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こころの 芽

〈サンビアのこどもたち〉

そこはHIVで苦しむ人々が集まっている地区だった。
ほとんどの子どもたちが両親を亡くし、残され、祖父母が面倒見ている状況だ。
そこで暮らしている子どもたち。
親を失くした小さなこどもたち。
それでも、一瞬だけでもそんな状況を忘れて笑顔を見せてほしかった。

だから、足をまず撮った。
足が一番表現していたように見えたからだ。
彼らの生活を現していた。

子どもには言葉は通じなくても遊ぶ心は共通だ。
だから自分も子供の心で、中に入って一緒にかくれんぼをして遊んだ。
仲間に入れてくれた。
そこには響き渡る笑い声が待っていた。

子供の心は言葉を超えている。
状況を聞かなくても苦しい心は苦しむ顔、悲しい心は哀しむ瞳。
それでも楽しみを伝えてくれる力を知ると、この子たちの本当の苦しさ、哀しさを知らない自分の心が痛くなった。

だからこの子たちと遊ぶのは言葉を超えた、心を通わせる場面だった。
みんながかわいくて仕方なかった。
そして自分がガンでここまでやってきたその気持ちをさらに勇気づけてくれた。


みんなと別れたあと、ただ泣いている自分がいた。

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