくことが期待されます。
次回の投稿は3/25になります。
内容は現在検討中ですが、ワーケーションする上で課題になりそうなことを挙げてみる、もしくは以下の記事で取り扱ったワーケーションする人の属性に応じた相性早見表を掘り下げるかどちらかにしようと思います。
その他リクエスト等あればコメントください。
また、要望があれば現在投稿中のワーケーションに関する内容の解説を中心に意見交流会の実施を検討しています。興味がある方コメントお待ちしています。
参考文書
MaaSについて興味のある方は以下筆者おススメの3冊を挙げさせていただくのでご一読ください。
MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ
MaaS関連の書籍で最も有名な書籍。MaaSの説明や、世界での動向がわかりやすくまとめられています。
MaaS入門: まちづくりのためのスマートモビリティ戦略
海外の事例を中心に、街づくりの観点からMaaSについてまとめられています。
移動革命: MaaS、CASEはいかに巨大市場を生み出すか
MaaSが実現する世界について、様々な観点でまとめられています。