水の空の物語 第1章 第4話
なんて、きれいなんだろう。
風花はまっすぐに想った。
枝に隠れてよく見えないが、彼は西洋の神話のような白い服を着ている。
その周りはきらきら輝いていた。舞いあがる水が、彼を包むように踊っているのだ。
まるで、護っているようだった。
ふしぎなふしぎな風景だ。……そして、そばにいるだけで浄められる気がした。
泉のような色をした澄んだ瞳。うれしげに水面を見つめる表情。
流れる水のような淀みのない仕草。
まぶしくてまぶしくて、目が離せなくなった。
人じゃ、ない……?
幻みたいにきれいで水に護られて、例えるなら精霊……?
舞うような水がまぶしくて、風花は目を細める。
きらきらは風花の夢だ。
魅きよせられるように動けなくなった。
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