見出し画像

『ラヴ・レターズ』 山中崇&小林聡美

2023年1月12日(木)15時開演
@PARCO劇場
¥7,700

30年以上前から繰り返し上演されてきた有名な朗読劇なので、舞台好きならば何度か足を運んだ人も多いはず。けど、アタシは今回が初めて。何度か気になるペアの上演があったけど、朗読劇も翻訳物も微妙に食指が動かずで何年も見送ってきたのよね。
今回は山中さんの声を聴きたくて初参戦。いや戦いじゃないって。お相手が小林聡美さんなら迷うことないわ、とチケットをとった。

幼馴染のアンディーとメリッサ。自由奔放で感覚人間のメリッサ。真面目でいつも何かを書いているアンディー。思春期を迎えて彼らは一番近い異性としてお互い十分相手を意識しはじめる。しかし、ついに決定的に結ばれるチャンスを迎えた夜、二人は友達以上にはなれない自分たちを発見する。大学を出た二人はそれぞれ結婚し、まったく別の道を歩き始める。海軍を経て法曹界に入り上院議員まで登りつめるアンディー。アートの道に進んだものの行き詰まって精神的破綻をきたすメリッサ。久しぶりに再会した二人は別々に過ごした日々を取り戻すかのようだった。しかし・・・。
 
50年にわたる手紙のやりとりで綴られていく、二人の物語をお届けします。

公式サイトより

このエントリを書くためにチケット代を確認したら7700円! ふたりきりの朗読劇なのにけっこうするな~~。低収入且つ数十年来の貧乏性のアタシがよく思い切ったわ。
値段も覚えてなかったし、チケットの発券が必要なこともぴあからのメールで気づく始末。当日の行きしなにセブンに寄り発券し、券面見て2列目だと知りビビる。しかもほぼドセンだと劇場に入ってから理解。
はわわ~~! こいつぁ春から縁起がいいわぇーーー(ココロの叫び)

舞台の中央に木の椅子が二脚。背に張ってある皮は上手側がくすんだ葡萄色、下手の方がモスグリーン。椅子の間に小さなテーブルに乗った水差しと二つのグラス。背面は黒のブラインド。舞台装置はそれだけ。
よく見ると水差しのカットグラスがキラキラ光っていて、とてもきれいだったなあ。

公式サイトに載っていたあらすじを読めば、大体のストーリーはわかる。こういう幼馴染のラブストーリーってよくあるよね。そうそう、アメリカのドラマって感じ。けど生の声で、目の前で喋っているのを見聞きするとまるで違うような気がする不思議。お話は確かによくある話なんだけど。
8歳の男の子と女の子、思春期から青年期、お互い別のひとと結婚し、子供が生まれ、そして(アタシが)初めて知る結末。
うっかりしたことにうるうるしてしまった。あー!
これが定番の良さってやつなのか? ともかくよいドラマを味わわせてもらいました。

切ない話でうるうるしたけど、いま思い返すとアンディは社会的地位も上がって保身に走った感じがする。それが悲しいのかな。メリッサがボロボロになりながらも求めているのに・・・。まあそこで妻子や地位を捨ててメリッサを選んだらドラマチックだけど、結局アンディが酷い男なのは同じなんだよねえ。

ところどころ判らない単語があったのが気になるんで、ちょっと原作を読んでみたくもある。けど、そうやって舞台を観て気になって、買ったり借りたりした本が読みかけのままいくつもあるんだよ~~。昔は本好きで色々読んでたけど、最近はすっかり集中力がなくなったのか、本を一冊読み切ることができなくなったわあ。これも年のせい? それとも娯楽や情報が増え過ぎたせいで散漫になってるのかも。

これは観た後に知ったんだけど、この演目は原作者の指示で稽古は一回のみ、なんだそう。へえええ~! 手紙なので、読んだ瞬間の新鮮な心の動きを大事にするということらしい。なんか色んな意味ですごいなあ。

演者のおふたりは言うまでもなく素敵だった。魅力的なアンディとメリッサ!
山中さんはとてもやさしくて佳い声、小林さんはキュートで表情の愛くるしさよ。ふたりとも盤石にうまくて、嫌味がなくて誠実な演技という感じ。かわいいカップルだなあ~~

衣装もとても素敵。一幕は子供時代からなので、アンディは生成りのギャザーたっぷりな麻のブラウスに、これも黒い麻でバルーンっぽい型のパンツ。メリッサは滑らかな黒のワンピースで、白い襟に黒いビーズか刺繍の模様。少女らしいストラップ付きの黒い靴。
二幕ではアンディは黒のジャケットを羽織り、一幕ではブラウスと共布の紐(リボン?)を蝶々結びにしてたのに黒の紐もプラスして。マッシュルームぽくふんわりおろしていた前髪もざっくり上げてキリッとした眼鏡をオン。メリッサは同じく黒ワンピだけど襟はレースに、靴もカチッとしたヒールに。おでこが半分見えるショートカットはそのままだけど、可愛くてキレイでもあって、とても似合っていた。

これは別の組み合わせではどうなるのか、すごく興味をそそられるなあ。また観てみたい。もし気になる役者さんが出ることになったら観てみよう。
歴代出演者、ざっと見てみたらめちゃくちゃ面白そうな組み合わせがあって気になる! 「ささきいさお&池田理代子」とか、役者じゃない方も。歌手と漫画家よ?!
千葉くんも戸次さんも演ったことがあるんだよねえ。もう10年以上前だけど。また出てくれないかなあ~~

いただいたサポートは次の記事のタネである観劇代ライブ代木戸銭の足しにさせていただきます!