きものの記憶と記録 ③

夏に和装となると浴衣が楽だけれど、昼から美術館へ、とかお茶のお稽古へ、となると浴衣でいいものかと少し躊躇する。

祖母の着物群の中には夏用の着物と帯もあった。

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帯締めと帯揚げを変えるだけでも何となく気分が変わる。下駄を合わせてもいいけど足袋は履く。

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この麻の着物はかなり好みで夏に着物となったらだいたいこれを着ていた。

もうひとつ夏に着ていたもの

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かなりごつい帯をしている。絶対暑いと思うが夏の終わりごろだったのだろうか。この帯はおそらく昼夜帯で、結構使っていた。

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これはひっかけ結びかな。お太鼓の枕が好きじゃないのでタオルをおしぼりくらいのサイズに丸めた物を代用していたが、それさえも嫌になりお太鼓自体を結ばなくなった。

江戸時代の普通の女性はどんな結び方をしていたのか、と調べてひっかけ結びを知り、よく結んでいた。帯締めもいらない結び方だ。

着物を着ることに慣れてくると、もっと楽に、簡単に着たいと思うようになりいろいろ調べた。一番簡素だった時は紐は腰の1本のみ、伊達締めもせず直接帯を締めていたが、着くずれが結構あって大変だった。今は紐が2本腰と胸、伊達締め、コーリンベルトも使っている。コーリンベルトをするかしないかで襟元の崩れ方が全然違う。枕はやっぱり好きになれないので茶会の時のみ使用している。

ちなみに昼夜帯のように裏表両方使える帯でないとひっかけ結びは難しい。半幅でもいいと思う。半幅帯は色々遊べて楽しい。

次は京都の古着屋で購入した小紋

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どことなく北欧っぽいという第一印象で即購入。こういう小紋はシンプルなワンピースのようで合わせやすくて便利。帯は地元の呉服屋で古い帯用の生地を売っていて、それを同じ店で仕立ててもらった。使いやすい。

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大徳寺の瓦壁の前ではしゃいでいる。帯は京都の古着屋でみつけ、この小紋に合わせたくて買ったもの。おしどりの絵が描いてあってかわいい。

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今回写真を見ながら色々書けるだろうと思って始めたのだけれど、探してみると意外と画像が残っていなかった。今書けそうなことはだいたい書いたので、そろそろ終わろうと思う。

最後にもう1枚、これ買って本当によかったというきもの

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ネットでたった2000円だったこのきもの、ポリエステルなのでネットに入れて洗濯機で普通に洗える。色落ちもなし。野イチゴ柄。

ポリきものというとあからさまにチープなものが多い。レンタルきもののリーズナブルなお店はほぼポリだが遠めに見ても一目瞭然で、全然そそられない。扱いが楽なのは魅力だけれど、柄も色もダサくてどうにかならんのかなと思っていたらこれをネットで見つけた。実際に手に取ったらダメかもしれないけれど、2000円ならまあいいかと買ってみたら当たりだった。正絹とは全然質感が違うけれど、つい着たくなる。 こういうポリエステル着物が増えるといいなあ。新品で~8000円くらいで買えると嬉しい。


さいごに

京都で着物となると着物警察が気になる所だけれど、私はそういう人にはほとんど遭うことがなかった。一度、ひっかけ結びを知らない人に「お太鼓が浮いてますよ」と声をかけられたくらいだ。そもそも着方が雑なので間違っていると思われてもしょうがないかと思ってあまり気にしない。

最近は帯の代わりにコルセットを使ったり、中にブラウスを着たり色々な着方を見かけるようになって嬉しい。きものも服だ。伝統といったって、今正しいとされている着方はせいぜい昭和頃からのものだ。もっと自由に、もっとたのしく、今日はスカートにしようか、パンツにしようかくらいの気軽さで着物を選べるようになるといい。手入れが楽で値段も手ごろな着物がもっと増えますように。

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