台湾・台北の「マンガ状況」が分かるスポット
先日、台湾に2泊3日で行って来ました。
台湾で日本の漫画が支持されているという話は、時折耳にしていましたが、それを肌身で実感できる時間でした。
台湾・台北の「マンガ状況」を理解しやすい場所などを紹介していきます。
▼よかったカフェはこちらの記事をご覧ください。
■漫画の本屋+ギャラリー+制作スペース
台北駅から徒歩で約5分のところにある「台湾漫画基地」(臺灣漫畫基地 Taiwan Comic Base)は、漫画好きにはぜひ訪れてほしい場所です。
1階は漫画の本屋、2階は漫画のギャラリー、3階は漫画作成のための制作スペース、とビルがまるごと漫画スペースとなっています。
行政がサポートしているようです。
1階の本屋には日本作品も多数置かれていました。
いわゆる大ヒット作品よりも松本大洋さんの作品などが目立つ印象だったので、よりクリエイター向けの書店なのかもしれません。
こちらの書店で入手したのが、「開拓極短篇 原創大賞」受賞作品のアンソロジー本です。
「開拓極短篇 原創大賞」は、4ページ漫画限定のコンテストのようです。
作品はどれも中国語だったので正確には内容を理解できていませんが、
かなり日本漫画に影響を受けている様子を感じ取れました。
台湾の話からは逸れてしまいますが、
「4ページ漫画限定のコンテスト」という点において、川崎市高津区で私が取り組んでいる「まちのマンガ企画室」と共通するコンセプトとなっています。なんだか心強い仲間を海外で見つけたような気持ちになって嬉しかったです。
■漫画喫茶でも日本漫画は充実
上記の「台湾漫画基地」から徒歩3分くらいの場所にある「Qtime 京站店」はインターネットカフェと称していましたが、日本で言うところのマンガ喫茶でした。
約350円くらいで1時間、フリードリンクと共に過ごすことができます。
日本の漫画もかなり充実しています。私が読んだことのない作品も置かれていました。
■まるごと「すみっコぐらし」のセブンイレブン
たまたま通りかかったセブンイレブンが、店全体を「すみっコぐらし」で装飾されていて驚きました。
外観からカフェスペースまで壁や天井が「すみっコぐらし」仕様になっているのです。
まるで「すみっコぐらし」ショップのようです。
一時のキャンペーンなのか、恒常的に「すみっコぐらし」仕様なのか調べられていませんが、
日本コンテンツがここまで浸透しているのか…と味わい深いものがありました。
■書店チェーン「誠品生活」でも日本漫画は充実
日本にも上陸したことで知られる「誠品生活」の南西店に足を運んでみました。
漫画コーナーは日本の書店同様なかなかの充実ぶりです。
ここでもやはり日本漫画は充実していました。
大ヒット作品はもちろんのこと、「この作品が平積みされてるのか」と感じるものもあり、その浸透ぶりを改めて実感できました。
面白かったのは、作品名は中国語に翻訳されているのですが、
作者名は日本語表記のまま、ということです。
ひらがな、カタカナもそのまま使われています。
漫画家へのリスペクトの現れなのでしょうか?
なんとも興味深いです。
■ガチャガチャは日本語がそのまま
街の至るところで見かけるガチャガチャ(カプセルトイ)にも「東京リベンジャーズ」など日本発コンテンツが多数ありました。
日本コンテンツとそれ以外のコンテンツの割合が半々くらい、という印象です。
驚いたのは日本コンテンツは、ディスプレイに日本語がそのまま使われているということです。
上記の漫画家名の表記と同様、日本語に対する憧れのようなものが関係しているのでしょうか。
■現代アート美術館にもマンガの影響を感じる
いわゆる漫画、ではないですが、
台北の現代アート美術館「台北当代芸術館 (台北當代藝術館)」の物販コーナーも漫画の影響を感じられるグッズがいくつも置かれていました。
時間がなくて展示までは観られなかったのですが、
その際の展覧会は、画像生成AIがテーマだったのも興味深かったです。
日本の現代アート美術館よりも、かなりポップカルチャーへの近しい距離を感じる空間でした。
上記の美術館から徒歩5分くらいのところにあるギャラリー「A4畫廊Tokyo」は、日本のポップアート展示を頻繁に開催しているようです。
■国立漫画博物館
台北駅からは距離があったので行けていないのですが、国立漫画博物館があることも非常に興味深いです。
以上、だいぶ駆け足になりましたが、
台湾・台北の漫画事情がわかるスポットを紹介してみました。
あくまで2泊3日の旅行で、リサーチ目的で訪問したわけではありません。
したがって私の思い込みの域を出ないところもあるかもしれません。
ただ、それにしても、日本マンガの浸透ぶりは予想以上だったのは確かです。
昨今、「マンガ」「海外」となると、どうしても韓国に目を向けがちではありますが、
共に手を組むという観点からすると、台湾にもっと意識を向けたほうがいいようにも感じました。
中国に進出していくにしても、台湾を経る、というルートもあるのではないか…と。
これまた雑感ではありますが、
マンガ編集に関わる者として、今まで以上に台湾に注目し続けていきたい!と思っています。
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