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JBL C-38 Baron

出会いは7年ほど前になります。

少し話は長くなりますが、Rogers Studio3を修理のはずだったのが改悪されてしまって、どうしようと悩んでいた時に、友人エンジニアからJBL LE8Tをもらいました。屋根裏で放っておかれたコーンエッジがボロボロになったもので、とりあえずその状態でも音が出ましたがきちんと直そうと思い立ち、ネットで色々探してJBLが得意とあったケンリックサウンドが目に止まりました。

あまりお金をかけたくなかったこともあり、エッジの修理だけお願いしました。中の吸音材などは自分で交換をして、有名なLE8Tが完成! でもどうしてもうまく鳴らすことができず、特に床置きだとチェロのウルフ音のような200Hz前後のピークが出てしまい、かなり困りました。半年くらい色々トライしたでしょうか…

初めてケンリックサウンドへLE8Tを持ち込んだ時に、私の大好きなミッドセンチュリー系デザインのBaronに目が止まり、完全に恋に落ちました。(笑) LE8Tはサンスイのキャビネットだったと思いますが、やや日本ぽい家具調、それに比べて重厚かつモダンな印象のBaronは佇まいが全然違いました。

もちろん聴かせて頂きましたが音よりも見た目に参ってしまってw、心の中ではほぼ買う気満々でした。LE8Tの修理中いても経ってもいられず、結局はBaronを購入しました。

購入したBaronはケンリックサウンドお得意の全てオーバーホール、リビルドされているもので、D103はデッドストックされていたものでリコーン、075ホーンや脚はピカピカに磨き上げられメッキし直し、マグネットは再着磁、ネットワーク等もケンリックサウンドオリジナルに変更されていて、非常にスピード感あふれる音です。JBLの歴史にはあまり詳しくはないのですが、フルレンジとして開発されたものでしょうか?現代の能率の低いスピーカーとは違って、低域のスピード感は素晴らしいものがあり、ドラムのキック、ウッドベースなどは存在感が違います。

BaronのそばにあったMcIntosh MC240も一緒に購入しました。w(二つでかなりの金額でした…) LE8Tもそうですが、この頃から巷で有名なオーディオを少しずつ揃えることとなります。有名、名機と言われる所以は何だろうという興味がいっぱいで、現在も古い機材はどんな音がするんだろう、というのが原動力になっているようです。

ただ、一つ問題が…

私の試聴方法はかなり小音量です。弊社に遊びに来た友人も、こんな小さな音でオーディオの音わかるの?音楽わかるの?と言われますが、わかるのだから仕方ないですよね。(笑) スタジオでは嫌というほど大音量で聴いていることも多いので、音楽を楽しむには自分の好きな音量でありたいです。

それはBGM+α程度の音量で、他の仕事もできるし音楽にも集中できる塩梅な音量です。

JBL Baronと修理が終わったLE8T、スピーカー2台体制となりましたが、前記のようにLE8Tがどうしてもうまく鳴らせないのは困りました。Baronというリファレンスになるスピーカーもありますし同じJBL同士ですから同じように鳴るはず、と思って吸音材の量などを調整したり数少ないアンプを変えたりとしましたが惨敗でした。
そして、LE8Tは私には手に負えずと思い、提供元の方に許諾を得てまた違う友人エンジニアの元へ旅立って行きました。彼もかなり苦労したと聞きましたが、最終的に送信管系シングルアンプで良く鳴っているそうです。アンプを選ぶスピーカーだったようです。

実はBaronも個人的にはあまり良い鳴りをしていませんでした。MC240を購入した時は同じMcIntosh C-33をアメリカから購入して楽しんでいましたが、音量を上げないと良いバランスにならないのが一番困りました。会社は賃貸マンションですから音量を上げることは難しいわけで、パワーアンプは多分10種類、プリアンプ5種類くらい試したでしょうか… 能率が良いので1Wのモノラルアンプでも鳴らしたことがありますがどれも満足できず、最終的にMarantz7を購入してもダメか…と、Baronを手放すことまで考え始めたのが2024年です。

音楽之友社「stereo」11月号にあった直熱三極管特集を読んで、今まで手を出さなかった300Bシングルを購入してやっと自分の音を手に入れた感じです。(このお話はまた後日)今ではBaron手放さなくて本当に良かった、と毎日思っています。w

Baron、能率が103dBほどと表記されていたと思います。もちろんネットワーク等で数値は変わるのですが、最近教えてもらったのは、当時の測定方法が50cm、現在は1mなので数値から-6dBを引かなければいけない、ということです。なので97dB程度かな、と思いながら、それでもかなりの効能率です。

スピーカーとアンプの組合せ、自分の試聴スタイルではとても重要なファクターだなと、実感する今日この頃です。

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