ステップファミリー 「相手の子を、歳の離れた弟・妹だと思うと、良い関係が築けるよ」
多様な家族の形に関心があることから、先日、以下のような本を読んだ。
このうち、ステップファミリー(親の再婚などにより継親子の関係が生じた家族)について、最近、友人からユニークな意見を聴いたので、ここに記しておきたい。
連れ子は弟・妹のように育てる
『ステップファミリー 子どもから見た離婚・再婚』 (角川新書、野沢慎司・菊地真理著、2021)で、著者は
「継母・継父が、無理に相手の子どもの”本当のパパ・ママ”のように振る舞ったりしなくていい」
と主張している。
日本人は、全般的に「普通にならなきゃ」という意識が強い。そして、現代日本では、血の繋がった父・母がそろった核家族こそ「普通の家族」だという風潮が強い。
そのため、ステップファミリーにおいても、継母・継父が「本当のパパ・ママのようにならなければいけない」という強迫観念を抱きがちだ。
それが逆に子どもにも親にも多大なストレスを与え、家庭を崩壊させるきっかけになることがある。
先日、ある友人とオンライン飲み会をした。その際、互いの家族の話になったので、僕がこの本を話題に出した。
すると、彼は「実は僕も、シングルマザーの女性と付き合っていたんだけど・・・」と述べ、「自らの経験則だが」という但し置き付きで、
「相手の子どもを、歳の離れた弟・妹だと思うと、良い関係が築けるよ」
と語った。
ほかにも沢山の話題のある中での会話だったので、これ以上、彼から詳しい話を聞くことはできなかった。
だが、なんだかこの意見が気になり、オンライン飲み会の後、自分でも少し考えてみることにした。
子どもと弟・妹の違い
「子ども」と「兄弟姉妹」だと、そもそも何が違うのだろうか?
まず挙げられるのは、兄弟姉妹には養育の義務はないことだろう。
もちろん、可能な限りで面倒は看る必要はある。でも、最終的な責任はない。
日常的な感覚でもそうだが、これは法的にみてもそうらしい。インターネットで調べてみたところ、
「兄弟姉妹間の扶養義務は、夫婦間及び親子間などと異なり、余力がある限りで(自己の生活を犠牲にすることがない程度に)、困窮する者を扶養する義務であるとされている」(旭合同法律事務所)
とある。
また、親子の場合、「この子は自分の血を直接受け継いでいるんだから」と、子どもをどこか自分の分身のように捉えてしまう傾向がある。
他方で、兄弟姉妹の場合、家族ではあっても、「ゆくゆくは違う人生を歩むんだろうな」という、「お互いが違っていて当たり前」のような感覚がある。
これらを考えて言えるのは、兄弟姉妹だと思うと、少し距離感を取って付き合えるということだ。そして、それはまた、「相手への期待を変に抱かなくて済む分、相手が自分の思うような存在でなくても、許しやすい」ということもあるかもしれない。
実際に継母・継父になるなら、法的には扶養の義務が発生する。なので、完全に弟・妹のように扱うわけにはいかない。
ただ、僕の友人が言いたかったのは、「あんまり気負わず付き合ったほうがいいよ」ということなのだろう。
「弟・妹のように」というのは、ひとつの比喩だが、なんだか血の通ったイメージの膨らませ方ができて、面白いなあと思った。
これが連れ子への最良の関わり方なのかはまだ分からないが、心に残る言葉だったので、noteに記しておきたい。
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