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どみこ 

5月24日、ドミコを観に行って来た。

知ってますか、ドミコ。ギターボーカルさかしたひかる、ドラム長谷川啓太、二人組のロックバンドなんですけどね。

間違いなく日本で、いや世界で今一番ライブを観るべきバンドなのですよ。

いまさらながら感想をまとめていきたいと思います。たいへん、いまさらながらですが、、、、


(以下、セトリネタバレあり!!注意されたし!!)









まず入場して目を引いたのがこれ。


Change WAVEが完全にドミコに侵略されていた。
何度も来ているハコだが、ここまでやるアーティストは初めてだ。早速テンションがあがる。
場内BGMではニールヤングの"Hey Hey,My My"がかかっていてさらにテンションがあがる。


定刻で暗転し、おなじみのSE、King Crimsonの"Easy Money"が爆音で鳴り響く。ドミコのライブは何度もみているけど、いつだってこの瞬間は心が沸騰してしまう。

ドラム長谷川氏が駆け込んできてドラムセットに着席、すぐにさかしたひかるもギターをぶら下げてダルそうに入場。そしていきなり爆音の音出し一発!
「よろしくぅ~」と呼びかけ、あのギターリフが鳴らされる。なんといきなり"こんなのおかしくない?"で開演だ!!
あの中毒性抜群のリフと、さかしたひかるの荒ぶる歌。のっけからあまりのかっこよさに打ちのめされる。「風に吹かれ嫌な予感がした…」からのスローになる展開が何度聴いても天才すぎる。

続いて爆走ナンバー"旅行ごっこ"、『肴』からの"てん対称移動”と、ドラッギーな楽曲が続けて鳴らされる。そして"ペーパーロールスター"だ!!
こんなセトリをぶつけられて、アガるな、というほうが無理な話だ。岩手 WAVEに集いしドミコの民は手を付けられないほど盛り上がる。ステージ上のさかしたも、2番サビ後の「ハローあたしは寒がりもしない…」のくだりをまるまるぶっ飛ばして「ハロォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」と絶叫。

この曲は音源にはないセッションパートが挟み込まれるのが恒例。
さかしたひかる、長谷川氏を煽りまくる。足りねえぞ、もっと来い、と言わんばかりに。まるで殴り合ってるかのような緊張感で、ふたりで爆音を鳴らしまくる。延々と繰り返される音のバトルに脳がくらくらしてきたころに、ラスサビが解放感をもって鳴らされる。もはや国で規制する必要があるのでは?というほどの快楽だ。

初期の作品『delivery songs』から”無人島でつかまえて""Sea Side,Morning Hotel is Fire”が演奏されたのも嬉しいサプライズ。”無人島~”のほうは先日リリースの『異(下)』にてリアレンジバージョンが収録されていたからなんとなく予想はしていたけど、"Sea side~"のほうは予想外だった。あのアルバムはさかしたが宅録で作ったアルバムらしく、宅録っぽい、良い意味でチープな質感がよいのだが、ライブになると一気にラウドに、肉体性を伴うのが素晴らしい。

そして大名曲"マイララバイ"も聴けて嬉しかった!シンプルなコード進行なのに、もうめちゃくちゃいい曲。ララバイ=子守歌なのに眠らせる気全くなしの爆音なのも最高。

そしてライブはディープなモードへ。"くじらの巣""プトレマイオシー"のサイケデリック空間、あれはもはや死後の世界かと思った。空間系エフェクトをふんだんに駆使し、脳がとろけていくあの感覚。これはフェスでは観れない、ドミコのワンマンでしか観れない側面なので皆さんぜひ体感してほしい。脳溶けちゃうよォー!!(オズワルド伊藤)

そして今回のライブでもっとも衝撃的だったのが"深海旅行にて"のアレンジである。なんだっけこの曲?と思いながら聴く。こんなメロディの曲あったっけ?と考えていると、「たまりこむ海溝にこぼれ詰まりたい」というフレーズが耳に入ってくる。え?マジで?

