【アート関連備忘録】タイガー立石
ほぼ毎日投稿20日目。
ここ最近の傾向として、日曜日の夜になると、アート関連のことについて書きたくなるようです。
ということで、今回は、タイガー立石(1941~1998)について。
先日のnoteで、お気に入りの絵本として、『すてきにへんな家』という本を紹介したのですが、その本の作者がタイガー立石。
この記事をきっかけに、改めて、「タイガー立石さんの作品、面白くていいな」と思っていて、「そういえば!」と、昨年(※2021年6月)NHKのテレビ番組「日曜美術館」でタイガー立石特集をやっていたのを思い出し、奇跡的に録画したものが残っていたので、今さらですが視聴しました。
この番組では、昨年~今年1月まで開催されていた「大・タイガー立石展」をベースに、タイガー立石について紹介。
「絶えずアナーキーでいたい。そうやっている時が、自分を一番正しく保てる状態なんです」という思いを持っていた彼は、
・立石紘一(本名)
・タイガー立石(漫画家、イラストレーターとしてのペンネーム)
・立石大河亞(絵画・彫刻)
と3つの名前を持ち、画家・ギャグ漫画家・イラストレーター・絵本作家・彫刻家として、多方面で活躍します。
作品の発想やクオリティはもちろんすごいのですが、この番組を見て一番驚かされたのは、タイガー立石の「絶えず変化を求める姿勢と行動力」。
画家からギャグ漫画家に転身し、漫画家として上手く行きはじめると、
と、イタリア語も話せず、知り合いもいないなか、イタリアのミラノへ移住。
さらに、イタリアではイラストレーターとしての仕事もこなし、イラストレーターの仕事が軌道に乗ってくると、
と、ミラノで培った仕事を一切捨てて帰国し、千葉県の人里離れた民家で暮らす…と、なかなかユニークな選択をします。
「常に変化を求め、普通であることに満足しない」生き方は、挑戦の連続で、エネルギーがとても必要なこと。「そんな生き方をしてみたい」と思っても、実際にできる人は、そう多くありません。
でも、だからこそ、タイガー立石の作品には、独特のユニークな世界観や、見る人を惹きつける魅力があるのだと感じました。
また、ものの見方を変えてくれる不思議な力も。
そして、この番組を見ていて、いつか自分も文章でこんな世界観を表現できたらいいな、と思いました。
見る人の心をクスっと和ませる…目指したい&表現できるようになりたい世界観です。
ちなみに、番組内では、タイガー立石の作品集『TRA(トラ)』にも触れられているのですが、「TRA」を逆から読むと、「ART(アート)」になる言葉の仕掛けも。
値段がちょっと高いのですが、こちらの作品集もいつか見てみたいと思いました。
そして、素朴な疑問が一つ。「タイガー立石」の「タイガー」は、本人が寅年生まれだから…らしいのですが、本人の生まれた1941年は調べたところ巳年。タイガー立石のペンネームを使いはじめた1965年…も巳年。寅年生まれがどこから来ているのか、ちょっと気になりました。
ものの見方を変えたい時や、ちょっと不思議な世界観に浸りたい時、ぜひタイガー立石の作品に触れてみてください。
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PS.記事画像のウラ話
画像作品:立石大河亞「富士ハイウェイ」(1992) 森美術館
先日、森美術館で実物を見てきました。
トラックは、どこから来て、どこへ向かうのか―。
どっちが天でどっちが地か…見ていると、天地がひっくり返るような不思議な感覚になるステキな作品です。大胆な構図も魅力。