恋愛否定厨による弊害
私の家族にね、過激派恋愛否定厨がいるんです。何度も言い合いになったことがあります。
私だってね、恋人は愚か恋沙汰なんてろくにない枯れきった人間なんですがね。彼女と話すと私は恋愛を肯定する立場になる。というか、彼女の過激な思想と比べれば私は寛大に恋愛を肯定しているんです。私だって世間からすれば恋愛否定派ですよ。何てったって友人と意見が合わないからね。雑多な恋愛をこなす友人と比べれば私なんて恋愛から程遠い人間だって自覚してますよ。だけどもね、こんな私とは次元が違う否定派がいるんだ。それが彼女なんですよ。彼女は恋愛がこの世から無くなれば良いって言うんです。そもそもね、彼女は男性批判が甚だしい人間なんだ。度々起こる男性の性加害事件を発見しては記事を読み、苦言を呈す。男性というものに対して相当な嫌悪感を募らせているんです。かといってこの私もそういう意見には同意できる。ただ、限度があると思うんですよ。私はそういうことをする人間は一部だと思っているし、頭のネジが外れた一部の人間が犯すことだと認識できているんです。彼女はね全男性をイカれた人間だと思っているんですよ。きっと動物のように見えているんじゃないかな。(ここで言う動物とは違う生物という意味です)彼女の発言を密告するつもりはありませんよ。何を言っているかなんてここでは言いません。ただ彼女の相当な男性への嫌悪感が私に影響しないわけがないんです。彼女の断言っぷりに圧倒され意識せずとも思想がうつっている感覚は否定できない。そんな彼女と恋愛のことを話したんです。彼女を前にすれば恋愛はとても下劣なものになる。私はね、一度恋をしてみてはどうかと思うんです。彼女は恋をしたことが無いんだ。私だってもう随分前から恋はしていないんですけどもね。私が以前書いた「恋は桃色??」は私が記憶に残る限り最後にした恋の話なんです。あの恋だって彼女の一言で終わってしまうんですが、あの時の胸の高鳴りは今もよく覚えています。恋をするとね、何でもない日々さえ何だが面白いんですよ。そういう感覚を私はもう長い間味わっていないんです。彼女はそれを一度も味わっていないと思うと、何だが悲しいんですよ。私が恋愛をしなくなった理由は恐らく彼女の存在が影響していて、それに私は長い間縛られているように思います。私は解かれたいんです。彼女も一緒にね。
押し付けるようなことはしたくないんですがね。彼女は恋愛でトラウマを背負ったわけでもないんだ。恋愛というものに一度も触れたことがない人間なんだ。自分の思想一つで恋愛を毛嫌いしてしまっている。まあいいんですよ、どうだって。結局は私だって彼女のことなんて心配してませんよ。自分を心配した方がいい立場なんだからね。私もかなり重症ですよ。だってこんな文章を平気で書いてしまう人間になってしまったんですから。それでもね、私は恋愛を否定したくないんですよ。
彼女は言ったんです。恋愛を否定する人間がいるってことを世間は許してくれないって、そんな人間はいないみたいに当たり前に恋愛を押し付けてくるんだって、それにもう懲り懲りなんだと。私は言いました。世間がそう言うようにあなただって恋愛する人を否定しているじゃないって。それに私は恋愛しない人を何にも思いはしないって。そしたらね、お前はマジョリティだねと言われてしまいました。
マジョリティ…?
なんか全てどうでもよくなったし急にアホらしくなりましたね。結局未熟な人間なんですよ。子供なんです。彼女も私も自分のことしか考えられていないんですよね。
分かるよ。私はお前とは違う人間だと言いたくなるの。私だって常にそう思って生きているんだから。共感なんてされたくないんですよ。寄り添われると跳ね返したくなる性分なんです。だから私は彼女をイカれてるって言いたくないんだ。そう言ってしまうとね、彼女は喜びそうだから。