"深海旅行にて"は彼らのライブでは定番のロックナンバーで、”深海マリアナ海溝旅行にて"というタイトルで『異(下)』にも入っているのだが、そのアレンジすら超越した最新バージョンの深海旅行が繰り広げられたのである。
曲後半ではまたもやセッションパートに突入する。測ったわけではないが、おそらく10分くらいはセッションしていたのではないか。脳は溶けすぎてもう空っぽだ。ああああああ。

海の底奥深くを旅行し、海底の神秘を堪能した後は豪速球キラーチューンの連投。”びりびりしびれる""なんて日々だっけ?”、「ありがとう、ラスト1曲」からの"血を嫌い肉を好む”。さかしたはギターを唸らせ、長谷川さんはドラムを親の仇のようにブチ叩く。「盛岡ぁぁぁぁぁぁ!!!」と叫び声をあげるさかした。肉食獣が暴れてそこら中食い散らかしていったような獰猛さをもって本編終了。
しかしながらこの日WAVEに集まった奴らは強欲人間の集い。こんなものではまだまだ食い足りないとアンコールが巻き起こり、まずは長谷川さんがひとりで登場、「アンコールありがとうございま~す」。ちなみにこれがこの日の初MCである。ここまでまったくMCなしのノンストップ。すごくね?

ツアー初日ということで…みたいな話を長谷川さんがしていると、フロア後方にいた陽気なおじさん客が「UKはどうでしたかー??」と呼びかける(このツアーが始まる前はUK、USでライブをしていたのだ)。長谷川さんはそれに「UK?グッドグッド。グッドデイズ」と。それにさかしたが「お前イギリスバカにしてんだろ?」とツッコミを入れる。ライブの激しさが嘘のようにゆるい空気。

「じゃあもうちょっとだけやります」ということでアンコール開始。長谷川さんのガレージ魂溢れるつんのめったドラムから"ユナイテッドパンケーキ”のあの気が触れたようなリフが鳴り響く。ユナイテッドパンケーキ、とサビで絶叫する曲、そもそもユナイテッドパンケーキってなんやねん、っていう曲なのだが、まあそんなことは今どうでもいいではないか。カッコいい曲、カッコいいギター、カッコいいドラムがある。十分ではないか!

そして"問題発生です”!重たいビートに重たいリフが爆音で鳴らされ、WAVEが揺れる!最大震度500を記録(俺調べ)!!

「センキュウ~」と言い残し去っていくふたり。

爆音の余韻が残ったまま、客電が点く。誰もが、いやあ~いいライブだった~と、帰路につこうとしたときであった。

「このままじゃ眠れないよー!」

この声は?

そう、先ほどの「UKはどうでしたか」のおじさんである。

おじさんは「皆さん、初の岩手公演ですよー!」「ドーミコ!ドーミコ!」と、周りのひとを巻き込みコール開始。周りのひとも優しく、それに乗って手拍子で煽る。

すると、ぬるっと長谷川さんが現れる!

まさかのダブルアンコール実現である。

おじさん、ありがとう。


「アンコールありがとうございます…あ、ダブルアンコールか」とぼそぼそ喋りはじめるさかした。

「地元(さかしたは岩手の久慈市出身)に帰るの好きなんで…初日にしてみたんすけど…」
「盛岡ってこんな人口いるって知らなかったんで…盛岡「町」でしたっけ?あ、「市」か」
「まぁ、またやるんで…みなさんよろしくお願いします。協力してください」

などと、相変わらずのゆるいトークを展開した後「じゃあもう1曲」と、”ねむれよ、ねむれ”が鳴らされる。

あのおじさんの「眠れないよ」コールに合わせての選曲だったのかどうかは不明だが、ラストにはあまりにもふさわしい曲だ。
ドミコには珍しい、割とストレートにギターロックしてる曲で、大好きなんである。

完璧なオールラスト。あっさりとステージをあとにしたドミコのふたりであった。

轟音の余韻に浸りながらぼくはこのままじゃ帰れねぇ、とガストに駆け込んでビール飲んだのであった。一杯だけにしとことか思いながら気づいたらハイボールとレモンサワーも飲んでいたのであった。


さて、ドミコという合法(今のところ)ドラッグの魅力は伝わっただろうか?

音源も勿論カッコいい、最高のバンドなのだが、何よりまずライブだ、ライブを観に行って欲しいのだ。

チケット代以上の価値は確実にある。人によっちゃ千円札をステージに投げ込みたくなるほどの凄いライブをしてくれるのだ。


どれだけ僕が文章で書き散らしてもあの凄さは伝わらないし、ライブ映像もかっこいいけど、やっぱりあの2人が出す音で空気が震えるあの感じ。さかしたひかるが振りまく色気。こればっかりは生で見ないと伝わらない。

これを読む人よ!ぜひともドミコを体感してくれ!
そして一緒に中毒になろうぜ。


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